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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第10章脱出不可能の異変篇
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脱出不可能の異変篇part15 “可動する部屋からの脱出Ⅴ„

3つ目の部屋、生活感あふれるカジュアルな部屋は家電と

四角い箱がカギだ。実はもうこの段階で次の部屋に必要な関連付けは、

下準備は済ましてある。それはあの異常な温度の冷蔵庫を開ければ

分かることだ。俺は冷蔵庫に入れたあの型を作れそうな四角い箱を

取り出し、木の箱の部分を取り外すと見事に氷の直方体が完成している。


だがこの氷の塊を使うわけではない。まずはこの氷に付いている線に

沿って半分に割る。この線は木の部分同士で挟んだ時に出来たものだ。

これに沿って氷を割ると中から氷でできた鍵が出てくる。

これは自然にできたものではなく、木の部分同士を合わせずに

ウォーターサーバーの水を入れて片面ずつ凍らせて

そうしてできた片面ずつの型を今度は合わせて水を入れ、

凍らせて作ったものだ。つまりこれは1週目には気づかないと

出来ないわけだ。実は俺はこの事に気づき下準備をしていたのだ。


この下準備はあくまでも次の部屋のためでありこの部屋の仕掛けを

作動するわけではない。その為部屋を用心深く探索する必要があった。

そこで目につけるのはやはり家電だ。俺は2週目にテレビをつけていた。

するとどうだろう、テレビに表示されたのは鏡のように反対に表示

された番組だった。またどのチャンネルも見事に反対だった。


これはなにかあると思い、この生活感がある部屋を徹底的に

調べると、部屋にあった棚にあるものが全て逆にある事が分かった。

置かれていた目覚まし時計の中の電池が逆、飾られていた大きいお皿

の裏に刻まれた作成者の名前表記も逆と詳しく調べないと分からない

ものが全て逆だった。そこで唯一逆ではなかった、前を向いていた

人形を後ろに向かせると上手い具合に仕掛けが作動する音が

聞こえた。だが仕掛けが作動しているところは見ることが出来ていない

ので実証はない。


4つ目のカントリーな部屋にあったクローゼットに先ほど

氷でつくった鍵を差し込みひねると鍵は 案外普通に空いた。

中には一枚の紙とバールが入っていた。紙にはこうある。


「光はいずれ闇へと還る」


これは多い照明器具を全て消すのかと思い消してみるが違う。

他にも様々なことを試したがどれも違う。天井がすぐそこに来そうだ。

俺の視線は揺り椅子に向いた。そして俺は思う。

なぜこの部屋の揺り椅子はこんなに座りにくそうな所に置かれて

いるのかを。揺り椅子の周りには家具が多くあり揺れて座ると

ぶつかりそうだ。俺はとりあえず座りやすそうな所に置き、

座って揺られてみると...。なぜだかは分からないが作動音が

聞こえた。そして最後の部屋へと可動するとき、俺は気づいた。


出口は部屋の外、壁の向こうにあると。


作動していたのはドアのようで、下から上へと上がっていて

そこからは光が見える。そして部屋は黒に統一されたものに

変わった。今持っているものはバールと先ほどの紙に

「光はいずれ闇へと還る」と書かれたものだ。


そしてタイムリミットも迫ってくる。天井は頭に差し掛かる。

何かこの天井を止められるものはないかと必死に探す。


この部屋のものは木製ばかりで耐久力がなさそうなものばかりだが

そういえばテーブルの天版だけは金属製だった。俺はバールで

金属を引き剥がし、いざ天井を一時的に支えようと立ててみると

この天板には割れ目がある。時間もないのに気になった俺は

バールで引き剥がすと天板は2枚の金属板になった。


俺はもう片方は何かにまだ使うものだと考え、片方の金属板で

天井を支える。すると下がってきていた天井のスピードが

ギシギシと音を立てて遅くなっている。時間稼ぎは成功だ。


そして問題の脱出方法。それは恐らくあの紙に書かれたことだろう。

俺はもうそこにある天井から電球を引き抜いた。


するとどこからか凄まじい破壊音が聞こえてくる。

電球を引き抜いたことで床がゆっくりと抜け始め、壁にも

隙間が出来始めた。その隙間からは作動していたドアも見えるが

ドアまでの道のりはない。壁の裏は抜けていたのだ、落とし穴のように。

だが俺にはそれを解決する手段があった。先ほど引き剥がした天板だ。

俺はドアまで引き剥がした金属の天板を抜け始めた床から滑らせ、

橋を作り、急いでこの崩壊し始めた部屋から飛び出た。


部屋から出るとそこには...。

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