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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
269/317

幕間

どうも、伊達幸綱です。それではどうぞ。

 かつての親戚の少年と別れた後、四人が再び『不可思議道具店』へと戻ってくると、そこには本物の『繋ぎ手』と『創り手』の姿があった。


「あ、おかえりなさーい」

「おかえりなさい。その様子だと……二人とも色々あったみたいね」

「ただいま戻りました。はい、ちょっと過去と向き合う必要があって……」

「ただいま戻りました。でも、なんとかしてきましたよ。だから、もう大丈夫です」

「過去と向き合う、かぁ……私もそろそろそれが必要な時だね」


『繋ぎ手』が真剣な表情で言うと、『探し手』は突然『繋ぎ手』に抱きつく。


「わあっ、妹ちゃんどうしたの?」

「……ふふっ、やっぱり本物のお姉ちゃんの方が良いなって」

「本物の私……?」

「ああ、俺も妹もお前の幻影と試練中に会ってるからさ。ただ、俺の方は周囲の言葉の刃から守ったと思ったら、次の試練で道具達と能力に苦しめられたんだけどさ」

「『導き手』の方は基本的に戦闘だったからね。でも、それは君がこの三人を守る事だって必要になるからだよ。唯一の男の子でもあるし、何かあったらちゃんと守ってあげるんだよ?」

「はい、もちろんです。ところで、さっきの試練って結局どうだったんですか?」

「あ、私もそれ知りたいです」


 兄妹が試練の結果について聞くと、神は二人を見回してからにこりと笑った。


「文句無しの合格だよ。まあ、『パニッシュメントシューター』で彼を断罪しても合格ではあったけど、君達はただ恨みを晴らすんじゃなくて相手の頑張りや周囲の人間を認めた上でまた会う機会を設ける事にした。過去とも向き合い相手とも向き合った君達の選択は素晴らしかったよ」

「そっか……」

「それじゃあ試練は全部合格だね、お兄ちゃん」

「ああ。でも、新しい能力が目覚めた感じはしないよな……」

「そういえば……新しい道具との出会いはあったけど、能力の方はピンとこない気が……」

「目覚めさせるつもりではあったけど、もう少しきっかけが必要みたいだね。ただ、今回の件は二人にとって良い刺激になっているし、またその内様子を見に来るよ。後、今回出会った道具達はそのまま君達の物にして良いからね」

「わかりました。それじゃあ『パニッシュメントシューター』は……俺が持っとくか。お前もそれで良いか?」

「うん。私よりもお兄ちゃんの方がうまく扱ってあげられそうだしね」

「わかった」


『導き手』が返事をしていた時、『探し手』に抱きつかれていた『繋ぎ手』は二人の姿を見ながら幸せそうに微笑んだ。


「……ふふ、やっぱり二人がいるとホッとするなぁ」

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、今はやらないといけない事もある。だから、あともう一踏ん張り頑張ろうぜ、『繋ぎ手』」

「試練で私達も成長出来たし、お姉ちゃんのために精いっぱい頑張るからね」

「二人とも……うん、私も頑張るよ。たとえ相手が彼でも私はもう逃げない。過去からも自分からも」


 決意を固めた様子で言う『繋ぎ手』に対して兄妹は揃って頷き、『創り手』達はそんな三人の姿を静かに見守っていた。

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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