帰って来た日常篇part3 “日常は帰って来たがいつも通りではない„
俺は家を出て、学校に向かっていた間、水篶と秋葉が腕を絡めてきていた。
つまり左腕には水篶が腕を絡めて来て、右腕には秋葉が腕を
絡めて来ているということだ。流石に朝からこんなことをしていては
周りの赤雪高生の注目を浴びてもおかしくない。
俺はその事を水篶と秋葉にしたのだが2人は止めようとはしない。
赤雪高校では水篶は名家の血筋のため意外に名が知られてたりしていて、
秋葉も秋葉で転校してきた美少女として ?有名だったりするため
赤雪高校の門をくぐった時、何人かが「アイツ誰だよ。調子こくんじゃねぇ」
などと言っていた、がごく一部の奴らが「おーおー朝からアツいねぇー」
と言うと流石に水篶と秋葉は我に帰った ?のかすぐに腕を離し、
顔は2人そろって赤く染まっていた。そして2人の歩くペースが
格段におちたため、俺は2人に「先に行っているな」と一言言い、
やっと解放された。
あんな事をしていたため、どうやら噂が流れていた様で
その噂を聞いた文月が俺の元へとやって来た。
「なーなー、睦月。お前、今日学校来る時に両手に花を添えていた
というのは実話か ?本当だったら学校中に噂を流しまくりたいんで
お答えしていただけるかな ?」
「両手に花ってお前ふざけているのか ?それはあの2人が勝手にだな」
俺はそう言うと自然に2人へと視線がいく。それに気づいたうちの
1人、水篶は俺が視線を離すまでボーっとこちらを眺めてきて、
もう1人の秋葉は笑顔で返してきた。
「なーなー、睦月今の時間は何だ ?お前のクラスの印象は
おそらく変わったな。クールから女たらしへと...はははっ」
「なぁ、文月。それ完全にからかっているよな ?
.......................後で殺す。...............いや止めた」
「へ ?」
「凄い痛みを加えた上で地獄を見せ、そのあとに殺す」
「..............。ごめんなさい睦月さん。僕が悪うございました...」
「なら宜しい。お詫びとしてブラックコーヒー宜しくな」
「マジかよ、ま、仕方ないか」
俺はそう言い文月を話題から逸らした。
そして今日の授業を一通り終え、部活へと久しぶり、というか
3日ぶりに向かった。