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そりゃあそうだよな。きっと騙されたんだ。

カチカチカチ。

あ〜!やっと昼休みだ!

お腹が空いた。

今日は何食べようかな〜!

「よっ!涼介!」

「わぁ!友樹、お前、いきなり声かけるなよ!」

「飯いこうぜ!飯!週末デートの話も聞きたいしな!」

「友樹、お前多分口に入れたもの吹き出すぜ。」

「はいはい。」


ブー!

友樹は、水を噴いた。

「お前、頼むよ〜。服濡れたし。」

「ゲホッ、ゲホッ。すまん。あまりに驚かされて。」

「そう言う事なんだけどさぁ。どう思う?」

「もうその子、お前が言うの待ってるだろ?」

「う〜ん。相手はキャバ嬢だしな。遊ばれてるだけかもしれないだろ?気持ち伝えて会えなくなるのが怖いんだ。」

「なるほどな。確かに。難しいな。

でも騙されてキャバクラ通いさせられそうになってる訳じゃないし、気持ち伝えてみたら?」

「う〜ん。」

「まぁもうちょい様子見てもいいんじゃない?まだ出会って2週間たってないんだろ?」

「そうだよな・・・究極陰キャな俺にはついていけないくらい展開が早いわ。」

「まぁ引き続きがんばれ!」

「あっ!キャバクラの事考えてたら大変な事に気がついた!西条さんに、会社のカード返しに行かないと!」

「西条さん、そういうの厳しいから怒られるんじゃね?」

「ちょっ、ちょっと俺行ってくるわ!」

「がんばれ〜。」


ハァハァハァ。

涼介は経理部まで走ってきた。

「西条さん、お昼にすいません。カード返し忘れてて。」

「そんなに急いで来なくても良かったのに。まぁ、昼すぎてもこなかったら、お説教しにいこうと思ってたんだけどね。」

「セーフ。」

「ふふっ。はい。確かに返却して頂きました。」

「よろしく。」

涼介は変な違和感を感じたが、気にせずオフィスへもどった。


ブーブー。

涼介のスマホがなる。

LINEかぁ。凛花かな!?

涼介はウキウキしながらLINEを開く。

(お昼ちゃんと食べた?)


わぁ〜!これもう彼女じゃないか!

「食べたよ。凛花もちゃんと食べた?」


(うん!お昼からも頑張ってね!)


「ありがとう。凛花も頑張って!」


よし!昼からもがんばるぞ!


その日の夜。


ブーブー。

(今日も1日お疲れ様。)

凛花からだ!嬉しいな〜!

「まだ仕事中なんだ・・・」

「仕事終わらなくて残業中。」


(えっ?そうなの?大変だね。)

(お仕事終わったらまた連絡してー!)

(頑張ってね!)


「疲れたから、ちょうど、休憩しようと思ってたんだ。」


(そうなんだ!良かった〜。)


「今週の金曜日の夜、ごはん食べに行かない?」


(ごめん!今週は予定があって・・・)

(来週いこっ?)


「分かった。じゃあ来週いこ!」

「もう少しで終わるから、また連絡する!」


(うん。頑張ってね!)


はぁ、今週は会えないのか・・・

土曜日誘えば良かった。

後で聞いてみよ!


「お疲れ様。」

涼介は、後ろから誰かに声をかけられた。

涼介は、振り向く。

「あっ、西条さん。まだいたんだ。お疲れ様。」

「衣川くんこそ大変そうだね。何か手伝おうか?」

「大丈夫。もうすぐ終わるから!」

「そっか、じゃあこれ差し入れ。」

「また?申し訳無いよ。」

「一人だけ残って頑張ってたから、ご褒美です。じゃあ頑張ってね!」

「ありがとう!」


あ〜。西条さんにご飯おごらないとな。

でも、凛花がいるのに浮気になる?

いやっ!そもそも付き合ってないし。

そういえば・・・凛花、今週の予定って何だろ?気になるな。

あー!とっとと仕事終わらせよ。


涼介は仕事を終え、凛花にLINEを送る。

「やっと仕事終わったよ!

