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第二章 エピローグ 完全解決

一ヶ月半くらいも投稿止めてすいませんでした。

 三章の内容の変更とか考えてたら、まさか一ヶ月半も経っているとは。

 しかも、割と時間かけて書いたのに、まだ納得いっていません。本当に申し訳ない。書き直すかもしれません。

 とりあえずどうぞ。

リエルに案内されて、もう目の前。

 リエルが住んでいた家。そして勘違いの可能性もあるが、リエルを裏切った両親が住んでいる家。

 思っていたよりも近かったな。

 祭りをやっている大通りがすぐそこだぞ。

 さて、ここで問題となるのはやっぱりリエルの両親がいるのかどうか、ということだ。

 俺の考えとしては、いないんじゃないの?

 お前が案内させといて、とか言われるかもしれないが、よく考えれば今絶賛お祭り中じゃん。浮かれて飛び出してそう。


「勢いでここまで案内させちゃったけど、本当にいるかな?」

「いますよ。立場上、はしゃげないので」


なるほど。確かにはしゃげないな。

 こんな状況でもはしゃいでたら、それはもうすごい精神力の持ち主だな。


「いや、むしろはしゃいでた方が面白いかも!」

「それは今の私たちにとっては都合が悪いのでは?」

「あっ、確かに」


そんな感じに騒ぎながら、扉をノックしようとすると、それより一瞬先に扉が開いた。

 見事に空振り、若干恥ずかしくなりながら、扉を開けた人を見ると、男性だった。

 まあ、リエルのお父さんだろうな。


「ちょっと話しませんか、俺の後ろにいる人と」

「はい、はい! どうぞ上がってください!」


あれ、思ったよりもすんなり上がらせてくれたな。

 もっと反発されるかと思ったんだがな。まあ、別にいいか。

 リビングに通らせてもらった。

 普通に食卓があって、そこにリエルのお母さんとそしてマルフェがいた。

 ……………ん? ん? マルフェ?


「なんでお前がここに居んの!?」

「少し気になることがあってな。リエルたちがここに来ると思ってお邪魔させてもらっていた」


なんだよ、気になることって。

 ま、まあ、リエルとその両親の話を邪魔しなければ大丈夫です。

 後ろからとんでもなく不機嫌な感じが伝わってくる。

 俺が連れてきたせいだから、俺は何も言えない。


「とりあえずリエル、座れば……」


そう俺が言うのと同時に、リエルがドカッと椅子に座った。

 反抗期か!

 さらに高圧的な言動で、


「話を始めてください」

「どこから話そうか………まずはお前がそこまで機嫌を悪くしているところからにしよう。お前が選ばれた時、私はおかしかった。何かに取り憑かれたように、マルフェ様の元へ向かい、話をした」

