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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第9章夏の推理小説部合宿・徘徊する殺人機篇
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夏の推理小説部合宿・徘徊する殺人機篇part15 “綺麗な夜空の下„

俺は砂浜に出て、岩場の方へ向かった。

そこにはちょうどいい岩があったので俺はそこに座り

綺麗な夜空を、雲ひとつない夜空を眺めていた。


「今日は綺麗な三日月か...」

俺は1人呟く。


「...こんなところに居たのかぁ...皆は分からない訳だよ」

誰かが俺の後ろで言う。誰かは声のトーンで分かる。

俺は振り向かずに


「水篶か。良く俺の居場所が分かったな」


「それは...睦月くんだもん。1人になれる場所に来るでしょ。

ちなみにここに来たのは睦月くんより早いよ?」


どうやらここは水篶が先に見つけていたらしい。


「...だからか」


「ねぇ、睦月くん」

「なんだ?」

「月が綺麗じゃない?夜風も涼しいし...」

「あぁ。俺もそう思ってたとこ」


俺がそう言うと水篶が微笑む。

俺もつられて笑う。


綺麗な三日月をのぞむ岩場で微笑む2人。


「睦月くん、あのさ」

「なんだよ...?」

「その...ケガとか...ないの?あんなロボットと戦って...」


文月に後処理を頼んだんだが残骸を水篶は見たみたいだな。


「あぁ。問題ないよ。俺は皆が無事で、危害が無くて良かったよ」

「...そぅ。それはありがと。じゃあ1つ聞いていい?」

「うん。良いよ」

「.........」


水篶の眼差しがとても真剣になる。


「睦月くん、睦月くん何かに巻き込まれたりしてるんでしょ。

秋葉ちゃんにも...わたしにも、何か隠し事とかしてない?

ファーズランドの脱出不可能やってから...何かがオカシイと

思ってて...。前もいきなり姿を消したと思えばいきなり現れるし。

そもそもなんで...」


「...悪い......水篶。それには答えられそうにない」

俺は水篶の話の途中、顔を背け言った。


「でもっ!!わたしはっ...」

「本当にごめん。無理なんだ...」


水篶や秋葉を守るためにも...。

俺の言葉は途中で途切れた。


「...そ、う。...でも言えない事情があるんだよね?」

「あぁ」


「じゃあ、わたしは!!」

「うん」


「君を、睦月くんを信じるね。何かあったら全て睦月くんに従う」

「あぁ。ありがとう。俺は水篶、秋葉に危害が出ないよう、守るよ」


「うんっ」

水篶が俺をまっすぐに見つめた後、ニッコリと笑った。


「...じゃあ、皆待ってるみたいだから戻ろうか?」

「うん。睦月くん戻ろっ」


俺達2人は仲良く、文月の別荘へと足を進めた。



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