今帰ってる!」

涼介は、返事無いなと思いながら、

家につき、晩御飯を食べ、風呂に入り、ベッドに横になった。

まだ返事きてないな・・・

仕事?それとも・・・


ブーブー。

あっ!きた!

(ごめん!お風呂入ってた。)

(お疲れ様。)

「そっか。もうベッドで横になってて、寝るとこ。」

凛花・・・2時間以上風呂って。

なんか言えない事でもあるのかな。

(さっきのご飯ごめんね。)

(土曜日は予定無いよ。涼介くんのお家行ってもいい?)

「うん!俺も土曜日ならって聞こうと思ってた。」

(やった!じゃあ土曜日ね。)

「うん!」

やった!今週も凛花と会えるぞ!

嬉しいな〜!

(明日もお仕事だし、寝ましょう!)

「そうだね。今日は疲れたよ。」

(お疲れ様!おやすみなさい。)

「凛花もお疲れ様。おやすみ。」

かぁ〜。早く会いたいな・・・

涼介は眠りについた。


涼介は、一週間頑張った。

ようやく金曜日、涼介は、友樹と居酒屋に向かっていた。

「なぁー涼介。その後どうよ?」

「う〜ん。仕事だったから会ってないしな。毎日LINEはしてるけど。」

「そうか。毎日LINEかぁ。いい感じなんじゃない?」

「そうなのか?分からなくてさ、俺。」

「まぁ初めての恋だからな。しかも相手はキャバ嬢。完全に格上だしな。」

「うん・・・」

「まぁ、今日は金曜日!飲もうぜ!」

涼介は急に立ち止まる。

「どうした?お〜い。涼介〜。」

「凛花だ。」

友樹が涼介の視線の先に目をやると、

綺麗なドレスをきた女の子の肩に、男が手を回して歩いている。

「えっ?あれが凛花?」

「うん・・・他の男にも同じ様にしてるのかな・・・」

涼介は、うつむいて動かない。

「ほら!客じゃね?キャバ嬢なら、同伴ってやつだよきっと・・・」

友樹が必死に涼介を元気付けようとしていると、凛花がこちらに気付いた様子だ。

凛花は、肩に回された男の手を優しく離して下を向いた。

そのまま、お互い何も言わずにすれちがった。

涼介は前を見たまま、叫び気味に言った。

「やっぱり誰にでも同じ事するんだよな!もう土曜日も会わない!」

「おっ、おぃ。涼介!仕方ないだろ!仕事だよ仕事。今すぐ撤回しろって!」

涼介は早歩きで前進した。

凛花の隣りを歩く男は、涼介を見て笑っている。

「なんだよあいつ。急に叫び出しててるぜ〜。ははははっ!」

凛花は、うつむいてこらえていたが、涙がこぼれ落ちていた。


「おい!待てよ涼介!」

「もういい。」

「絶対仕事だって!なっ、後で電話して謝れって。」

「やっぱりキャバ嬢に恋なんてするんじゃなかった。友樹〜!」

涼介は泣きながら友樹にしがみつく。

「おい!やめろって!勘違いされんだろ〜。」

「やっぱり俺にはお前しかいない〜。」

「はぁ。今日飲みは中止。」

「なんでだよ〜。飲ませてくれよ〜。」

「ダメだ。お前、悪酔いするだろ?」

「しないから〜。」

「涼介!今から帰って準備だ!」

「何の?」

「キャンプ行くぞ!」

「キャンプ?友樹、俺が絵ばっか描いてるから、もえ俺とはキャンプ行かないっていってたじゃん?」

「今日は特別だよ!俺は釣りしてるから、お前は絵でも描いて、キャバ嬢を忘れろ!」

「友樹〜。ありがとう〜。」


で、二人は海に来ていた。


「かぁ〜久しぶりだわ〜!結局、涼介とキャンプ行かなくなってからキャンプ行ってなかったからな〜!」

「気持ちいいな・・・友樹、ありがとな。」

「またなんかおごれよ。」

「うん。」


二人は火をおこし、遅い晩御飯を食べていた。

