栄唱:青星のメダイ
我らの文明が未だ便を持たなかった頃、開祖老パオニアはこの白の星を放浪し、人の喜びを探し求めた。老パオニアは白砂の上に沁みつく赤の穢れを数多乗り越え、やがてタカネの御山へたどり着いた。
御山は教導の加護か、赤の民らが追い求めた緑の栄えの中にあった。タカネの御山の頂上付近、緑の栄えのちょうど中心に至ると、老パオニアは驚くべきものを見た。
それは硬く、しかし石でなく、便なき赤の民が知ることのない物で作られた、不思議な箱であったのだ。しかも、黄金に輝く盤の中があり、そこには老パオニアらと見紛うばかりの、見事な似姿が描かれた。その背後にはこの箱が描かれ、謎めいた線と円が繋ぎ描かれる。
それが何であるのかは知らず、しかしある種の神秘性を読み取った老パオニアは、すぐにそれを従者たちと持ち帰り、そしてこのように読み取った。
『この箱は信仰の箱である。我らは青の向こうより、貴殿ら白砂の星の民を教導する。真円の清浄な魂が、やがて青の向こうの星へと汝らを導くであろう。青の星に住む我々は、争いも、飢えも渇きも知らぬ。豊かで、不足なく、また一様に永遠の幸福である。それゆえ白砂の星の民へ、信仰の箱を送らん。それは即ち清浄な魂を、青の星へと牽き昇らんとするために』
老パオニアは以後信仰の箱を世に知らしめ、遍く命を青の星に導かんと欲した。それはつまり、『青の星』信仰の始まりである。
やがて我らは正しい道へ導かれ、赤の民から茶の民へ、茶の民から黄の民へ、黄の民から緑の民へ、そして民を青の星へと導く荷を負う、教導者たる白の民へと昇っていった。
我らが正しく祈りと節度を重んじれば、やがては青の民となり、青の星へと導かれるであろう。故に、他者を教導し、自らを律し、そして青の星へと祈りを捧げよ。汝らは、便ある白の御子である。




