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月夜譚 【No.301~】

大吉とクリスマス 【月夜譚No.324】

作者: 夏月七葉

 正月に引いた大吉の効果がまだ続いている。

 年始の初詣で御神籤を引いた後、その足で向かった初売りで前から欲しくて品切れになっていたカラーのジャケットが買えた。春にはクラス替えで気になる子と同じクラスになれたし、夏休み中の地元の祭りでその子とばったり出くわした上に一緒に屋台を回れて、文化祭では有志でやった即席バンドが校内投票一位に輝いた。

 今年一年、良いこと尽くしだ。勿論、嫌なこともあったが、それが霞むくらいには楽しい出来事が満載である。

 この調子なら、思い切ったことをしても上手くいくのではないだろうか。

 少年はにやける頬を抑えながら、学校の校門前に立っていた。

 先ほどまで、近くのカラオケ店でクラス主催のクリスマスパーティーが行われていた。解散になる少し前、例の気になる子にこっそり校門前に来て欲しいとメッセージを送っておいた。

 この幸運の波を逃す手はない。とはいえ、やはり緊張はするものだ。用意しておいた小さな包みを持つ指に僅かに力が入る。

 誰かが近づいてくる気配に顔を上げると、僅かに頬を上気させた彼女が立っていた。

 少年は息を吸う。そして残った全ての幸運を乗せるように、一息に想いをぶちまけた。

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