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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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第81話 スイッチアームズ 前編

どうも、伊達幸綱です。それではどうぞ。

 あらゆる次元の狭間に位置する空間、そこに小さな穴が開くと、中からは神とその秘書、『導き手』と『探し手』の四人が姿を現した。


「……っと、ただいまー」

「ただいまと言っても、基本的にここにいるのは私達だけなので誰も答えませんよ、神様」

「あははっ、それもそうだね。さて……ようこそ、僕達の領域へ」

「ここが神様の領域……」

「周りがすごく暗いし、どこまで続いてるかわからないのがなんだか怖い……」

「ここは領域の一つで、あらゆる世界の様子を観測するための場所だからね。あまり必要なものがないんだ。さてと、それじゃあ来てもらった事だし、そろそろ本題に入ろうか」


 神がにこりと笑いながら言うと、『導き手』は少し緊張した様子を見せる。


「本題……俺達に何かを感じるからって言ってましたよね?」

「うん。たぶんだけど、君達はまた新しい能力を発現させようとしている。だから、それをこの機会に目覚めさせてしまいたいんだ。僕が管理してる道具達を使ってね」

「神様が管理している道具……」

「そう。『創り手』の道具の中でも君達の世界では使えない道具や危険度が高い物は僕が君達の世界の通貨で買い取り、しっかりと管理してるんだ。他の世界なら使えたりその道具とも仲良く出来る人もいたりするからね」

「そっか……だから、店であんなに安く売ってても生活が成り立ってたのか」

「お姉さん達が元々お金持ちだからなのかなって思ってたけど、そんな理由があったんだ」


 納得顔で言う兄妹の言葉に神は苦笑いを浮かべる。


「君達も案外天然なところがあるよね。それで、これから君達にはそれぞれ二つの道具と一緒に試練に挑んでもらう。因みに、今持ってる道具も使って良いからね」

「試練……それってどんな物なんですか?」

「それはやってからのお楽しみ。とりあえず『導き手』から移動してもらうから、まずはこれを渡しておくよ」


 そう言いながら神が手渡したのは小さなペンダントだった。


「ペンダント……?」

「これは『スイッチアームズ』という名前で、それを握りながらこういう武器や防具が欲しいって願うとそれを出してくれるんだ。ただ、一度に出せる物は一種類だけだし、出した物を本来の用途以外に使おうとすると、出していた物によって異なる報いを受けるからそれは注意してね」

「……つまり、俺の試練の一つ目は誰かと戦わないといけないって事か」

「そういう事になるけど……まあ、とりあえず行ってきてよ。行ったらクリア条件や失敗の条件は知らされるからさ」

「……わかりました」


『導き手』が静かに頷くと、『探し手』は心配そうに『導き手』を見ながら手をギュッと掴んだ。


「お兄ちゃん、気をつけて行ってきてね。私も頑張ってくるから」

「ああ、ありがとう。お互いに試練を乗り越えて、みんなのところに胸を張って帰ろうな」

「うん!」

「うんうん、仲良き事は良い事だね。それじゃあ早速行ってらっしゃーい」


 その言葉と同時に『導き手』は白い光に包まれ、光が消えると同時に『導き手』の姿も静かに消えた。

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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