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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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第79話 フォースコントローラー 前編

どうも、伊達幸綱です。それではどうぞ。

「はあ……ほんと、つまんな……」


 空に厚い雲が広がる夕方頃、一人の少女が心底退屈そうな様子で歩いていた。


「アイツ、せっかくアタシ達が遊んでやってたのに、突然不登校になったと思ったら転校して、その上、彼氏が出来たなんてナメてんのかよ。あーあ、何か面白い事でもないかなぁ」


 少女が大声を上げていたその時だった。


「そこのお嬢さん、ちょっといいかな?」

「あ……?」


 背後から突然聞こえてきた声に少女は不思議そうな声を上げ、立ち止まってから背後を見ると、そこには黒いパーカーのフードで顔を隠した人物と銀縁のメガネをかけた少年、青色のキャップで顔を隠した紺色のパーカーに白いスカート姿の少女がおり、少女は少年の姿にニヤリと笑う。


「へえ……結構いい面してんじゃん。アンタ、アタシの彼氏にしてやってもいいよ?」

「……くだらない事を言わないでよ、ブスのくせに。貴女みたいな人がお兄ちゃんに釣り合うと思わないで」

「釣り合うかどうかは別として、俺はアンタみたいな女を相手にしたくない。そういう相手を探すなら他所でやってくれ」

「なっ……てめぇら、アタシを誰だと思って……!」

「ふふ、だいぶウチの助手兄妹から嫌われたようだね。ところで、なにかつまらなそうにしていたけど、楽しい事がなくて困っているのかな?」

「……その通りだよ。この前まで遊んでやってた奴が転校した上に彼氏が出来たっていう話を聞いたもんだから、面白くなくて仕方ないんだ」

「なるほどね。なら、彼に頼ってみてはどうかな?」


 そう言いながら『救い手』がリュックサックから取り出したのは、小さなボタンがついた白い板状の物体だった。


「なんだこれ……リモコンか?」

「これは『フォースコントローラー』という名前で、先を誰かに向けて命令したい事を思い浮かべながら一番上のボタンを押すと、それを命令する事が出来るんだ。因みに、意識自体はあるけど、命令を完全に遂行するまでその人は体の自由は効かなくなるから、命令を無視される事はないよ」

「へえ……んで、それをアタシにくれるってのか?」

「ご明察。ただ、注意点があるから、それだけは守ってくれたまえ」

「注意点?」


『救い手』から『フォースコントローラー』を受け取った少女が訊くと、『救い手』は微笑みながら頷く。


「ああ。たしかに相手を自分の奴隷のように扱えるけれど、これを使える人は別にお嬢さんに限らないし、命令中に別の命令を重ねると大変な事になるから、それは注意してくれ」

「……ちっ、わかった。アタシも自分から迷惑事に首を突っ込みたくはないしね」

「ありがとう。では、ボク達はそろそろ失礼するよ。行こうか、二人とも」


『救い手』の言葉にコピー兄妹が頷いた後、三人は去っていき、残された少女は手の中にある『フォースコントローラー』に視線を向ける。


「……相手に命令を強制出来るリモコンかぁ……これは良いもんもらったな。さて……それじゃあ誰に命令をしてやろうかな……」


 呟く少女の目には悪意と邪念が宿っており、少女は不気味な笑みを浮かべながらゆっくりと歩き始めた。

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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