「マルフェさん、何か言うことはありますか?」

「ちょっと待て、お前は勘違いをしているぞ。私は特殊属性の魔法である洗脳魔法を使えるが、お前の父に洗脳はかけていない」

「本当ですか?」

「その疑わしい目をやめろ」


ふーん、嘘は言ってない、と。

 ということは、リエルのお父さんは洗脳されたわけではない。完全に自分自身でリエルに裏切ったと思わせたのか。

 どんな精神の壊れ方だよ。


「とにかく私はやっていない」

「本当だぞ、断言する」

「イフリートさんがそういうなら……」

「話を戻して、私はリエルがいなくなってから、自分のやったことの重大さを理解しました。何度も後悔して、謝ろうとして、でもそのチャンスは巡ってこなかった」


そりゃあ、裏切られたと思った時からリエルは顔合わせづらいだろうからな。

 この家に来るのも嫌だったんだ。そもそも会ってないんだろうな。


「だから今言わせてくれ。遅いかもしれない、もう救われたから心に染みていかないかもしれない。でも言わせてくれ。本当に、すまなかった!」


心からの謝罪だった。

 少なくとも嘘ではない。

 それがリエルの心に刺さったのかは分からない。


「……………はい」

「ありがとう、話を聞いてくれて」


そう言うと、リエルのお父さんは黙った。

 もう言いたいことは言い切ったらしい。

 となると、次はお母さんの方が何か言うのかな。


「私から言うことは何もありません。お父さんが全部言ってしまいました。でも、私からも一つだけ。支えになってあげられなくてごめんなさい」

「………………はい」


噛みしめるようにリエルが言った。


「せっかくの祭りを私たちが邪魔をしてすまなかったな。こんな話をした後で無理かもしれないが、楽しんでくれ」


お父さんがそう言って、話が終わった。

 リエルに一方的に何かを言っただけで終わってしまった。

 俺たちは普通に祭りに戻った。

 そんなことより気まずい、とっても。

 俺が誘って、しかも釈然としない空気のまま話が終わってしまった。俺のせいだから、何も言えない。

 多少なりリエルのお父さんが隠しているであろうところもあった。リエルの前では言えないことでもあったのだろう。一体どんなやばいことを話したんだか。

 そう考えながら、少し歩いたところで、ずっと黙っていたリエルが口を開いた。


「……………これから私はどうすればいいのでしょうか?」

「分からん」


急だから驚いたが、即座に答えは出てきた。

 ここで下手なことを言おうものなら、俺は殺されかねない。そんな気がする。

 こういう時は多分、確かなことを言わない感じで答えるのがベストだと思う。

 まあ、辛いんだろうな。俺はあんな複雑な環境で育ったわけじゃないから、よく分からん。


「今まで信じられなかった人が、急に信じられる人になるかもしれない。良いことかもしれない、でも私にはとてつもなく怖いです」

「そりゃ誰でも怖いだろ。しかも身内ならなおさらじゃない? 普通だと思うぞ」

「私は……………私、は………」


思考がだいぶ深いところまでいってしまったか。これはどうにかしないとダメかな。

 リエル、お前考えながら歩いてるから。危ないぞ、ながら歩きはダメ、絶対。


「おい、リエル!」

「あっ、はい!」

「お前が苦しいのは分かった。戸惑ってるのも分かった。どうすりゃいいのか分からないんだよな。俺だって、親が急に手のひら返したらびっくりするよ。もちろん困る」

「はい………………私はこれから一体、どんな顔をしてこの森を去ればいいのか……」

「えっ、森から出るのは確定なの!?」

「当たり前です! イフリートさんにも許可をもらったんですから」

「じゃあ何に困ってるんだよ!」

「親に何か言ってから森を出たほうがいいのかな、とか考えてました」

「しょーもなっ! 連れてって悪かったかも、って思った俺の気持ち返せ!」


何だよこいつ、思ったより落ち込んでねぇじゃん。

 はあ、心配して損した。


「お前が、やったほうがいいと思ったことやれよ。そこは俺は何も言えない」

「はい、じゃあ顔合わせづらいので何も言わない方針で」

「それでいいのかよ」

「大丈夫です!」

「本当かねぇ」


納得できないが、まあリエルが自分で決めたわけだし、俺は何も言うまい。

 最初にあったリエルのイメージがぶっ壊されていく。もっとこう、冷静なイメージというか、何というか、だったんだけどな。



   →



 イフリートとリエルが話をしている時、残されていた三人はというと、こちらは祭りを楽しんでいた。

 ルナが、食べ過ぎで少し離れたところで休んでいる時に、エルフがリルファーに言った。


「ところで極狼、あなたの主の身の上について何か知っていますか? 言っていたことなど、何かあれば教えてください」

「何ですか、急に?」

「いえ、少し気になりまして」

「そうですねぇ、前世の家庭環境については少し聞きましたが、他には何も。ルナ、お前は?」


急に話を振られたルナは、食べ過ぎで少し膨らんだお腹をいたわりながら、ルファーたちの方まで寄ってきて、


「私もルファーと同じようなことしか聞いてない」

「だそうです。主様は前世のことをあまり語らないので、私たちは詳しく知りません。あなたは何か知っているのでしょうか?」

「いえ、私も特に。お姉様を預けるのですから、少しでも素性を知れればと思ったのですがそういうことなら仕方ありませんね」


諦めたように肩を竦めるエルフ。

 ルファーとルナはそれを見て、祭りに戻っていく。

 が、エルフはその場にとどまり、思考を始める。


(おそらくこの世界で、龍人である彼が信用しているのはあの二人のみ。その二人にも前世について話したことが家庭環境についてだけ。ということは少なくとも、記憶は戻っていない。もしくはそれを自分の記憶であると認識できていない。つまり、奴はまだ封印を解けてはいないということ)


「伝えるだけ伝えておきましょうか」


周りの誰にも聞こえない大きさで言うと、エルフは耳に手を当てた。

 そして、『神種』の住まう天界にいる『神種』の誰かに一方的に言葉を伝えられるようにする。


「今のところ、龍人に変化はありません。おそらく奴もまだ封印は解けていないと思います。あと、彼自身は順調です。着実に実力を伸ばしています。戦力にはなるかと。それでは」


