帰って来た日常篇part7 “お互いが見える位置での電話„
そして男子チームの俺と文月は適当に水着を買い、
女子チームが居る店の前まで来た。
「おいおい睦月、この店男居なくて入りづらいけど
どうするんだ ?水篶ちゃん達も見当たらないし」
「あぁ。困ったな。どうしようか」
「睦月がノープランならどうしようも無いし、待機で良くないか ?」
「あぁ。それが今できる最善策だろうな。適当に座っとこう」
そう言うと店の前のベンチに腰掛ける。
「なあ、睦月」
「なんだ ?」
「合宿とは名ばかりなものだけど楽しもうな。いつもお前はなにかと
戦っている気がするんだよ」
「あぁ。そうだな」
実質、戦った事のある奴らに目をつけられている様なのだがな。
五十嵐 喰月とかな。長門 嘉月もなんだかんだ俺に注目してるし。
一体なんなのか俺にも分からない。
そんな些細な会話をしていると携帯の着信音がする。
俺の携帯の様だ。
「もしもし ?秋葉か ?」
「うんそうだけど ?っていうか睦月くん、今どこにいるの ?」
丁度今、店内で電話している秋葉の姿が遠くに見える。
「えーと、店の前のベンチに文月と居るけど ?」
そして電話している秋葉が遠くから確認してきた。
「あぁあ !? 居た !なんで入って来ないんだよぉ」
「だってこの店、男は入りづらいじゃないか」
「うう。そう言われたらそうなんだけど...。まぁいいや、
今、そっち行くね ?」
「あぁ。分かったよ」
「それじゃ電話切るよ」
「おう」
そう言い、お互いが見える位置での電話は終わり、秋葉がすぐに
こちらに来た。
「もう、睦月くん遅かったから皆選び終わっちゃったよ...」
「じゃあ、買うだけか。良かった」
「いや、まだ試着してないし」
「試着なんてするのか ?」
「するに決まってるじゃん。いいから来て ?」
「なあ、お2人さん。俺は無視か ?一応主催者ちゃあ主催者なんだが」
文月が言う。
「そういえばそうだったね文月。令月ちゃん待ってるから来い」
「なんでお前は睦月と同じ幼なじみなのに俺だけ呼び捨てなんだよ。
睦月も呼び捨ていいだろうが」
「う、そ、それは.......」
「まぁまぁそれぐらいにして、用を早くすまそう」
俺は2人の間に入り、言った。
そして秋葉に連れられ、俺と文月は店の中へと入って行った。