感情飽和量
誰にも伝えられず、ただひたすらに隠され続けていた想いは一体、どこへ行くのだろう。
突き抜けるほどに青い空か、深く暗い海の底の底、地平線のあちら側、恒星が煌めく宇宙空間。もしかすれば、自分の体内に留まり続けるのかもしれない。だとしたら、留まり続けた想いできっと、私は窒息してしまう。
我ながらその考えが正しい気がして、救いもなにもなくて、でも絶望には明らかに足りないような、そんな感情。を、持て余す女子中学生。思春期だからという一言で片付けてしまわないでって、これも思春期の病気だと一蹴される気がしている。そういうお年頃なのは否定しないけど、子供の言っていることに耳を傾けないとか、興味関心を示さない親筆頭の大人たちが、私たち思春期の子供を殺す。それは殺人だと認知されない。だけど確かに殺されている。そんな、日本では飽和しているような日常。
飽和量を超えたらあふれてしまうよって、私の脳味噌が告げる。
「そんなの知ってるから、」
誰も教えてくれないような、それでも誰だって知っている、一般常識みたいに拡散されたこの感情は、いつかきっと私を窒息させる。