プロローグ
2015/4/8(水)改稿開始。サブタイトルのつけ方を変更開始。
2015/10/18(日)再改稿。
2016/9/15 (木) 二章まで再改稿完了。
三章から随時再改稿実施中。
※スマホの方はスマホ本体を横にして頂くと読みやすくなると思います。
※改変しつつ改稿中なので矛盾点などが存在するかもです。早く改稿を終わらせられる様努力中です。
「大当たりィィィ……ッ!!」
その声は店内をも越えて道端に大きく響き渡った。
通っている高校の授業を終えた俺はもう既に帰路に着いていた。うちの高校の生徒は部活に努める者、バイトに精を出す者、特にする事が無く帰宅する者の三つに分類される。俺は恐らく三つ目に分類される人間なのだろうな。
暫く歩いていると部活に努める人たちの活気溢れる
掛け声などは聞こえてこなくなり、
「バイトだッ……バイトバイトッ」
などとバイトに精を出す人たちの焦りながら自転車を漕ぐ姿も見えなくなる。そうしていつもこのタイミングで現れるのは毎日目にするしがない個人経営のスーパーだ。
いつも見かけるこのスーパーは普段ならば人が全然入って行かず、寂れている印象なのだが今日は普段とは様子が全く違う。今日はやたらと自転車が止まっていて活気に満ち溢れている。何かがあるのか、タイムセールでもやっているのかと少し気になった俺はお店の正面にある大きな窓から中の様子を伺う。
「福引きか……。そういや、夜食を切らしていたっけか…」
店内の手作りのディスプレイに目がついた俺はそう独り言を呟きつつ、
店内へと自然に足を踏み入れていた。
そして踏み入れたのは良いのだが…。
大した買い物はせずに夜食だけをかごに入れてレジに並ぶ俺の姿がそこにはあった。いつもこうだ。他に何かを見て買おうにもどうしてか心の中で節約しなくてはと思ってしまう。
だが今日は丁度セール期間だったようなので妹の為に
幾つかお菓子をかごに入れていた。
そうして店に入ってから数分もたたないうちにお会計へ。
「百円の商品が四点、三百円の商品が二点、
四百三十円の商品が一点で合計千四百三十円になりますねぇ」
毎度見かけるレジのおばちゃんが無愛想にそう告げた。
それに対して俺は千五百円を差し出し、
「お釣りの七十円とレシートのお返しです」
この一言で俺の買い物は終わった。
店の様子はいつもと違えどこれはいつも通りだった。
買い物を終えたのでスーパーを後にしようとした時、後ろからふと声を掛けられた。
俺は財布でも落としてしまったのかと少し焦って振り返る。
「オイ、そこのあんちゃん。今日で福引きの期間終わるけど福引きしていかなくて良いのかい?」
声を掛けてきたのは威勢の良い店員のおっちゃんで俺は少しどこかでホッとした。
その後に短い間、おっちゃんの前で黙って考え込んだがこの考える時間は無駄だなと判断し、じゃあやりますと答えてレシートを差し出した。
福引きの特設コーナーに案内され、俺は無心でガラガラを回した。
出てきた色は………。白だった。
店員のおっちゃんは少し残念そうな表情を浮かべて差し出してきたのはよく見かけるポケットティッシュだった。俺は内心やっぱりなと思っていたがおっちゃんが口を開いた。
「じゃあ、もう一回回してな。これがラストチャンスってやつだぞ」
その言葉を聞き、俺は少し驚いた。一回で終わるものだと思っていたがチャンスがあるならば無駄にはしたくない。諦めたくはない。 俺はもう一度ガラガラを回す。今度は無心ではなく、絶対当ててやるような気持ちで。
そしてガラガラから出てきた色に対して店員のおっちゃんは驚愕していた。
出てきた色が金色だったのだ。
おっちゃんはそれを改めて確認したのちに手持ちのベルを振るい、うるさい程の大声で、外まで響き渡る大声でこう叫んだ。
「大当たりィィィ……ッ!!」と。
そしておっちゃんはにこやかに茶封筒を差し出してきた。
「はい、これ。特賞のファーズランドのペアチケットな? …どうぞ?」
受け取った俺は迷わず中を覗く。そこには遊園地にありがちな印刷がされた鮮やかな色使いのチケットが入っていた。
特賞を当てた、遊園地のチケットを当てたのは良いのだが俺はファーズランドというものを知らなく、ピンと来なかった為にあまり嬉しくは無かった。
どうもはじめまして。風雷寺悠真と申します。
このお話は読んでいくに連れ、面白味が増していきます。
初めだけ読むのも読者様の選択の一つではありますがこの拙作の構成は
伏線などを多用することが多かったりします。
是非最新話の方まで本編を伺って頂ければなと思います。
また、所々の作者の実力不足が感じられるところがあるかと
思います。それにおきましてはいずれ改稿中ですので宜しくお願いします。