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Eden~楽園のイクェス~  作者: だざい
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未知との遭遇

こんにちは、だざいです。

前回のSOS信号を追って零士達はついに謎の惑星Edenに着きます。

彼らがそこで目にするものとは。

優しい目で読んでいただけると幸いです。


ウゥーー!ウゥーーー!!

ブリッジにアラートが鳴り響き、

ブォヲヲヲヲヲヲと強い振動がブリッジを包んでいた。


「大気圏侵入角度良好、摩擦熱緩和ジェルシート放出中!!」

「艦首周りに異物なし!Eden内上空到達まで3、2,1!」


ミゲルと美也子の声がブリッジに響き渡り俺たちは、

「Eden」の気流に乗った。


「エレクトロエンジン異常なし、重力下モードに移行します」

ミューディの掛け声とともに船が安定を取り戻したと同時に

雲を突き抜け地表が見える位置まで下りたのが目に入った。


「ここが…Eden…」


俺は心の声をそのまま声に出していた。

とても美しい星だと心の底から思った。

海は少し緑かかったような色をしており、

そこを除けばほぼ地球の海と同じだと感じた。


空は海の色を反射するように淡い青緑の色をしており、

外宇宙から眺めた雰囲気とはだいぶ違う不思議な感覚を覚えた。


「零士ぃ、ここがEdenか、地球ににていい星だな!

