悪夢の挙句
?人目、アナタ。
気が付くとアナタは雪原の様に真っ白で何も無い広い空間にいた。
見渡す限り真っ白なため本当に広いのかどうかは分からない。
白い地面を歩くが目指す物すらない。
「あ、外から来た冒険者だね。ごめんよ、冒険する様な場所は無いんだ」
後ろから声がして振り返ると十歳くらいの男の子が居た。
男の子の顔は仮面で隠れていて分からない。
真っ白で簡素な笑顔の仮面。
「俺の名前はキール、仮面は気にしないで。仮面無い方が警戒されて困るんだ」
「ここがどこかって?ここはね、怖い神様に見つからない様にするための隠れ場所。俺の力じゃまだこんな空間しか作れないけど勘弁してくれよ?ここの外よりは絶対マシだから」
「いつまで居れば良いのかって?怖い神様が諦めて次の贄を招き入れるまでの間だよ。それまで俺と遊んでよ。外の世界の話をして欲しいんだ」
「暇?実は俺もかなり暇なんだ。もう少し力を得たらこの空間を遊園地にしたいな。知ってるか?遊園地!外の世界にあるらしいんだ!」
「飽きた?でもここ出たら死んじゃうよ?俺は悪い神様が呼び込んだ外の世界の人をこうやって横取りしてるのさ。ワタリ様、かなり空腹状態だろうなぁ」
「あ、そろそろかも。元の世界に戻ったら周りの人たちに広めて欲しい事があるんだ。異世界に迷い込んだ人を助ける子供の話、それで俺の力が増えるんだよ」
「世界の蓋が開いたよ、元の世界に返してあげる。あっちの方向に歩いて行って」
そう言ってキールが指さした方向から朝日の様な柔らかい光が差し込んだ。
アナタはそちらへ向かって歩いて行く。
そして、ふとキールの方へ振り返ると、その隣には女の子が立っていた。
仲の良い姉弟の様で、微笑ましい光景だった。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この話は元々短編でまとめるつもりだったのでこれで終了します。
長引いても人が無駄に死んでいくだけの話なのでw
また新しいの書いた時はよろしくお願いします。




