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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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第96話 レーダーリング 前編

どうも、伊達幸綱です。それではどうぞ。

『繋ぎ手』と『救い手』が誘拐された翌日、『不可思議道具店』の店内には『創り手』達の他に協力者達である刀傷の男性達の姿があったが、全員の表情はとても暗かった。


「……あの嬢ちゃんがまさか連れ去られるなんてな」

「はい……私達も正直この事態には驚いています。『導き手』君、あの子を最後に見たのは学校の教室だったのよね?」

「……はい。職員室に行くからと言っていたので、担任にも話は聞いたんですが、『エリアガーディアン』を受け取った後はそのまま帰っていったのをその場にいた教師が全員見ていたようです。

クラスメート達にも話を聞いたんですが、何も手がかりはなくて……とりあえずクラスメート達と担任には『繋ぎ手』は風邪を引いた事にしてもらってます」

「うん、ありがとう。そういえば……『リモートガン』の縁者さんが今日はいないようですが、別行動中ですか?」

「ええ。秘書業以外にも頼む事がありましたから」


 刀傷の男性が答える中、『導き手』は拳を固く握りながら悔しそうな表情を浮かべた。


「俺のせいだ……俺が無理にでも『繋ぎ手』についていけばこんな事には……!」

「お兄ちゃん……」

「そんな事を言っても仕方ないわ。今回はあの子だっただけで、貴方がすぐに向かわなかった事で『探し手』さんが誘拐されていた可能性もある。だから、今は早くあの子を見つける方法を探しましょう」

「はい……すみません、冷静さを失ってしまって……」

「気持ちはわかるから大丈夫よ。けれど、あの子の位置を探すとなると、道具の力に頼るのが良いわね……ただ、『サーチドローン』は『救い手』が持ってるから協力をしてもらわないと……」


『創り手』が真剣な様子で呟いていたその時、『導き手』と『探し手』は一瞬白い光に包まれたかと思うと、突然ハッとし、キョロキョロと周りを見回し始めた。


「『導き手』のお兄ちゃんと『探し手』ちゃん……?」

「二人揃ってどうかしたのか?」

「……いや、なんだか声が聞こえた気がして……」

「声……でも、誰も声なんか出してないわよ?」

「でも、なんだか聞こえたんです。自分に頼ってくれって」


『導き手』と『探し手』は周囲を軽く見回した後、揃って刀傷の男性に視線を向けた。


「ん、どうかしたのか?」

「……ボスさん、もしかして何か隠してませんか?」

「隠してる……さて、なんの事だかな」

「……嘘をついても私にはバレバレですよ。それに、今の声が誰かわかったのでもっとバレバレです」

「……へえ、それじゃあ誰の声だって言うんだ?」


 余裕を見せる刀傷の男性に対して兄妹は頷き合ってから揃って名前を口にした。


「「『レーダーリング』ですよ」」

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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