相手も分からない通信のようなものではあるが、確実に信頼できる神のはずである。

 とりあえずこれで、エルフが指定されていた仕事は完了。

 あとはリエルが森を出るまでを見守るだけ。

 気楽な気持ちで、祭りに戻る。



   →



 リエルは早めに帰って、森から出るための荷造りをしにいった。ちなみに俺はあの服からちゃんと着替えました。

 なんか勝手な妄想ではあるが、すごい大きいリュック背負ってきそう。

 そうなったら、必要なものとそうでないものとに分けよう。

 そう思って朝を迎えたわけだが、予想が的中した。


「お待たせしました………っとと。すいません、遅くなりました。バランスが取りづらく、って…………!」

「うわぁ、漫画でしか見たことないリュックの膨らみ方してるよ。なんで破れないの?」


一体中に何が入っているのか。気になる、とっても気になるがリュックを開けたら大変なことになりそう。


「それ、全部必要なものか?」

「必要です。確認しますか? ……………あっ、やっぱりいいです」

「どういうこと?」

「その………なんというか、あんまり見せられないというか。あっ、他の二人には見せても大丈夫なので」

「じゃあ確認して、ルナ、えっとリル」


昨日はルファーだったのに、急にリルになるんじゃない。

 二人はリエルに連れられ、見えないところまで行った。

 俺と他の三人の間にある違いといえば、この世界の出身かそうじゃないか、か。なんだろう、この世界独特のものってことだろ? もしくは性別かな。

 なんて考えているとマルフェが近づいてきて、


「お前には随分と世話になったな」

「それはこっちのセリフだ。ついでに迷惑もかけたな。悪いとは思ってないが」

「もちろんだ。謝られても困る。まさかこの森から出る『森人』が現れるなんて200年前は考えなかったな」

「それはそうだろうな。…………そういえばお前さ、あの言い方からしてエルフ、様? についても分かってたんだろ。よくあんなマネできたな」

「お前という不確定要素が紛れ込んできたため、邪魔が入る可能性が出てきたからな。苦渋の選択だ」

「絶対そんなこと思ってないって確信はできる」


こいつ、そういうことで悩む奴じゃない気がする。


「そもそもエルフ様が、『森神』としての姿をしていなかった。それはつまり『森神』として扱うことの方が無礼ということだ」

「なんともまぁ、とってつけたような屁理屈を。まあ、この際だから溜め込んでること全部言わない?」

「それもそうだな。最初に会った時、『死ねガキが』と思っていた」

「すいませんでした。ちなみに俺は最初に会った時……………友好条約結ぶために真剣だったせいで、あんまり明確なこと考えてなかった。あと、リエルがいなくなった時に急に現れた魔獣は俺だ」

「それはそうだろうな」


やっぱりバレてたか。まあ、そりゃそうだよな。

 一応仮面はつけたし、口調とかも人間じゃない感じにしたけど、あまりに分かりやすかったか。


「もしかしたら、大量の金が見つかるかもしれないが、それはお前が使ってくれ」

「了解した」

「遅くなりましたぁ」


話している間に、荷物検査は終わったらしい。

 リエルよ、お前リュックがすごい縮んでるじゃないか。どんだけ無駄なもん入れたんだよ。


「ルナ、リル。どうだった?」

「主様、私はあれほど無駄なものの入った荷物を今までに見たことがありません」

「無駄なものは除いた?」

「はい、もちろんです」

「それでもあの大きさか」


確かに小さくなった。それでもなかなかのサイズしてるぞ。

 あ、あの中に一体どれだけのものが入ってるんだ。


「それじゃあ行くか」

「少し待ってください」


今のはそのまま森を出る流れではないの?

 本当に『森人』のやつらは空気を読まないな。

 誰だよ、と後ろを振り向くと、エルフだった。どうしたんだろうか。


「お姉様、少しだけよろしいでしょうか」

「えっ、はい」

「あなたが『森神』の力を行使できるようにします」

「今まではできなかったのか?」

「その、吸収されるので、別にいらないだろうという判断をしました」

「ヒッデェやつ」

「そこに罪悪感を感じたから、お姉様を見守ってたんですよ!」


まあ、嘘はついてないからいいか。

 というか『神種』相手にも使えるのか。いや、嘘をついてるところを見てないから分からないか。

 エルフはリエルに近づいていくと、


「それでは行使を可能にするので、手を出してください」

「手を出す必要があるんですか?」

「手を繋がなければ、できません」


ん?


