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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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第40話 コピーカメラ 前編

どうも、伊達幸綱です。それでは、早速どうぞ。

 現世から隔絶された空間に建つ世にも不思議な道具を扱う『不可思議道具店』。その店内では道具達と楽しそうに話をする『繋ぎ手』と棚を拭いたり床の掃き掃除をする助手の兄妹の姿があった。


「ふぅ……掃き掃除はこんなもんか」

「拭き掃除もだいたい終わったよ、お兄ちゃん」

「ああ、わかった。それにしても……あれからだいぶ道具に関わってきたけど、本当にここには色々な道具があるよな」

「たしかに……お姉ちゃん、ここには幾つの道具があるの? 」

「うーん……そういえば最近数えてなかったなぁ。御師匠様もどんどん作るし、前よりは道具とうまくやれる人も増えてきたから、回収する数も減ってきたしねぇ……」

「前よりはって……俺達が来る前って事か?」


 兄の問いかけに『繋ぎ手』は頷きながら答える。


「正確には、私がそれを始めた辺りよりは、かな。最初の頃は私も道具と人間の橋渡し役として未熟だったから、今よりも悲しい最期を遂げたり運命をだいぶ変えられた人が多くて、どうしたものかなぁとは思ってたもん」

「今よりも……」

「だけど、私にも妹ちゃんの『アルケミーボトル』みたいな常に一緒な道具達がいたから、あの子達に慰められたり励まされたりして頑張ってたよ」

「あの子達っていうと、いつも道具の回収の時に使ってる『ワープペンダント』と好きなように容姿を変えられる『チェンジチョーカー』、後は中に色々と入れておける『コスモバッグ』の事か?」

「うん、そうなんだけど……実はもう一人いたんだよね。私にとってとても仲良しだった子が」

「いた、って……今はその子はいないの?」

「いないよ。ある時から突然いなくなってね、他の子達もどこにいるかわからないって言うし、あの子からのメッセージも無くて道具の位置を探知出来る子と相手から認識されなくなる子も一緒にいなくなったから、全く何もわからないんだ」

「そんな事が……」


 少し心配そうに『繋ぎ手』を見る兄の視線に対して『繋ぎ手』は心配いらないといった様子で首を横に振る。


「御師匠様も別に怒らなかったけど、あの子達の行方は心配してるし、神様も探してはくれてる。ただ、御師匠様の創る道具の力は二人も知っているように強大で神様の捜索を掻い潜り続けてる時点でたぶん誰かと協力してるんだと思う。そうじゃなきゃ、今頃どこかで出会えてるよ」

「たしかにな……なあ、その仲が良かった道具ってどんな奴だったんだ?」

「えっ……?」

「あ、それは私も聞きたいな。お姉ちゃんさえよければ話してくれる?」

「話すのは良いけど……たぶん探すための手がかりにはならないよ?」

「それならそれでも良いよ。俺達はここで一緒に暮らすお前の事についてもっと知りたいんだ。出会いこそ突然だったけど、一緒に道具に関わって一つ屋根の下で暮らす仲間なんだからさ」

「そうだよ、お姉ちゃん」

「二人とも……」


『繋ぎ手』は少し驚いた様子だったが、やがて安心したように笑ってからコクンと頷いた。


「わかった。それじゃあ聞いてもらおうかな。あの子、『コピーカメラ』のお話を」

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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