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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第8章帰って来た日常篇
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帰って来た日常篇part10 “久しぶりの何もない1日„

「ハイよ、買ってきた」

俺はそう言い、購入したクレープを秋葉と水篶にそれぞれ手渡す。


「おー、待ってたよー睦月くん」

と秋葉。


「わぁ...美味しそう...」

と水篶。


2人揃ってお礼の一言も言わない。相当甘いものに目がないのかも

知れないな。


俺は2人の邪魔は良くないと思い、離れたベンチに座ろうと

背を向けると。


『どうしたの!?』と秋葉、水篶が口を揃えて言う。


「いや、2人の邪魔は良くないなって」

「邪魔なんて...そんなのないよぉ」

「そうそう。水篶ちゃんの言う通り」

「いや、俺がここに座ったら狭いだろうが」


そう。邪魔しないようにの他に、ベンチの幅が狭いのだ。


「ほ、ほら、真ん中座れば大丈夫だよ。水篶ちゃんも良いよね ?」

「..........うん」


秋葉と水篶がサササッと真ん中を開ける。


「良いのか...?」

「......うん」

「早く座りなよ」


「...」


俺はしぶしぶ真ん中に座った。

するとさっきまでしゃべっていた秋葉と水篶が急に静かになった。

その静かさはクレープを食べきるまで続いた。


食べきるとそろそろ落ち合う時間になってきているのに

気づいた俺はベンチから立ち上がり、


「秋葉、水篶。そろそろ戻らないと」

と一言告げる。それに対して2人は頷き、ベンチを立ち上がり

文月達落ち合う場所へと歩き始めた。


そして待ち合わせ場所で文月達と合流。

文月達は山吹さんの本屋巡り(21軒)をしたあと、

時間がまだあったためゲームセンターに行ったと言っていた。

その証拠に山吹さんがウサギのぬいぐるみを持っている。

文月がUFOキャッチャーでとったらしく、山吹さんは

大事に抱えていた。


「山吹さん、そのぬいぐるみなんて言うんだ?」

「..........ウザギちゃん」


...なるほど。言われてみれば愛らしいなという表情が

ウザイ顔に見えてこなくもない。


ぬいぐるみの話も終え、俺達推理小説部メンバーと皐月は

買い物も終わり、別行動も終え、やることが無くなったため帰る事になり、

帰路へと着いた。


そして弓張月駅で降り、推理小説部の皆と別れ、

皐月とともに家へと帰宅した。


とても楽しい1日だったと皐月が言っていた。


...確かに久しぶりの何もない1日だったから

楽しかったな。そんな風に思いつつ、ベッドの上で目を閉じた。

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