脱出不可能の異変篇part12 “可動する部屋からの脱出Ⅱ„
そして部屋は可動する。壁が横にスライドし、
一部の壁からはロボットアームのようなものが出てきて
家具も入れ替わり始める。俺の居た部屋は別の部屋に変化した。
2つ目の部屋はモダンチックな部屋になった。
あるものはとても寝心地の良さそうなハンモックに
茶色くすこし汚し塗装のされている本棚、そして目立つものは
先ほどとは違う時計、大きな振り子式の古時計だ。
俺は脱出の手がかりとなるものを探し始めるが特に何も見当たらない。
だが部屋が変わるということは各部屋ごとに仕掛けがあるのは
違いないのだがそう簡単には分からない。
だが1つ、気づいたことがある。それは唯一変化していないもの
床と天井のうちの天井だ。きのうせいなのかはまだわからないが
少し違うような気がする。そう、少し高さが変化しているのだ。
「上から天井が下がる。これは...」
おそらくタイムリミットがこの天井なのだと推測出来る。
天井は止まる素振りも見せずじわじわと下がってきている。
このまま下がってきてしまえば俺は見事にペシャンコに
なるわけなのだが。そして部屋はまた、変化する。
次は生活感溢れるカジュアルな部屋だ。
家具は至って普通で他の部屋と違うのは唯一家電がある位
だろうか。また、ウォーターサーバーもある。
俺はとりあえず目に付いたある家電、冷蔵庫を開けた。
「ッッッ!?」
冷蔵庫の中からは異常な程の冷気が放出される。
下手しなくても明らかに家の冷凍庫より冷たい、冷たすぎる。
中には何も見当たらなかったため迷わず閉めた。
この部屋もまた前の2つの部屋同様探索をする。
まずは洒落たデザインの棚からだ。棚は上から本や雑貨が
置かれている。特にめぼしい物は無いが俺は置かれていた
雑貨を1つ手にとった。
手にとった雑貨は木で出来た四角い置物だ。
裏には穴が空いていて、よくよく見ると真っ二つに、
半分に外すことができた。中身は鍵をふちどったような
型がある。だがこれでは鍵は作れず、鍵の形をした四角いものに
なってしまうし木の型では使い道がない。そもそも鉄を溶かすような
ものがあるはずもなく使うことは出来なさそうだ。
しかし、今のところ考えられる仕掛けは最初の仕掛け
ぐらいだろうか。とりあえず3週するこの部屋達は
何種類あるのか、どんな部屋なのかを見比べ推理していく必要が
あるだろうな。前の部屋と関連して仕掛けがあるかもしれないし。
そしてまた、部屋は可動する。