卒業までの流れ
学校は本当に凄かった。まずはクラス分けで、僕の学科は魔法薬学。要は、魔法で効き目が増幅されている叉は魔法によって作られる薬を作る魔法使いのクラスだ。力を貯めて放出する戦闘魔術や剣術使いなどと違う地味なもんだ。魔力の量とかの関係でなく、蛇口が太いか細いかの違いらしい。医者に次ぐ高貴な地位なのだが、花がない。男なら軍服と金のモールだった。しかも、学年30人で、男僕含めて5人しかいない。その後金の力か、皆さん戦闘魔術クラスに転出あそばれました。悲しいかな貧乏人の僕だけ女のコしか居ない教室で頑張る羽目になった。
学校からは補助金が出ていた。僕みたいな平民(貧民街の出)などに教材費として金貨が支給されていた。基本的な持ち物は支給される。要は贅沢なお金だ。流石に箒などは買ったが我慢できるものは我慢した。その分、親に仕送りして家賃の足しにしてもらった。多分家賃の支払いしてもお釣りが来ると思けど。少し多い親孝行と思う事にした。
学校三年生の時に始めて彼女が出来た。それがまた金持ちで、多分今思うと遊び人だったと思う。
半年間お付き合いしたが、振り回されて疲れてしまった。やっぱり身分相応て有るんだと考えさせられた。
優秀な成績でもなかったが、落第もせずにいよいよ卒業となった。その後の進路は院生になり新たな研究室に入るか、軍の病院に入るか、家の家業が魔法医か。最後は国の命令書が届き、地方での勤務(5年契約)だった。軍服は憧れたが、自由度が無い。新米は直ぐに駆り出される、との理由で却下。研究室は怪しい連中が多いし、派閥やらで大変との先輩談で却下。地方での勤務は5年すれば自分の故郷に戻れるし、何よりも自由度が高い。親父なんかは、堅い軍の仕事と言っていたが、そんなにライバル居ないから大丈夫と説得した。
いよいよ卒業となった時、国の命令書が届き、少し遠い街での勤務が決まった。授業でしか聞いたこと無い様な名前の所だった。この国は中央議会が有り地方からは代表者が来て政治が行われる。地方はこの代表者が地方議会を召集し政治を取り行う。命令書にはそこの代表者に面会して指示を受ける事。施設、資金に関しては地方議会より支給される。と言っていた。2週間後とまで書いてある。僕の箒では3日、船と陸路では5日掛かるので、休みは短かくなってしまう。やれやれだ、やる事が山ほどある。少し遠い目になりながら、実家に帰る準備を急いだ。