「それでは……………終わりました」

「これで、使えるようになったんですか?」

「はい。しかし、今まで一度も『森神』になったことがないので、少しずつ慣れていってください」

「なあ、なんで手を繋がないとできない、なんて嘘ついたの?」

「……………………………すいません、もう一度言ってもらっていいですか?」


聞こえなかったのかな。

 俺の声が小さかったのか。

 仕方ない、もう一度言うか。


「なんで嘘ついたの?」

「……………………ん?」

「いや、だからなんで嘘ついた………んぐ」

「常識知らずなあなたに一つ、良いことを教えてあげましょう。この世界には、嘘を見抜かれることを嫌う『神種』がたくさんいます」

「……………分かりました」


なんだこいつ、めちゃめちゃ怖い。

 怒らせちゃいけないやつってやっぱりいるんだな。

 そして『神種』が嘘をついている時にも使えることが分かった。


「まあ、とりあえずこれで準備は終わったな。じゃあ、行くか」

「待ちくたびれた」

「おい、ルナ。主様に向かってそういうことを言うな」


別に気にしないからいいんだけどな。

 と言う前に、二人で口喧嘩始めた。

 こいつらは言い争ってる時に割り込むと面倒臭いので、そのまま放っておく。

 俺は森の外に向かって先に歩いていく。


「おっと、危ない。一個忘れてた」

「主様、何を忘れました? もしかして私が選んだあの服を!?」

「んなわけないだろ! ああいう服を一生着ないからな!」


祭りの時に着てしまった服は、すべて服屋に返そうとしたのだが、さすがに受け取ってもらえなかった。

 まあ、一回着ちゃったしな。

 なので今は村長からもらった魔法の袋に全部入れてある。正直全部置いて行きたかった。

 じゃなくて! 俺が忘れたのはそんなことじゃない。

 大きく息を吸って、そして、


「リエルは任せてください!」


リエルの両親に向けて、大声で言った。聞こえたかは分からないが。

 これを忘れちゃダメでしょ。エルフに常識知らずなんて言われたが、これくらいは朝飯前だ。

 できればリエルにも言って欲しいんだが………という意味を込めた視線を送るが、リエルは口をつぐんで首を横に振っていた。

 ダメですかそうですか。

 そう思ってたら、リエルが俺の前に来たので、一瞬期待したが、


「さすがにイフリートさんみたいなことはできません」


ですよね。

 じゃあ、何したくて俺の前に立ったんだよ。


「でもこのくらいはします。……………いってきますっ!」


呼吸を整えてから、思いっきり叫んだ。

 それに対して、


「いってらっしゃい」


というのがいくらか返ってきた。

 一つも返してもらえないと思っていたのか、リエルは驚いたような顔をしていた。


「よし、行こう」


思い返せば、色々とあったがそれでも良い方の結末に近づけられたんじゃないだろうか。

 俺の独断から始まった冒険への試みは、結果として一人の少女の命を救った。

 っていうのはさすがにカッコつけすぎか。

 でも、頑張った気がするぞ。

 そんなことを思ってる間に、昨日ぶりに森の外に出る。

 リエルにとっては初めての外だ。

 さて、これからはリエルの面倒も少しは見つつ、家建てて、街にも出ないといけない。

 やることはいっぱいだ。

 まずは、


「リエル、改めてこれからよろしく」


俺は手を出す。


「はい!」


最初に会った時からは想像できないくらいの良い笑顔で、その手を握られる。

 本当に変わった。

 心配なのは、ルナやリルファーに影響されないかどうか、だ。

 まあ、今はどうしようもないんだけど。


「って良い感じの雰囲気を出して申し訳ないんだけど、仮拠点になるのは森とあんまり離れてないルナが住んでる村になるから」

「えっ、そうなんですか!? 空気感返してください!」

「ごめんごめん」


こんな締まらない感じで申し訳ない。

 目的はある。ここからだ。

 着実に達成していこう。

 そう心に決めて、村へ歩き始める。



   →



「指示通り、送りましたよ」

「ご苦労様。うーん、ようやく準備が整ったね」

「そうですね、どれだけ時間をかけたか」

「でも、ここまでしないと複数の目的を同時に達成できないからね」

「確かにそうではありますが。しかし、よかったのですか? 言われた通り送りましたが、明らかに基準を満たしていない者が混じっていたでしょう」

「その方が面白い」

「断言しないでください」


そんな会話をするのは、『強欲』の魔王とその秘書。

 内容は二人にしか分からない。

 だが、それは確実に、悪意を含んだ所業だ。


「さあ、最後の作業だ」


そう言って、『強欲』の魔王は手をかざす。

 呼応して、出来上がる。

 間もなく始まるのは、国一番の催し物。

 それを楽しめるかどうかは、おそらく人によるだろう。

というわけで、二章終了です。一章の時もそうでしたが、終わらせ方がイマイチ分からない。

 投稿が遅れたことのお詫びというわけでもないですが、三章は来週からです。本当ならすぐにでも投稿できたらいいんですが、ちょっと無理そう。

 裏話的なやつですが、二章はもっと短くなる予定だったんです。だというのに、一章と同じかそれ以上の長さになってしまう。主人公が悪さをしている。

 読んでくれる方、本当にありがとうございます。

 これからも宜しくお願いします。

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