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序章 与えられた能力
異世界に憧れを抱く者なら一度は考えたはずだ。
異世界で特別な力を手に入れて冒険する。そんな夢物語を。
トンネルの向こう側、エレベーターの存在しない階、朝起きたら、穴に落ちたら。
最近だと転生したら、なんてものも有るだろう。
そんなに行きたければ招待しよう。
・・・本当の異世界に。
ああ、もちろん特別な力もプレゼントしてあげよう。しかも二つだ。
一つ目、過去の冒険者の死亡履歴を見る能力。
二つ目、過去の冒険者の魂を消費して力を得る能力。
二つ目の説明をしよう。
冒険者が死んだ時、魂はこちらで保管している。
生き返る事はできないが、その後の冒険者が消費できる。
一つ消費で一度のみ全回復。二つ消費で強力な武器。三つ消費で魔法。四つ消費で身体能力の向上。五つ消費で莫大な魔力を授けよう。
目を瞑ってごらん。そして念じるんだ。
瞼の内側に死亡履歴と魂の数が映るはずだ。
君は何人目かな?魂はいくつあるかな?
私から言える事はこれだけだ、君の大好きな異世界を思う存分満喫してほしい。