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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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第94話 エリアガーディアン 後編

どうも、伊達幸綱です。それではどうぞ。

 放課後、クラスメート達が帰り支度をしたり他のクラスメートと話したりする中、『導き手』は自身も帰り支度を終えると、『繋ぎ手』のところまで行って声をかけた。


「帰ろうぜ、『繋ぎ手』。今日も買い出しがあるし、アイツも迎えに行きたいからさ」

「うん。あ、でもその前に先生と話してこないといけないから、先に行ってても良いよ」

「ん、そうなのか? それなら別に職員室の前で待ってても良いぞ?」

「それでも良いけど、早めに妹ちゃんに会ってあげてよ。妹ちゃん、すごく可愛い子だから、恋人にしたいと思ってる人からナンパされたり変な人から声をかけられたりしそうだし」

「アイツもしっかりしてるから大丈夫だと思うけど……まあ、心配なのはその通りだし、先に行ってるか。けど、来る途中で『繋ぎ手』に何かあったら困るし、この二つだけ持っといてくれ」


 そう言うと、『導き手』はカバンの中から『スイッチアームズ』と『パニッシュメントシューター』を取り出して『繋ぎ手』に渡した。


「この子達……でも、そしたら今度はお兄さんが危険じゃない?」

「どうせ俺は『ジーニアスミサンガ』の制約で誰にも攻撃出来ないからな。『ディテクティブモノクル』もあるし、俺は何とかするよ。俺よりも危険なのは『繋ぎ手』達の方だし、何かあったらすぐに駆けつけるからちゃんと連絡しろよ? 『ワープペンダント』があるからと言って、すぐに対応出来なかったらどうしようもないからさ」

「お兄さん……ふふ、やっぱりお兄さんは優しくてカッコいいね。このまま好きになっちゃおうかな?」

「バカな事言ってないで早く行ってこい。買い出し中、好きなお菓子を三つまでなら選んで良いから」

「はーい。それじゃあまた後でねー」


 嬉しそうに笑いながら手を振った後、『繋ぎ手』はカバンを持って教室を出ると、職員室へと向かい、中に入ってから担任の教師に声をかけた。


「先生、お疲れ様です」

「ん……ああ、『繋ぎ手』か。もしかして『エリアガーディアン』の件か?」

「はい。そろそろメンテナンスが必要かなと思ったので」

「たしかに前のメンテナンスから半月くらい経つしな。ところで、『導き手』とはちゃんと仲良くやってるか? 結構お前の方からくっつきに行ってるし、鬱陶しく思われないようにしろよ?」

「あはは、そうですね。お兄さんはとても優しくて妹ちゃん思いですし、私もお兄さんの事は大好きですから嫌われないようにしますよ」

「それが良いだろうな。それじゃあメンテナンスを頼んだぞ、『繋ぎ手』」

「アイアイサー♪ 今からメンテナンスが終わるまでは『エリアガーディアン』もみんなの事を守れないので、それまではより気をつけてくださいね?」

「それを言われるのはお前の方だろ。ほら、『導き手』を待たせてるんだろうから、早く行ってこい」

「はーい。それじゃあ先生、さようなら」


 それに対して担任の教師が答えた後、『繋ぎ手』は職員室を出てから『エリアガーディアン』を『コスモバッグ』にしまい、昇降口へ向けて歩き始めた。そして靴を履き替えて校門から出た後、『導き手』達がいるであろう『探し手』が通う小学校へ向けて向かおうとしたその時、近くの暗がりから一人の黒いスーツの男性が現れ、サッと近づいてから小さなハンカチを『繋ぎ手』の口へとあてた。


「むぐっ!?」

「……騒がないでもらおうか。お前を連れてこいとボスから言われているんでな」

「む、むぐ……」


『繋ぎ手』は男性に対して敵意のこもった視線を向けていたが、ハンカチに染み込んでいた薬品の影響で次第に意識が薄れていき、『繋ぎ手』が静かに眠りにつくと、男性は何も言わずに『繋ぎ手』を抱き抱えながら近くに停めてあった車に向かった。

そして後部座席に『繋ぎ手』を静かに寝かせ、ドアを静かに閉めて運転席へ乗ると、そのままどこかへと走り去っていった。

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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