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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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第40話 コピーカメラ 中編

どうも、伊達幸綱です。それでは、早速どうぞ。

「……はぁ、今日もダメだったなぁ」


 空がオレンジ色に染まる夕方頃、『繋ぎ手』は落ち込んだ様子でとぼとぼと歩いていた。その手には道具が一つ握られており、『繋ぎ手』はその道具に目をやると、大きくため息をついた。


「はあ……お姉さんの創る道具を渡してまわる役割を担ったはいいけど、道具とうまくやってくれる人が中々いないなぁ。この子達が特別悪いわけじゃないし、やっぱり私の判断ミスなのかなぁ……」

『判断ミス……まあ、無いわけではないかもな』

『たしかに……縁がある相手がわかるとはいえ、他にも縁がある道具はいるだろうし……』

『ウチの『繋ぎ手』様は人懐っこいけれど、人間の心理についてはあまり興味がないからねぇ……』

『そうですよね……』

「うー……みんな、意地悪だぁ……」

『意地悪じゃないって。意地悪するならもっと酷い言い方するしな』

「『コピーカメラ』はいつも意地悪な気がするけど……」


『繋ぎ手』がジトッとした視線を向けると、首から掛けられている『コピーカメラ』は平然としながら答える。


『それは『繋ぎ手』がイジりやすいからだろ。ただ、『繋ぎ手』がいつも頑張ってるのは俺も知ってる。『創り手』や俺達と出会ってからまだそんなに経ってないけど、過去の出来事を乗り越えながら頑張れるのはすごいと思う』

「『コピーカメラ』……」

『とりあえず、今回ダメだった仲間に関しては『繋ぎ手』がしっかりと励まして、今度こそちゃんと向き合ってうまくやれる相手を見つけてやれば良いさ。まあ、撮った物をコピー出来るだけの俺に関してはお前のお守りくらいしかやれる事もないけどな』

「お守りって……でも、ありがとね。元気でたよ」

『それなら良かった』


『コピーカメラ』の返事に対して『繋ぎ手』が嬉しそうに微笑んでいると、それを聞いていた道具達もどこか安心した様子を見せた。


『良かった……やっぱり、『繋ぎ手』と『コピーカメラ』の絆は一番だよね』

『それは間違いないだろうね。アタシ達も『創り手』から『繋ぎ手』の面倒を見るように言われてるけど、『コピーカメラ』が一番『繋ぎ手』の事をわかってる気がするよ』

『ふふっ、そうですね。ですが、私達もしっかりと御世話はしますから、今後ともよろしくお願いしますね、『繋ぎ手』』

『もちろん、私も今度こそ新しい相棒と巡りあえるように頑張りますよ』

「うん、よろしくね、みんな。よし……それじゃあ早くお家に帰ろうか。お姉さんもお家で待ってるだろうし、私もいっぱいお話ししたいから」


 その言葉に道具達が声を揃えて答えた後、『繋ぎ手』は嬉しそうに微笑み、道具達と楽しそうに話をしながら歩いていった。

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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