夏の推理小説部合宿・徘徊する殺人機篇part17 “最終日の夜へ„
今日もまたいつもより早く起きた。
最近何故かいつもより早く起きる事が多い。
せっかく海の見える別荘に来ている事だし
朝の海でも見に行くか。俺は部屋着のまま部屋を出て
砂浜に向かった。時計の針は丁度5時をさしていた。
そして海辺に出ると朝日に当たり、海の遠くの方を眺めている
1人の髪に赤みがかかっている少女、秋葉がいた。
夕日も良いが朝日も似合うんだな。
「秋葉。朝早いな」
「...ん。睦月くんか。おはよ」
「あぁ、おはよう秋葉」
「どうしたの?そんなにまじまじとこっちを見て?」
「いや、何でもない」
「...そう。ならいいけどさ」
俺は秋葉の横まで行き、海を見ながら砂浜に座る。
「秋葉もいつまで立ってるんだ?」
「...そういえば、そうだね」
そして俺達2人は無言で朝日を同じ朝日を眺める。
「なぁ、秋葉。秋葉はいつも早起きなのか?」
俺は単純な疑問をぶつけてみる。
「いや?そんなことは...無いよ。今日は多分、睦月くんと同じ」
「じゃあ、たまたまって訳か...ハハハハッ。ったく」
「笑うなんて酷いよぉ...ん、睦月くん!!あれっ」
綺麗な朝日の前をカモメの大群が通っている。
「いやぁ...本当に綺麗な景色だ。来てよかったけどこれを見れるのも
今日が最後なんだよなぁ......」
「そぉ、だね。少し...寂しい気もするけど、楽しもうね。
昨日はあんなこともあったし。また...睦月くんがどっか行っちゃうかもだし」
「おいおい、どっか行っちゃうって酷いな」
俺の返答に秋葉が微笑む。
「さて、と。喉が乾いてきたところだしさ、戻ろ?」
「うん...そうだね」
そして別荘に戻ると皆がリビングに集まっていた。
「いやあ、皆早いな」
「僕は朝の稽古をしないといけなかったので」
「そうか。斬月も大変だな...。じゃあ他の皆は偶然か?」
「わたしは...朝から...読書する...習慣が...」
「山吹さんはいつもの寝起き読書というわけか。水篶は早起きしてそうだし」
「そぉだよぉー。ふわぁ...。まぁ今日は何だか眠たい」
水篶が大あくびをする。
「んで未だに来てないのが文月か...っと噂をすれば、だな」
「ウースって...皆早いなっ」
「俺と同じ事いってんぞ文月」
「あぁ、それは悪い。まぁ皆居るなら丁度いいさ。今日の予定を発表する」
「え、文月今日も面白い催しがっ」
「皐月、はしゃぎすぎだぞ」
「だってバカアニキなんだもん」
「いや、答えになってないから...」
「こほん。私語を慎みたまえ。さて今日の予定は夜がメインだな。
本当だった今日、帰るはずだったんだが予定変更だ。
皆にはもう聞いてあったから大丈夫だな。よし。
今日は夜まで遊ぶとしよう!!」
『ウェーイ!!』
推理小説部の皆と他の数人が返事をした。
俺は...してないが。
そして俺達はメインイベントのある夜まで遊びに明け暮れた。
海で泳いだり、ビーチバレーしたり。部屋でゲームをしたり。
...もちろん脱出ゲームも忘れていない。
そして最終日の夜を迎える。