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神様の思いやり転生  作者: 苺ジャム
第一章
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明星

今、私はお父様と帰路の途中です。

私はあの方、康紀様が忘れられません。このような気持ちに戸惑っております。

何も経験のない私にとってあまりにも衝撃的な出来事。

学校の友達にも彼氏がいた子もおりましたが、私はいつも聞き役ばかり。

「いつかは、私も」と心躍らせておりました。

その時です。「今日は思いもよらぬ公達に出会った。暁 康紀・・」とお父様が仰いました。

私は「康紀様はどういうお方でございますか?」と聞きたかったのですが、お父様は意味しげに考え込まれておられていたので私はとてもそんな事は聞けません。

ただ、私は車の中から来た道の景色をただ見ていただけ。何となく景色も色あせて見えます。



康紀サイド


今日は寺詣で珍しいお方、権大納言殿にお出会いした。

宮中でも滅多に出会えることはないのだが。

そして権大納言殿の隣にいらっしゃった方はお嬢様なのだろうか?

美しく、可憐で・・・・何と言うのか野原に咲く夏バラのような、お方だった。

でも、咲子様は俺を見てはくれなかった。ただ1人の公達しか見えぬのか?

それほど、俺の事がイヤだったのか?

俺はあの日以来、咲子様に心奪われたようだ。

あれから咲子様の事ばかり考えてしまう。もしや・・「恋」・・?

しかし、大納言殿にはあのようなお嬢様がいるとは聞いたことがないぞ。

余程、大切のされているように思える。

この恋いを成就させるのは難しいだろうな。




あの寺詣でから何日経ったのでしょうか?

私は何を聞かれても上の空。加茂には叱られっぱなし。「何処かお体でもお悪いのでございますか?」と心配されてしまいます。

本当は加茂に聞いて欲しいんだけど・・・言えない。

なんて言われるのだろう?と考えただけでも恥ずかしい。

皆に余計な心配をかけるだけだし。それにお父様だけには知られたくない。

何故か、私の本能がそうさせます。

はたして、私の気持ちが康紀様に届く日が来るのでしょうか?


「明星でございます。」という誰かの声が聞こえました。


夜空を見上げますと、一番輝いています。

今の私の心のようだわ。



お互い、一方通行に思われています。

それにしても、咲子はこんなにシャイだったんですね。

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