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派遣されて来た訳だ。

お弁当、カトラスとピストル後は、早合(紙の筒に玉と火薬が入った物)。魔法書の鞄も持って行くか。砦まで2時間位か?馬車だと一日かかるそうだ。鼻歌混じりで準備をしていると、ノックがした。「はい、」そっとアンが顔を出した。今日は乗馬ズボンにブーツ。そう言えば、スカート姿を見た事ない。「スカートは嫌いだ。スースーする。」また思考を読み取られた。少しやらしい事でも考えてみるかな。「錆に変わりたい?」僕は内心ビビっていた。妄想は男の美学だ。コレばかりは死守しなければ。「僕が悪かった。君の想像は君の物だ。あまり覗かない様、気をつける。」

トコロで何で訪ねて来た?「父上が一緒に行けとうるさいか~」アンがしまったと顔に出た時は、僕が怒っていた。「今言ったばかりじゃん。信用ならない。僕は一人で行くよ。」「何かあったら、困る。君は国家の財産だ。お願いだから、明日の午後に出掛けないか?」アンの顔をジーと見つめた。何かがおかしい。僕は国から派遣されて来た。働いて当然の立場だ。なぜ監視する?アンが答えにくそうにモジモジした。「君の血が問題なのさ。君は何処の家系にも属さない綺麗な体さ。僕の家系は代々魔法使いの家系だ。血を守る為に親戚、従兄弟で婚姻を繰り返した。結果僕の母さんは体が弱く死んでしまった。僕には兄妹が居たが、皆3才まで生きられなかった。父上は家が滅ぶ事を恐れている。」「僕が君の事好きに成らなければどうなるの?」「種をもらう為に色々な事考えて来る。僕以外にも女性の魔法使いが居る。注意深くして欲しい。」仕方ない。街でも散策するかな。街の散策と言っても馬車からナカナカおろしてもらえない。「たまには飲みに行きたい。」「コックに最高のつまみとワインを!」なんて言われそうだ。酔っ払って襲われる、ダウンタウンじゃ逆転な光景じゃないか。「妄想しすぎ!とにかく一人でウロウロするのはダメだね。」仕方ない。今日は諦めるか。「父上が食事を共にと言っていた。夕食に来てくれ。」何処の世界でも偉い人と食べる飯はまずい。なにを食べたか分からぬまま、部屋に戻った。喋った内容なんて覚えていない。ひたすら娘の自慢話を聴いていたと思う。また無駄な一日を過ごしてしまった。このままでは幽閉と同じだ。何とかしないと。

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