表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の後継者  作者: 眠い人
出会い、成長
6/9

勝負


 ザックさんとの地獄の初日訓練が終わってから3日が過ぎたが未だに僕が持っているのは木の剣だ。僕はザックさんに何かと理由をつけられ剣を渡してもらえないでいる。


 ザックさんから出された訓練を軽くこなしていると声を掛けられ呼ばれた。


「ルークちょっと来てくれ」


「なんですか?ザックさん」


「そろそろルークも木の剣に慣れてきたと思ってなこれを渡しておく」


 これは…


 ザックさんから渡されたのは一本の剣だ。木の剣とは比べ物にならい程重く、剣身は自分自身の姿が映るほど銀色に輝いている。


「やっとだーーーーー!!!」


 僕は大声で叫んだ。叫ばずにはいられなかった。たかが3日で大げさだと思うかもしれない、だが僕がこなしてきた訓練は並大抵のものじゃないのだ。


 朝早く起き町中を走り込み、直ぐに腕立て伏せ、腹筋、背筋を1000回ずつ。そして僕が息を切らしてないのを見ると回数を追加されていく。それが夕暮れまで続くのだ。


 長かったここまで…本当に長かった。何度か心が折れそうになったけど、「冒険者になりたい」その思いで何とかこの地獄の訓練を耐えることが出来た。


 達成感に浸っているとザックさんがとんでもないことを提案してくる。


「せっかく剣を持ったんだから俺と勝負してみようか」


「あの、今初めてこの剣を持ったんですよ、まだ慣れてないです。なのに勝負するなんて流石に無理がありますよザックさん…」


「実戦が1番成長につながるからやるぞ」


「はい…」


当然断れるはずもなく、戦うことになってしまった。


「いつでもいいぞ」


 そう言い放つザックさんは堂々と剣を構えている。


 はぁ~。勝てるわけないじゃないか…。


 でも、何とか一泡吹かせたい。そうだ僕はザックさんより体力があるから持久戦に持ち込めば何とかなるかもしれない。何とか粘ってみよう。


 覚悟を決めて剣を構えようとするがバランスを崩しそうになる。剣の重さに手がまだ慣れてなかったのだ。何とか両手で剣を構えるがうまく振ることが出来る気がしない。


 重さで震える手に力を入れなおしザックさんとの距離を縮める。ザックさんを剣を構えたまま動く気配がない。


 僕は右から剣を振り下ろすが、あっさりはじき返される。次は交互に剣を振るが簡単にあしらわれてしまう。何度も違った方向から攻撃を仕掛けるがザックさんには届かない。


 持久戦なら勝てると高を括っていたけど、まず攻撃が通じないし、剣の重さに手が耐えきれなくなってきてる。このままだと僕の負けだな。


 攻めあぐねているとザックさんが防御から攻撃に移った。僕が仕掛けた攻撃をザックさんは軽々しく防ぎ、僕の首筋目掛けて剣を振り下ろしてくる。何とか剣を合わせ防ぐが力に押し負け僕は地面に転がった。


「いてて…」


「大丈夫か?」


 ザックさんは心配そうに僕に手を差し伸べた。


 そんな顔するなら最初から手加減してくださいよ。


「よし、続きをするぞ」


「な、…」


 剣を構えたザックさんに唖然してる暇もなどなかった。ザックさんは直ぐに攻撃を仕掛けてくる。


 剣と剣の激しい音が再び響き渡る。


 何度ザックさんに吹き飛ばされたかわからないが、僕は確実に成長している。最初はザックさんの攻撃を防げず地面に何度も転がされたが、今では数回はしのげるようになって来た。


「ルーク、ただ攻撃を防いでるだけじゃ意味がないぞ」


 そう、僕は今一方的に攻撃を受けている。今の僕には反撃をする余裕なんてない攻撃を防ぐのに手一杯なのだから。


 そう言われても、ここからどう反撃をすれば良いんだろうか…戦いながらザックさんの動きを観察していく。すると攻撃をした後に少し隙が生まれていることに気づく。


 ダメだ攻撃まで手が回らない。まずは上手く衝撃を逸らす方法を考えないと。そうか、自分はザックさんの剣を上から受けているから力がさらに加わっている。


 振り下ろされる前に合わせればいけるのでは?


 そう思い試してみるが、そう簡単にはいかず僕は地面に転がった。


 ザックさんに笑われちゃった。でも、この考えは良いはずだ諦めずに試そう。


 それから数回繰り返して行くうちに何回か成功する様になった。5割くらいだろう。そこからさらに戦いを重ねていくと何度か反撃をすることが出来るようになった。


 少しザックさんが驚いた顔をしたが僕の攻撃は簡単に止められてしまう。


「ルークなかなかやるな。でもまだ俺には届かないぞもっと力を入れて攻撃してくるんだ」


「はい!」


 声を上げながらザックさんの剣と交じらせる。恥ずかしいけど声を出すと力が出るんだよね不思議と。


 それから夕暮れまで稽古は続いたが一回も勝つことは出来なかった。



「ルーク今日初めてその剣を持ったのにここまで戦えたんだからそう落ち込むなよ。ルークは成長してるぞ明日ここに居る奴らと戦ってみるといい。そうすれば今の実力は分かるはずだ」


「ここに居る冒険者も強いんじゃ無いんですか?僕には到底勝てると思えないんですけど…」


「ルークの実力なら良いところまで渡り合えるはずだ」


 そんなに僕強いのかな?ザックさんは確かAランクだから僕は負けているだけなのか…?まあ、明日になれば分かるか。僕は周りの人からの視線を感じながら訓練場を後にした。










 

短編と書いてて&かやる気が出てなくてさbpってました。すいません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