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不可思議道具店  作者: 伊達幸綱
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第37話 ミッションタロット 中編

どうも、伊達幸綱です。それでは、早速どうぞ。

「……よし、これで宿題も終わり、と」


 空もオレンジ色に染まり、徐々に星も瞬き始めた夕方頃、少女は自室の机に向かい、終わったばかりの宿題を前に満足げな様子を見せた。


「時間は……まだ夕飯まで少しあるかな。さて、それじゃあ早速昼間に貰った物でも使ってみようかな」


 そう言うと、机の端に置いていた細長いケースに手を伸ばし、少女は蓋をゆっくり開けて、中に入れられていたタロットカードを取り出した。


「たしか名前は、『ミッションタロット』って言ってたよね。えーと……まず、質問したい事を思い浮かべながら裏向きで混ぜ合わせて、一つの山にしてから上の六枚を取って、7枚目から左、真ん中、右に一枚ずつ置く。

そして、左と真ん中に置かれたカードの意味に応じたミッションを課せられるから、それをこなす必要があって、それらをこなしたら右に置かれたカードの意味に応じたご褒美が貰えるんだったよね。

ただ、カードの中にはあまり良い意味のないカードや向きによってはもう一つミッションをこなさないとご褒美は貰えないし、一度占ったら途中でミッションを止める事は出来なくて、止めようとしたら大変な事になる。

やっぱり色々大変そうだけど、貰った以上はやるって決めたし、まずはやってみよう。後は何を質問するかだけど……やっぱり恋愛、かな。

彼氏と別れたばかりだけど、新しい出会いは欲しいから、良い人が見つかるかどうか聞いてみようかな。ただ、まずは大アルカナっていうのだけにしよう。小アルカナっていうのも入れると数も多くなるし、まだその辺はよくわかってないし」


 独り言ちた後、少女は大アルカナと呼ばれる22枚だけを取り出し、質問を頭の中に思い浮かべながら裏向きで混ぜ合わせ、一つの山にしてから上から六枚を取った。

そして、7枚目から3枚を左から順番に並べ、一枚ずつ裏返すと、左から節制の逆位置、魔術師の正位置、恋人の正位置が目に入り、その結果に少女が不思議そうに首を傾げていたその時、左と真ん中のカードの裏側が突然光り始めた。


「な、なに……? もしかして、ミッションが出てきたの……?」


 少女が少し警戒した様子でカードを裏返すと、そこにはそれぞれ別の文章が書かれていた。


「えーと……『彼氏が出来た安心感で自分から変わろうとしない惰性的な考えは凶。これまでの悪習を一つ止め、新しい習慣をつくるべし』が左のカードで、『恋人がいない今だからこそ新しい出会いを求めるチャンス。同年代でスポーツを好む男性と出会い、仲を深めるべし』が真ん中のカードだね。

これまでの悪習……そういえば、次の日が学校でも遅くまで携帯を見てて学校で居眠りしそうになってるし、これを止めるようにすれば良いかな。後は新しい習慣だけど……同年代でスポーツを好む人と出会いなさいって書いてるから、朝のランニングとか筋トレが良さそうかも。

問題は右のカードが何も起きない事だけど、二つのミッションをこなしたらたぶん何か起きるんだろうし、まずはミッションをこなせるように頑張らないと。よし……そのためにも早寝早起きを心がけながら生活してみよう」


 少女は頷いてから結果とこの先にやる事をメモにまとめると、『ミッションタロット』を片付け、睡眠やランニングなどについて調べ物を始めた。

いかがでしたでしょうか。

今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また次回。

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