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剣舞

更新が遅くなってしまい、申し訳ございません。


次回、新章です。

 最後の型である逆袈裟切りを終えた所で、俺以外の誰かが拍手をした。

 そのことに驚いて拍手がした方を見ると、真っ白なワンピースを着て麦わら帽子を被ったシエル姫がいつの間にやら傍に設置されていたベンチに座ってニコニコと笑顔を浮かべてこちらを見ていた。

「い、いつの間に……」

 まさか、見られていたとは……何か恥ずかしいな。

 顔とか、赤くなってないといいんだけど。

「割と最初から居ましたよ? とても素晴らしい剣舞でした」

 剣舞……俺的には動きを確認していただけなのだが、連続して繰り出される技はシエル姫からしたら剣舞に見えたらしい。

 まぁ、俺は剣舞を見たことがないから、もしかしたら似たような物かもしれないけどな~。

「ユウさんのお見舞いに行った所、居なかったので探していたのですが……その様子を見るに、お身体の方は大丈夫みたいですね」

「ん、まぁ大丈夫だな。ところで、俺はどれくらい眠っていたんだ?」

 シエル姫は俺の質問に答えるべく、指を折りながら考え始める。

 てか、やけに指を折る回数が多くないですかね……?

「かれこれ、二週間くらいですね」

 二週間!?

 あの戦いから、もう二週間も経ったのか!? でも、俺の身体は二週間寝ていたとは思えないほどに衰えていない……もしかしたら、ステータスの恩恵なのか?

(そうだ、ステータス……)

 安田との戦いで俺は死に掛けたりなんだりと結構な経験を積んだはずだ。この世界でのルールを考えるに俺のステータスは最後に見た時よりも強化されているだろう。

(ステータス、オープン)


名前:一ノ瀬 祐


種族:人間


性別:男性


職種:刀剣士Lv.46


魂Lv:120


MP残量:0/45000


STR:2300


DEX:4400


VIT:5300


INT:100


AGI:5200



称号:異世界者、前世を思い出す者、魔刀の父、平行世界を知る者


スキル:王女の加護、運命女神の加護、刀剣マスター、凍華の箱、魔刀の義眼、一ノ瀬流剣術:閃光


EXスキル:刀剣術、重魂


契約:凍華/桜花



 予想通り、ステータスは大幅に強化されスキルも若干増えていた。

 にしても、スキルの詳細を知りたくても鑑定スキルがないとどうやら見ることは出来ないらしく、ステータスリセットの時に色々と見ようとして失敗したのは記憶に新しい。

(リセット前の鑑定スキルが懐かしいな……)

 そんな事を思いながら新しく増えたスキルを見ていると、不意に目の前にウィンドウがもう一枚現れた。


 一ノ瀬流剣術:閃光:目にも止まらぬ速度で刀を振るい、向かい来る飛来物を切り伏せる事が出来る。いつかのどこかで一ノ瀬 裕が習得した剣術。飛来物に対して特効がつく。


「なっ……!?」

 鑑定スキルがないのに、どうして詳細が見れたんだ?

 俺が見逃しただけで、鑑定スキルがいつの間にか手に入っていたとか……?

「ぁ……きれい……」

「――!?」

 シエル姫が小さく呟いた声に釣られてそちらを見ると、シエル姫はうっとりしたような顔で俺を見つめている。

 そして、その瞳に映る俺の顔――その右目は紅く輝いていた。

「あっ……! すいません、私ったら……」

 俺が見ている事に気づいたシエル姫は頬を少しだけ赤く染めて目を逸らす。

 それに対して生返事をしながら、俺はステータスに再度目を向ける。


 魔刀の義眼:魔刀と契約し、その目を捧げた証拠。戦闘・非戦闘時に限らず様々な恩恵を得る事が出来る。発動時その目は紅く輝く。


(様々な恩恵……その一つがコレだとしたらチートってレベルじゃないな)

 代償として右目を捧げているから、それ相応の能力と言っていい物だろうか? それとも、俺が知らないだけで知らず知らずのうちに別の代償を払い続けているのかもしれない。

 だが、どちらにしても今考えても答えがすぐに出る事ではないと思考を振り切る。

「そういえば……」

 会話と思考が無くなった所でタイミングよくシエル姫が口を開く。

 表情からするに、どうやら大事な事を思い出したようだ。

「ユウさん、賞品は何にするんですか?」

 一瞬、何の事かわからなかったがすぐにソレが決闘での賞品だという事に気づいた。

 そういえば、始まる前に勝利者には何でも賞品を~みたいな事を言っていた気がするが、何分二週間前の事なのであまりよくは覚えていない。

「今回は王族も認めた決闘なので、相当いい物が貰えると思いますよ? 魔法の武器――は、その刀がありますからいらないですね……魔法の鎧とかどうですか?」

 魔法の鎧か……俺もファンタジー系が好きな男の子としてはそういう物に憧れたりするけど、重そうだし何よりも日本刀と合わない気がする。

「結構魅力的だけど、遠慮しておくよ。それより、賞品って本当に何でもいいのか? 例えば、物じゃなくても?」

「え? えぇ、まぁ、国に渡せるラインがありますけど、大体の物はどうにかできると思いますよ?」

 なるほど、だとすれば俺が求める物はもう決まっている。

 俺には目的があり、それを成すために今一番必要な物――


「シエル、俺が求める賞品は――」

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