 見ろよあのでかいの…クジラみたいだ」

ミゲルに言われて海面を見ると確かに大きく、

クジラのような生き物がこの星の王者のようにゆったりと泳いでるのが見える。


「この星にもやはり生物が存在している。

 確認された個体だけでも複数存在しますが、危険生物のいる可能性もあります。

 注意するほうがいいでしょうね。」

「そうね、もしかしたらメルセデスⅠもそういった未確認生物に、

 襲われた可能性も十分考えられるものね」


その通りだと俺も感じていた。

ミューディの言う通り俺たちの知らない未確認生物が存在しており、

それなりの危機感は常に必要になるだろう。

最悪の場合、乗組員の救出もできずこちらの全滅もありうる。


「しかし…わかりきっていたとはいえ酸素濃度も気温もほとんど

 地球と変わらない…星間移民が叶えば…」

ミゲルの言うとおりだった。

この酸素濃度ならば宇宙服なしで地球と変わらぬ服で外を出歩けるだろう。

見える限り空があり、海があり、植物がある。

まるで地球に帰ってきたのではないかと錯覚するほどに似ていた。


「美也子メルセデスⅠのSOS受信地点までどのくらいだ?」

「そうね大体…1時間かしら」

17Kmか…頼む無事でいてくれ。

「ミゲル信号の地点に急いでくれ。」

「了解!」


~~~~~~~


星に到着してから約40分ほど経過したところで、

地表は海から大陸に変わった。

ごつごつとした山脈を超えたところで広い荒野に出た。


「ずいぶん広い荒野だなぁ」

「見渡す限りですね…」


見渡す限りただただ荒野だった。

殺風景だなぁなどふいに思うほどに。

しかしこんな何もないところでいったいなぜ…

SOSの受信地点まであと15分もない、

まさに目と鼻の先なのだ。

ふいに顎に手をつき考えていると、


「見えました!メルセデスⅠです!モニターに映像出します!!」

美也子の叫びとともに、画面に映し出された映像に俺たちは驚愕をした。

そこにあったのはメルセデスⅠの無残な残骸だった。


外壁は飛び散り、自衛のために装備されていた主砲はまるで、

熱々のピザから延びるチーズのように溶け伸びきっていた。

「いったい…何が…」

俺たちの心を代弁したかのようにミューディの震える声が響く。


「おいおい…嘘だろ…これじゃあまるで…」

「襲われたんだ、何者かに」


全員の視線が俺に集まる。

俺は重い口を開きぽつぽつと自身の憶測を述べた。

「あれは爆破されてできた穴だ。もしエンジン等による事故なら外壁がここまで焼けて

飛散することはない。恐らく何者かと交戦になりその末に大破し沈んだんだ…」


「で、でもよ…」

「私もそう思います」

ミゲルの反論を押しのけてミューディが絞り出すように声を上げた。

「メルセデスⅠもアウディⅡも核融合路を活用した調査員船です。

 メカニックとして意見するなら…もし内部事故であれば仮に爆発があっても、

 緊急消化・冷却システムが自動発動するため内部爆発は最小限で済むはずです。」

零士さんもご存じですよねと付け加える。

無論俺も同意見だ。 


「てことは…この星には俺たちのような知的生命体がいるってことか…?」


ミゲルが静かに、そしてはっきり俺たちの頭によぎった考えを述べた。

この星に知的生命体がいる。

しかも火薬かわからないが、爆発物を扱えるだけの技術を持って攻撃できる生物が。

こんなに恐ろしいことはない。

俺たちも下手をすれば殺されると…


「と、取り合えづ生存者を探さないか?

 可能性は薄いかもしれないが、生死の確認はしようぜ。」

「そうだな…ミューディ着陸の…」ドゴォォォォォォンン!!!!!!!!!!!!!

ビー!ビー!ビー!ビー!

突然の衝撃とともに、けたたましく危険信号のサイレンが鳴り響いた。


「どうした!?」

「左舷に高熱反応を感知!!これは何!?モニターに出します!!」

美也子が写したモニターには大きな人型の何かが移っていた。

手には銃のようなものが握られており、一心不乱に攻撃をしてきていた。


「何よあれ!?」

「ロボットだと!?」

「そんな馬鹿な!何度も衛星で調査してそんなもの一度だって観測…」

「現に目の前にいるでしょ!?」


皆がパニックの中でそれでも奴は攻撃をやめなかった。

そして最悪の状況はまだ続く


「零士囲まれているわ!!!」

「なんだと!?」

合計5…いや6機の謎のロボットに囲まれて攻撃をされている。

まずいこのままでは全滅する!!!

「零士さん!」

「零士ぃ!!!」

「零士!」


「全員脱出だ!」

俺たちは脱出ポッドへ走る。

今は奴がロボットだろうが何だろうが関係なかった。

逃げなければ。死にたくなければ走れと、

本能が俺たちを突き動かしていた。


ブリッジと目と鼻の先にある緊急用小型ポッドは

全員が収容し次第超高速で射出することができる。

これに乗れば少なくともこの場からの離脱はできるだろう。


もう何がなんだかわからない。

どこから現れたんだ奴は

なぜ攻撃してくるんだ。

一体あれは何なんだ。


パニックで頭が回らない俺たちをせかすように

大きく爆音で揺れる船

けたたましく鳴るサイレン

爆発による硝煙と焦げるにおい

それらすべてがさらに恐怖と絶望を煽っていた。


「みんな早く!!」

ミゲルが一番に着きポッドの扉が開いた。

「さぁ早く!!」

ミューディ、美也子の順番でポッドに乗り込む。

「零士!早く!!」

「美也子!!!」

美也子がポッドから片手を伸ばし俺はその手を取ろうとしたその時…

バゴォォォォォォ!!!!

後ろで突然爆発が起こった。


もうろうする意識の中で泣き叫ぶ美也子を抑えるミゲル、

涙を流しながらこちらを見るミューディ。

俺には何が起こったかわからなかった。

体中が痛い。頭がふらふらする。

消えていく意識の中で最後に見たのは泣き叫ぶ美奈子がポッドの扉に閉じ込められていく姿だった。

待ってくれ…おれも…い…しょに…


なすすべもなく爆風に吹き飛ばされ壁に激突をした俺は

ポッドが射出されたと同時に意識を失った。




ここまで読んでいただいてありがとうございます。

無事に美也子、ミゲル、ミューディの三人は脱出しましたが、

取り残されてしまった零士…。

彼はこれからどうなるのか。そして物語に一瞬登場した、

謎のロボットは一体…

といった続きでまた書こうと思います。

お楽しみにいただけますと幸いです。

ありがとうございました。


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