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ひとみ先生の眼科診察室  作者: らな


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第7話 金さん

「金浩然さーん。おはようございます。」

陽子が患者さんの名前を呼んだ直後、早口で金さんの情報を伝えてきた。

「次の方、日本語がしゃべれないそうなので通訳の方と入ります。」

ひとみは頷いた。


金さんは62歳。中国の方だった。

2、3日前から左目に黒い物が飛んで見えるという主訴だ。

この症状は飛蚊症といって、大概は老化現象から起こるが、まれに網膜剥離などの怖い疾患の場合もあるので目の奥を周辺まで見る検査が必要となる。


通訳の女性は金さんの斜め後ろに立っておられた。

「この症状はほとんどが老化で起こりますが、まれに悪い病気のこともあります。」

通訳をしてもらう場合、短い文で少しずつ話すように心がけている。

通訳の女性を見ると、心得たという風に大きく頷き金さんに話し出した。

その時間2分。


私、そんな長い説明してないけど・・・。


通訳の女性が話し終わるまで辛抱強く待った。

「目の奥を詳しく見るため瞳を広げる検査の目薬をいれます。薬が効くのに15

~20分かかります。検査が出来るようになったらもう一度診せてもらうので、一旦待合室でお待ちください。」

再び女性が通訳をしてくれた。

その時間3分。


いったい何しゃべってるんだろう・・・?


二人は話終わると診察室を出て行った。


目薬が効いてきて検査ができるようになったので、もう一度中に入ってもらった。

「では、目の奥の周辺を見ていきますね。上を見ください。」

ひとみの言葉に通訳の女性が答えた。

「はい。」

先ほどあれだけしゃべっていたのに、今度はそれで終わった。


あなたに言ってるんじゃないし!

ていうか、金さんに通訳してよ!


ひとみが左手で上を指すと、金さんは上を見てくれた。


無事検査は終わり特に悪い疾患はなく、金さん達は診察室を出て行った。


「先生そんなに喋ってないのに、あの人たち、あんな長い時間何しゃべってたんでしょうね。それに必要な時、通訳してませんでしたねー。」

陽子の言葉に激しく同意したひとみだった。





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