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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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第3話 さとりイヤホン 中編

どうも、伊達幸綱です。それでは、早速どうぞ。

「ふあぁ……ふぅ、今日も眠いな……」


 朝、学生服姿の少年が眠そうな様子で歩いていると、その隣を歩く少女は少し呆れた様子でため息をつく。


「はあ……眠いのは夜にしっかり寝てないからじゃないの? どうせ夕べも寝る前に携帯電話を見てたんでしょ?」

「見てたけど、そんなに遅くなってないって」

「ふーん……」

「……なんだよ、信じてないのか?」

「昔からあんたと一緒にいるからね。遅くなってないのは真実だったとしても、どうせ見てたのもモテるための何かとかおばさん達には言えないようなサイトなんでしょ? あー、やだやだ……」

「そういうのじゃないって。それに、特に目的を決めずに色々見てただけだよ」

「それなら早く寝たら良いのに。無駄に起きてるくらいなら、早めに寝た方が翌日も気持ちよくすごせ──あ!」


 突然少女が大声をあげると、少年は弾かれたように少女の方を向き、驚きと不満の入り交じったような顔で話しかけた。


「なんだよ……いきなり大声を出すなよな」

「アタシ……今日日直だった。ごめん、ちょっと先に行くね!」

「おー、頑張れよー」


 あまり気持ちのこもっていないような声で言い、少女が走り去っていくと、少年はやれやれといった様子で首を振った。そして、何の気なしにポケットに手を入れたその時、少年はポケットの中で感じた固い感触に疑問を覚えながら中に入っていた物を取り出した。


「これ……昨日貰った『さとりイヤホン』……だっけ? たしか好意みたいなプラスの心の声が白い方、嫌悪みたいなマイナスの心の声が黒い方から聞こえて、これをつけて聞きたい人の目の前に立つかその人の事を頭の中に思い浮かべるとそれらが聞こえるんだったな。

 貰った事も忘れて入れっぱなしにしてたけど、本当に効果があるのかちょっと気になるな……よし、せっかくだから母さんの心の声でも聞いてみるか」


 そう言うと、少年は『さとりイヤホン』を耳に付け、頭の中に母親の顔を思い浮かべた。すると、右耳に付けた白い『さとりイヤホン』から突然声が聞こえ始めた。


『まったく……今日もようやく起きて学校に行ってくれた。まあ、あの子が起こしてくれたから私も楽だったけどねぇ……』

「か、母さんの声……これ、本当に心の声が聞こえるのか……」

『ただ……今日もちゃんとご飯を食べて、元気に学校へ行ってくれた事だけはやっぱり安心出来るね。部活動も大変そうだし、毎日疲れて帰ってきてるようだから、体調不良には気をつけてくれると嬉しいけれど……』

「母さん……いつもこんな事を考えてくれてたのか。ちょっとくすぐったいけど、やっぱり嬉しいな……」


 胸の奥がぽかぽかしてくるのを感じながら少年は『さとりイヤホン』を取り外すと、手の中にある『さとりイヤホン』に視線を落とす。


「……このイヤホン、本当にすごいな。これならあの子の心の声も聞こえるはずだし、学校に行った後に時間を見て試してみよう。良い情報が手に入ると良いなぁ……」


 意中の相手の顔を想像して微笑んだ後、少年は『さとりイヤホン』をポケットにしまい、学校へ向けてゆっくりと歩き始めた。

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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