夏の推理小説部合宿・徘徊する殺人機篇part5 “車での移動中„
車に乗り込んだ俺と秋葉と水篶、斬月は文月の言う
別荘の事で話題は持ちきりだった。
「ねえねえ秋葉ちゃん、睦月くんでも分かるなら聞きたいんだけどさ、
別荘に行くって言っても何で港に向かうの...?」
水篶が言うことに対し、秋葉が言ってあげなよという視線を
俺に向けてくる。まぁ、いいんだが。
「それは単純に文月の家が持っている島に行くんだよ。
日本の借金が無くなってから色々裕福になってお金持ちが
更に増えたって水篶も分かるだろ?それで島を買う人が増えたって訳だ。
まぁ、文月の家は親の仕事が仕事だから俺の推測だと...おそらく
安く仕入れたっていう感じかと思うんだが。まぁそういう事だ」
「ふぅん...。ちなみに睦月くんは行ったことあるの?」
「いや、俺は初めて行くよ。だけど写真?案内図は見たことある。
なかなか立派な別荘で、客のフロアがあるんだよ。玄関入ると
大きなキッチンと広いリビング、露天風呂も奥にある。
真ん中には階段があって2階の客室に。階段を囲む様に廊下があって
客室...って感じかな。確か、3階は...娯楽が沢山あったかな。
ルームシアターとか.....な」
「ふうぇえ...。文月くんって私のうちより色々持ってるんだね...。
私の家なんて長野に大きな畑がある別荘くらいしか無いし...」
「あのねぇ、水篶ちゃん私とか睦月くんとか斬月くんも
そもそも別荘なんて持ってないから。持ってる時点でお金持ちだよ。
水篶ちゃんの家は文月と違い、名家でしょ。なんか歴史的なお祭りとか
に出てたりもするし。確かにあの文月もお金持ちだけど私は...水篶ちゃん
のほうがスゴいと思うなぁ...」
水篶の言った事に秋葉がすかさずフォローを入れた。
その後、斬月の話題で俺達は盛り上がった。
斬月にはどうやら剣道部で大将の位を奪い合うライバルが
いるらしい。それも女の子らしく、全国大会でも1位2位を
とる程だ。このライバルと斬月は互角らしい。
あんな凄まじい剣術を持つ斬月と互角か。どんな相手だろうな。
そんな話をしているうちに俺達は文月の別荘に行くための
港に着いた。