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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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最終話 コネクトリング 前編

どうも、伊達幸綱です。それではどうぞ。

 元許嫁との一件から数日が経った頃、『不可思議道具店』の店内には、その事について話をするために協力者である刀傷の男性達や神達が集まっていた。


「どうにか『繋ぎ手』も過去との決別が出来たみたいだね。気分はどうだい?」

「はい。ようやく終わったんだと思って安心はしてますけど、結果として本当にこれで良かったのかなっていう気持ちはあります」

「たしかにな。俺達がこれで決着を、なんて言ったけど、『パニッシュメントシューター』の力でアイツは多大なダメージを受けて植物状態になってるからな。少しスッキリしないのはわかる気がする」

「だが、あのまま放っておいてもまた被害者が出てたはずだ。だから、これで良かったんだよ。アイツをどうにかした分、関わっていた麻薬のディーラーや裏取引してた組織も芋づる式に逮捕出来て、違法な営業をしていた店も全部壊せたしな。

ただ、それらの店で客の相手をさせられていた女達は全員が重度の麻薬中毒になっていたから、もうまともな生活には戻れねぇし、妊娠と堕胎を繰り返させられた事で子供も望めねぇ、その上、嬢ちゃんとあの野郎の母親は麻薬のやりすぎで既に死んでいた。だいぶひでぇ事にはなっていたな」

「そうですね……ニュースでも自分の家族の幸せを返してくれって泣いたり怒ったりしてる被害者の家族の人達の映像は流れていたのですごく心が辛くなりました」

「『繋ぎ手』の能力が原因でもあったけど、アイツやアイツの本当の父親も元から性格がねじ曲がっていたみたいだし、俺達からすればこれで終わったんだと素直に受け入れるしかないのかもな」


『導き手』の言葉に店内が静かになる中、刀傷の男性はふと何かを思い出したような表情を浮かべた。


「そういや……お前達、あの時に理由はわからねぇがこれに頼れば良いんだと感じたって言ってたが、結局あれはなんでだったんだ?」

「それは二人が目覚めた能力だったんだよ。その前にも二人は道具達の声を聞く能力を発現させていたけど、その後に『導き手』は“自分や周囲の存在にとって最善の道へ導く能力”を、『探し手』は“自分や周囲の存在にとって最もよい道を探す能力”を発現した。結果、その内容が一致したわけだね」

「まさに二人の名前に相応しい能力だったわけか」

「はは、そういう事になりま──」


 その時、『導き手』は何かに気づいたように辺りを見回すと、店内を歩き始め、棚の内の一つに近づくと、そこに置かれていた道具を取って戻ってきた。


「おかえりなさい、誰かに呼ばれたの?」

「いや、これを取れみたいなのが頭の中に響いたから、取ってきたんだけど……」


 不思議そうに言う『導き手』の手には朝顔の模様の銀色の指輪が載せられていた。

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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