表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第10章脱出不可能の異変篇
133/250

脱出不可能の異変篇part6 “脱出、そして何もない„

まず俺が取り掛かったのは簡易キッチンにあるありったけの

塩を取り出し、道具類があったところに転がっていた

バケツ5個にバランス良く塩を入れた事だ。

そしてそのバケツに水道水をギリギリまで入れる。


これで大体海水と同じような状態、塩水を作る。

一体塩水で何をしようかというとシャッターの原材料、

スチールに塩水を掛けることにより一部を腐食、錆らせ、

一部分を弱らせる事により原材料がスチール製のシャッターを

スチール製のチェーンソーで切れるようになる様にするのだ。


先ほどシャッターに耳を当て、外の様子を伺ってみたが

ほんの少しだが波の音がした。近くに海があると思われる。

そのためシャッターの外側は錆びていて弱っているに

違いないと思い俺はシャッターからの脱出を見直したわけだ。


だがこの作った塩水を全て一気に掛ける訳ではない。

乾いてきたら掛けるを繰り返すのだ。

おそらく早くて2日は掛かると思われる。

やはりこの脱出不可能は長期戦と言える。

俺は考えるのをやめた。


俺は塩水を2日間塩水を掛け続けた。

乾いたら掛ける、乾いたら掛けるをシャッターに向けて。


そしてその成果は2日目の終わりにやっと現れる。

銀色に輝き、叩いてもビクともしなかったシャッターが

茶色で光沢も無くなり、叩くとギシギシと音を立てるのだ。

だがシャッターというだけもあり、けったりしても

破れたりはしなかった。


そこで初めは使おうとしなかったチェーンソーの出番だ。

あの臭くて堪らないガソリンもしっかりと入れた。

チェーンソーのエンジンを掛ける。


チェーンソーは激しく音を立てて床の上で振動している。

どうやらしっかりとエンジンが掛かり作動してくれたようだ。


さて、問題はここからだ。

何が問題かというと、俺はチェーンソーなど使ったことがない

ということだ。まぁ当たり前のことだろうとは思うがな。

男子高校生がチェーンソーを使っていることなど聞いたこともないし

見たこともない。そういう高校生は家系が林業系の仕事を

している家庭ぐらいだろうとは思う。


俺は恐る恐るチェーンソーの持ち手に手を添え、

一気に持ち上げる。


「うわっ、これは重いな...」


思わず声に出てしまった。

3...いや5キロぐらいはあるだろうか。


その重たいチェーンソーをシャッターに当てる。

するとチェーンソーは俺の狙い通りにシャッターに刺さり、

下へと力を入れて、チェーンソーを下に動かすと

シャッターがみるみる切断されていく。


一番下まで切り終えると、一度チェーンソーを抜き

もう1辺の方の縦を切断する。


そして最後にチェーンソーを筋肉が悲鳴をあげている中、

横に向け上の横も切り終える。この時タイミング良く、

チェーンソーのエンジンも止まった。ガソリン切れだ。


これで切り終わった。切り目からは光が出ている。

俺は早く外に出たいという衝動からか切ったところの

真ん中を勢い良く蹴破った。


「さて...脱出成功っと。...風が気持ちいいな」

やはりこのガレージは海の近くにあったためシャッターの

外側は錆びれていた。そして海の近くのため、海風が涼しい。


だが1つ疑問がある。脱出を成功したのにも関わらず、

何もないのだ。いつもなら何かがあるというのに。


疑問に思って仕方がない俺はガレージの脇にあった

細道を進むことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