表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第10章脱出不可能の異変篇
134/250

脱出不可能の異変篇part7 “次の脱出不可能へ„

細道をしばらく歩くと開けた高台に出た。

この高台からは崩壊した再開発地区が見えるのだが

そこに見覚えのある奴がその景色を眺めていた。


「なんでこんなところにいるんだ?長門嘉月ッッッ!!」


奴、αグループの社長長門嘉月はゆっくりとこちらを向く。


「その様子だと脱出したようだね。だがそれは始まりに

過ぎない。このあとも脱出不可能は続くことは分かるね?」


「あぁ。お前は俺を潰さないと会社が危なくなってきたからな」

「ハハハハッ。縁起のない事を言うね君は」

「でも本当のことなんだろう?」


「ああ。そうだね睦月君。こうして君と悠長に話せるのも

今だけだろうね」


「話を戻すがなんでここにいるんだ?」


「おぉっと言っていなかったね。すまないすまない。

ここは私のお気に入りの場所でね。この再開発地区の

全景が見えるんだよ」


「じゃあなんで近くに脱出不可能を?」


「それは偶然さ。だが今回の脱出不可能のクリアについては

驚いたよ。まさかあんな脱出方法もあったなんてね」


「シャッターから脱出するんじゃなかったのか?」

「いいや。正解ルートだとこんなところまで来れないよ」

「じゃあ脱出したことにはならないのか?」


「いや。脱出ゲームというのはどんな手を使って

脱出出来たらそれで成功という前提条件があるんだ」


「じゃあ成功か?」


「ああそうだ。君のイレギュラー性には驚くばかりだ。全く。

脱出した最初で最後の褒美だ。君は再開発地区が

このような大崩壊を招いた理由を知っているかい?」


「なんかの異常事態が起きたんじゃなかったけか」


「その通りなのだが原因は月の名の持ち主なんだよ。

それも原初の3人、原初の三日月という輩だ」


「初耳だ」


「それもその筈だろう。知っているのは旧世代の月の名の

持ち主だけだからな。ちなみにこの原初の三日月と言われる

3人のうち2人はもう死んでいる」


「そいつらが何をしたんだ?」


「争いだよ。この3人はとてつもない力を持っていたらしくてね。

下手をすれば都市は1つ消えるほどの、な」


「それで見事に再開発地区全てが崩壊、という訳なのか。

じゃあその生き残った1人はどうしたんだ?」


「彼女は1人で暮らしているよ。私はどこにいるかは

分からないがそう聞いた。名前はたしか...叢雲紫月だったかな」


「叢雲紫月...一体どんな力を。

旧世代という事はもう年齢も高いのか?」


「いいや、彼女だけは例外だ。おそらく君より少し上ぐらいだ。

なにせ彼女は大崩壊を起こした時は小学生だったらしいしな」


「再開発地区の大崩壊は月の名が起こしたのか」


「そういうことだ。睦月君。君も月の名なのだから

それぐらいは知っておけ。さ、睦月君次の脱出不可能に案内するよ。

ここを戻ったところに車を止めてある。もちろん来るね?」


「あぁ、上等だ」


「じゃあその心意気でお願いしようかな。次の脱出不可能は

こんなには甘くないよ。君の息の根を止めに掛かるから」


「俺は不可能だろうと可能にするだけさ」


「ハハハッ。じゃあ行こうか」


そうして俺は次の脱出不可能へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