「やっぱり大自然の中で食う飯はうまいな〜!」

「確かに、酒も、変な飲み方しないでいられるよ。友樹がキャンプ誘ってくれて良かった。」

「だろ?明日は、俺が釣った魚でごちそうを作るぞ!」

「魚、よろしく!」


二人が遅い晩御飯を食べている頃。

ピンポーン。

ガチャ。

「はぁ。何?何時だと思ってんのよ。」

「・・・」

「ちょっと、凛花、あんた泣いてんの?とりあえず中に入って。」

凛花は部屋に通され、ソファーに座る。

「遅くにごめん・・・」

「はぁ。ほんとにね!で、何があったの?」

「え〜ん。」

凛花は泣きながら抱きついた。

抱きつかれたこの子は、

山本やまもと 優里ゆうり

凛花の親友だ。

「分かった。分かった。」

優里は凛花の頭を優しくなでた。

優里は、凛花が落ち着くのを待っている。

ようやく凛花が泣き止み、落ち着いたところで、優里は聞いた。

「で?」

「ふられたの。」

「何?例の陰キャ?凛花をふるなんて許せない!」

「違うの。私が悪いから・・・」

凛花は今日あった事を優里にはなした。

「あちゃ〜。恋愛経験ない陰キャ君にはきっついわそれ・・・」

「うん。きっと私が誰にでも同じ様な事ができる女だって思われたんだよ。

どうしよう・・・」

「ちゃんと説明するしかないでしょ?」

「話聞いてくれるかな?」

「頑張りなさい!好きなんでしょ?」

「うん。」

「まぁ、今日連絡しても火に油を注ぐ様な気がするし、ちょっと待った方がいいわね。」

「ちょっとってどれくらい?今すぐあいたいよぉ〜!」

凛花はまた泣き始めた。

「凛花!キャンプ行かない?」

「キャンプ?」

「私、土曜日の約束あんたにドタキャンされたから、ソロキャン行こうと思ってたのよ!」

「う〜ん。キャンプって人いる?ナンパとかされたら嫌だし。」

「その姿でいかなきゃいいのよ!会社まではいかなくても、少し地味なカッコしてたら大丈夫よ。」

「そうかな?」

「あんたは、今、大自然に触れるべきよ!」

「分かった。じゃあ帰って準備する!」

「よし!5時くらいに車で迎えに行くからちゃんと起きなさいよ!」

「頑張ります・・・」

凛花は身支度を整えるため家に帰った。


で、二人は海にいる。


「あ〜!最高!」

「気持ちいいね。」

「凛花、どうよ?来て良かった?」

「うん!」

二人はテントを張り始めた。




涼介と友樹は、昨日遅くまで語り合い、眠っていて、昼前まで眠っていた。

涼介が目を覚ました。

「おい、友樹。もう昼だぞ!」

「釣りで重要な朝マズメとかいうのは良かったのか?」

「あー!やっちまった!くっそ〜!」

「ははははっ!残念だったな。」

「いいよ。なんか釣れるだろ。俺ちょっと行ってこようかな。」


二人がはなしていると、外が何やら騒がしい。


「ちょっと〜そっち持ってよ凛花!」

「えっ?どこ?ここ?」

「違う!」

「ここ?」

「そうそう。」

「わー!優里すごい!テントだ!」


「なぁ、涼介、近くに女子キャンパーがテントはってんじゃね?外出てみようぜ!」

「どうでもいいよ。俺はこれから絵を描くんだ〜。」

「はぁ。お前はホントに女に興味薄いよな。」

「いいんだよ、俺は。」

「あっそっ。ちょっと見てこよ〜。」

友樹は、テントから出ていった。

涼介も画材道具を持って、テントから出た。

「この辺りにしようかな。」

涼介は、椅子と三脚を立て、絵を描き始めた。

涼介が絵を描き始めると、友樹が戻ってきた。

「涼介〜、ふられた。」

「ははははっ!ナンパとかやめとけよ。」

