表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
998/2409

薔薇姫との遭遇①



 クイズを楽しんだあとは、皆と一緒に少し高級なエリア……希少な品などが展示されている場所を目指して移動する。

 イメージとしては美術館のような場所であり、神界にかかわる様々な品が展示されているらしい。


「今回は特別にシャローヴァナル様より神域に関わる品も数点展示を許可されていますので、抽選の倍率はかなり凄いことになっていましたね」


 そういって話すスカイさんの説明を聞くと、この展示エリアは神殿を模した建物の中にあり、入場できる人数はかなり制限されていて、事前の申し込みと抽選が必須である。

 過去の勇者祭で神族が出し物を行った際に使用した品や、神界でも希少な植物など、それこそ秘宝と称するような品も展示されるとのことで、開催前からかなり話題になっていたらしい。

 特に今回は最高神でさえ許可なく立ち入れない神域の品……シロさんに関わる品が数点展示されるとのことで、永久の花のような神域にしかない花もいくつか展示されているとのことだ。


「しかし、そういった希少さを改めて認識すると、それなりの頻度で神域に招かれているご主人様の凄さを実感しますね」

「展示エリアにも、抽選無しで私たちも連れて入れますし、さすがはご主人様……です」


 たしかにイータとシータの言う通り、こうしてシロさんやフェイトさんの世間でのビックネームっぷりを再確認すると、自分の周囲の人たちの凄さを実感する。

 クロやアリスも世界的に見ればとんでもないビックネームだし、周りが凄すぎるだけでリリアさんだって元王女で現公爵、さらにはラグナさんと人族最強を争うほどの実力者と、かなり凄かったりする。


 そんな風に雑談をしながら展示エリアの近くに辿り着いたタイミングで、不意に視界の端に見覚えのある方を見つけた。

 本当に、知り合いとよく会う日であるが、見つけたからには一声挨拶をしておこう。


「スカイさんすみません、ちょっと知り合いがいたので挨拶をしてきます」

「分かりました。それでは、私たちは入り口に居ます。記念品などの販売もあるので、こちらは気にせずゆっくりどうぞ、ミヤマさんが戻ったら皆で入場しましょう」

「助かります、それじゃ、ちょっといってきます」


 サッと他の皆が待ちぼうけになったりしないように配慮してくれ、話に時間がかかっても大丈夫だと伝えてくれるスカイさんは、本当に有能オーラが半端ない。

 的確な気遣いに感謝しつつ、少し早足で先ほど見つけた知り合いに近づいて声をかける。


「こんにちは、カミリアさん。こんなところで会うなんて、奇遇ですね」

「カイトさん? こんにちは……驚きました」

「急に声をかけてすみません。たまたま遠目に見かけたので、いちおう挨拶だけしておこうかと思って……」

「いえ、そうではなく……よくこれだけ人がいる中で、私に気付いたことに驚きました」

「そこまで極端に混雑してる感じじゃないですが……」


 偶然見かけたカミリアさんに声をかけてみると、なんだか変な部分で驚かれてしまった。いや、たしかに人は多いが、それでもこの辺りは事前申し込み必須のイベントが多いエリアなので、そこまでたくさんいるわけではない。


「い、いえ、そうではなく……私は地味ですから、気付かれないことの方が圧倒的に多いので……」

「う、うん? いや、流石に知り合いですし遠目でも分かりますよ」

「……そういえば、カイトさんはいつもリリウッド様の居城でもすぐに私に気付きますね。ふふふ、少し変な言い方かもしれませんが、なんだか嬉しいです」


 そう言えばリリウッドさんが以前、カミリアさんは優秀だけど影が薄くて気付かれにくい的なことを言っていたような……正直冗談だと思ってた。

 俺はいままでカミリアさんの影が薄いとか感じたことは無いので、やはり感応魔法が影響している気がする。


「ところで、カミリアさんは展示エリアを見に来たんですか?」

「……えっと、私は友人に誘われて祭りに来まして、その友人が展示エリアに見たいものがあるみたいだったのですが……お恥ずかしながら、私も友人もよく調べてなくて……友人を待たせて確認に行ったところ、事前申し込み必須であるので入場できないと回答されて、友人の元に戻っている途中です」

「あっ、そうだったんですね」


 そっか……なるほど……う~ん、知らない仲でもないし、リリウッドさんの元を訪れた際とかにもカミリアさんにはお世話になってるから……スカイさんにはちょっと迷惑をかけてしまうかもしれないが、できれば助けてあげたい。


「……カミリアさん、もしよければ俺たちと一緒に行きますか? たぶん俺が頼めば、ふたり分くらいはなんとかしてくれるんじゃないかと思うので……」

「え? そ、それはありがたいですが……ご迷惑では?」

「カミリアさんにはいつもお世話になってますし、気にしないでください」

「……ありがとうございます。友人が本当に楽しみにしていたので……申し訳ないですが、お言葉に甘えさせてもらいます。このお礼は、後日必ず」

「そんなに気にしないでください。とりあえず、カミリアさんの友人のところに行きましょう」


 恐縮するカミリアさんに出来るだけ優しく笑いかけ、カミリアさんと一緒に少し離れた場所で待つという友人の元に向かった。

 しかし、カミリアさんの友人って……どんな人だろう? 





シリアス先輩「ふぅぅ、なんてフラグ回収速度だ……さすがとしか言いようがない」

???「感応魔法、神域の花、さらにクイズで獲得した永久の花……イベント用アイテムも充実、コレは勝ち確ですね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] イータシータ久々に喋ったのぅ
[一言] 更新お疲れ様です!快人さんとカミリアさん再開する!そしてロズミエルさんと会うフラグが後書きの内容を見ると凄く会うフラグ立ってるな お互いの会う反応がどうなるか楽しみです! 次も楽しみに待って…
[一言] そうか、このままいくと幻の左でブっ飛ばした側とブっ飛ばされた側が鉢合わせる事になるのか……w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