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運命の経済学 Economics of Fate  作者: キズナ
第2章 リスクと危険回避
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1 変態の称号

今パートは特に何もありません。

「お兄ちゃん起きて。私の大好きなお・に・い・ちゃ・ん…」

 妹がふざけている声がする…。

 「ほらほらぁ!早く起きないとお兄ちゃんの童貞を私が食べちゃうぞ!?」

 落ち着け私…。この妹は本当に妹なのか?いつもはもっと大人しいはずなのに…。もしかして!?これは夢なのでは?しかしどうやって見極めるべきか…。そうだ!



 「ひゃう!ば、ば、ばか兄貴!どこ触ってんのよ!!」

 絵美の悲鳴と柔らかな感触…。どうやら私は現実で妹の胸を触ると言うとんでもない事を朝からやらかしたようだ。

 幸い、まだ目を開けてはいない。つまり寝ぼけてたとシラを切る事が可能かもしれない!



 「ふぁぁ……。何してるんだ?絵美。」

 「な、何って今私にした事覚えてないの!?」

 いや覚えているんだ。

 「何の事を言っているんだ?私は何もしていないだろう?たった今起きたばかりだぞ?」

 「いや、起きてたよね?鼻息荒かったよ?」

 「え?そんなに荒かったかな…。」

 私は少し考え込んだ。

 「ホラやっぱり!起きてたんじゃん!この変態兄貴!!」

 そうして私は絵美の平手打ちを左の頬に受けた。

 絵美は私の部屋から出て行ってしまった。

 「フッ…素早いやつめ。しかし、成長したな。お兄ちゃんは誇らしいぞ。」

 若干手に残る胸の感触を確かめつつ、ベッドから起き上がると扉の隙間からこちらを覗いている絵美が見えた。

 「エッチ…。」

 階段を下りる音がした。どうやらさっきは部屋の外に出ただけだったようだ。不覚。



 そんな朝の出来事もなかったかのように私と学校へ向かう妹。



 「おい、絵美。あさ…。」

 「何?変態お兄ちゃん?」

 「あ、はい。すみません。」

 ここで私と絵美の上下関係が入れ替わってしまったようだ。

 学校へは歩いても15分は掛かる。そしてこの雰囲気だ。頭が痛くなる…。どうしたら良いのか考えていると救世主がやってきた。

 「ようお二人さん!」

 元気な声が私たち2人に向けられた。

 「祐二か。」

 「祐二兄ちゃんおはよ!そこの変態には近づかないほうがいいよ?」

 「おう!って変態?なんだそりゃ…。」

 絵美の奴、いつまで私の事を変態呼ばわりするんだ。無実だっていうのに…、いや半分は有罪かもしれないが。



 祐二がささっと私の方へ駆け寄り小さな声で事情を聞いてきた。

 「おいおいどうしたんだよ。絵美ちゃんご立腹じゃないか。」

 「それが…寝ぼけて絵美の胸を触ってしまったみたいで…。」

 「あちゃー…。思春期の女の子の胸は触っちゃまずいよな。幾ら妹でも。お前は変態認定されてもおかしくないな。」

 「祐二、お前の力で何とかできないのか?」

 「そうは言ってもなぁ…。」

 祐二は頭を抱えて考えていた。しばらくすると何か思いついたようで絵美の方へ駆け寄った。

 「絵美ちゃん。俺も胸触ってもいいかい?」

 「え!?祐二兄ちゃんまで何言ってるの?バカなの?死ぬの?」

 「まぁ落ち着けって、俺はな男なんてそんなもんだって言いたいわけだ。そんなにツンケンせずにもっと寛容な心を持つ事も大人の女への一歩だと思うぞ?」

 「大人の女…。余裕のある女こそ大人の女って事ね。…分かったわ。じゃあ2人とも許してあげる♥」

 ほっとした私の肩を祐二がポンと叩く。



 「サンキュー祐二。」

 「まぁ昔から絵美ちゃんの扱いは俺の方が上手かったもんな。」

 昔から絵美は私ではなく祐二のいう事を聞いていた。兄としては威厳もクソもない。



 祐二と合流してから数分経った頃、学校の校門が見えてきた。

時間は8時30分。朝早いが既にもう暑い。私の額から流れる汗がそれをものがたっている。

 生徒会室は第3棟の2階南側の西から3番目だ。ちなみにこの第3棟は文化部の部室があり、かなり静かな棟で有名だ。



◇生徒会室

 「おはようございます。」

 私は生徒会室のドアをノックし入っていった。

 「やぁ、おはよう。今日はちゃんと来たみたいだね。」

 「えっと……会長?なんでその格好なんですか?」

 「動きやすいからに決まっているだろう?それ以外の理由があったかい?」



 会長は制服でも私服でもなく、まさかの学校指定の体育着を着ていた。

 「その服サイズ合ってませんよね?動きにくいでしょ。」

 「そんな事ないよ。フィットした方が動きやすいから効率が一番いいのだよ。」

 「いえいえ、そこじゃないんですよ。フィットし過ぎなんですよ。」

 「素晴らしいだろう?もっと見てくれていいんだぞ?」

 会長がセクシーポーズをしてこちらを誘惑してくる。

 「あぐっ」

 会長の横にいた、高橋先輩がツッコミを入れる。



 「かげちゃん。ダメだよ、そんな格好したら橘君たち困るでしょ?」

 「裕美……。いいじゃん!!この服お気に入りなの!着たいの!」

 会長と高橋先輩のやり取り。これが本来のやり取りなんだろうか。いつも威厳のある会長の姿とは少しギャップがあって新鮮だ。



 「えっと会長?」

 「何!?橘君もこの服装について何か文句でもあるの!?」

 「い、いえとてもお似合いですよ?」

 「どうだ?聞いたか裕美?」

 「はいはい。」

 「すみません、会長。今日は何をするんですか?」

 「おぉそうだな。じゃあ全員そろったら午前中の部活を開始しようか。」


次回からまた会話多めです。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回の最新話更新は午後10時を予定しています。

よければブックマーク、感想等お待ちしています。

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