「そうだな。釣りしてくるわ!」

「晩御飯たのむぜ〜。」

「はいよ〜。」

涼介は!絵に集中している。


「凛花、どうした?突然立ち止まって。」

「・・・」

「お〜い。凛花さ〜ん。」

「涼・・介・・くん。」

「何?今日は忘れなさいよ!」

「違うくて。」

「えっ?」

「あれ、あの絵を描いてる人。」

「はぁ?あれが噂の涼介?!あんた達赤い糸でもついてんの?」

「お話したい。でも・・・」

「凛花さぁ〜、会社で会ってもバレないんだよね?」

「うん。会社のときは、ほぼ顔隠れてるし。」

「バレないんじゃない?ちょっといこうよ!」

「えっ!?ちょっと!優里〜。」


「こんにちは〜。絵ですか?」

優里は涼介に話しかける。

「はっ、はい。」

「うわっ!綺麗な絵!ちょっと来てよ凛花!」

優里は、凛花に駆け寄り、手を引いて涼介のそばに連れてきた。

「えっ?凛花!?」

涼介は、名前に反応して振り向く。

涼介は、凛花を見つめている。

「凛花?」

「えっ?」

凛花はとぼけてみせた。

「あっ、すいません。知り合いと名前が同じで、顔も似てたので。」

「あっ、はい。」

涼介は絵に向き直り、また描き始めた。

優里は凛花を見ながら、ウィンクした。

「ねぇ、絵の人。お名前は?」

涼介は、手を動かしたまま答えた。

「涼介です。」

「涼介くんね。私は、優里。で、この子は凛花。」

「そうですか。」

「連れないな〜。」

「すいません。」

「ねぇ。今から私たちバーベキューするんですけど一緒にどおですか?」

「連れが今魚釣りにいってくれてて、俺だけ食べるのはちょっと。」

グイグイ攻める優里の腕を凛花はつかんだ。

「凛花、迷惑だよ。」

「いいじゃん!」

3人がはなしていると、友樹が戻ってきた。

「涼介〜。ダメだわ。寝坊が痛いわ〜。

・・・あっ。」

「あっ。さっきのナンパ男。」

優里と友樹は顔を見合わせた。

「あの〜。さっきはすいません。実は、こいつ、昨日失恋して、新しい恋をさせてやりたくて・・・柄にも無い事しちゃいました。」

「えっ?失恋?」

優里と凛花は顔を見合わせた。

優里は、ニヤッとして、言った。

「ちょうどいいじゃん!私達とバーベキューしましょ?」

「えっいいんですか!?」

友樹は嬉しそうだ。

「おい!涼介!火おこしは男の仕事だぞ!行くぞ!」

友樹は、涼介に筆を無理やり置かせ、引っ張っていく。

「はぁ。友樹。俺、嫌なんだけど。」

「いいから!いいから!」


涼介は仕方なく、友樹と火おこしを頑張った。


「さぁ食べよ〜!」

「食べよ食べよ!」

優里と友樹は意気投合して、すごく楽しそうだ。

ぼぼ二人が楽しんでいるバーベキューは、夕方まで続いた。

「あー!ヤバい!」

友樹が叫んだ。

「どうしたんだよ?」

涼介が驚いて聞いた。

「ゆうマズメ!」

「あー。釣りね。」

「そうだ!優里ちゃん、一緒に行かない?」

「えっ?私釣りちょっと興味あるかも!」

「じゃあいこ!」

友樹は、涼介に近づき、小声で言う。

「すまん。あの子と適当に頼む。俺、優里ちゃんの事好きかも。」

「えっ?ちょっと待てよ!」


優里は凛花に近づき小声で言う。

「ごめん。私、友樹くん気になるかも。置いてけぼりで悪いんだけど、相手は凛花が好きな人だからいいよね〜?いってきます。」

「えっ?ちょっと〜。」


友樹と凛花は夕方の海へ、走って行った。


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