夏の推理小説部合宿・徘徊する殺人機篇part16 “2日目の終わり„
水篶とともに別荘の玄関のドアを開けると
文月が丁度出ようとしていた所だった。
「おいおい...睦月。水篶ちゃんが見つけたなら良いけどよ、
いきなり居なくなったし、ヒーロー気取りかよ...ったくよぉ」
「あぁ。...悪かった」
「ならよし。皆、リビングに居るよ。俺はちょっと大事な電話があるから」
「分かった。今度はお前が居なくなるんだな」
「おいっ...」
「冗談だ。ほら、電話してこい」
「あぁ」
そう言うと文月は外へ駆けていった。
「じゃ、水篶。皆の所に行こうか」
「うん」
そしてリビングへ。
「神代先輩...全くどこへ行ってたんですか...」
「あぁ、ちょっとな。ハハハ...」
俺は斬月の質問を苦笑いで返す。
「そんな誤魔化しは効かないよ!!心配したんだからっ...」
と秋葉が言う。
「あぁ、悪かったよ。ちょっと夜風に当たりたかったんだ...」
「そう...ならいいよ?許してあげる」
「ありがとう、秋葉」
「ありがとうなんて...こっちこそ守ってくれてありがとうね。睦月くん」
「あぁ」
「バァァァカアニキィ!!」
皐月が猛烈な飛び蹴りを繰り出すが...。
「皐月...もうそれは見切ってるから」
と言い、俺はササッと避ける。
何回飛び蹴りされてると思ってんだよ。ったく。
その飛び蹴りしてきた皐月はソファーへ激突。
山吹さんがソファーに座り、本を読んでいたのだが...。
「いてててて...ハッッッ!!」
どうやら皐月も気づいた様だ。
「さ...皐月、ちゃん...本が...皐月ちゃんの、せいでっ!!」
そう。山吹さんが読んでいた本は見事に2つに裂けてしまった。
「ゴメンナサイ!!山吹姉ちゃん、お許しをぉ」
「...許さない」
はぁ。俺が戻ってきたらもうこれか...。
「ごめんな、山吹さん。本は俺が弁償するよ。サービスで2つ欲しいのも
買うからさ。それでいいかな?」
「うん。...それで上等。...ありがと、それと...一応...心配、してた」
「それはすまなかった」
「よし、じゃあそう言うことで。今日は皆寝ようか?」
電話を終えた文月が見ていた様で、皆に言う。
皆は無言で頷き、部屋へと帰っていった。
こうして月壊零式が襲って来た、それを俺が片付けた
そんな1日は終わった。
そして推理小説部の合宿は最終日を迎える。