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ドラゴンカーニバル⑦



 四大魔竜全てに挨拶を終えると、丁度いいタイミングで地響きと共にマグナウェルさんが姿を現した。すると、ウォーミングアップしていたドラゴンも動きを止め、空を飛んでいたドラゴンも地に降りて跪く。

 次いで巨大なグランディレアスさんよりも遥かに大きいその体躯は、圧巻の威厳に満ち溢れており、まさに竜の王。


『……うむ、出迎えご苦労、頭を上げてよい。まもなくドラゴンカーニバルが開始される故、各々最後の調整に入れ』


 天から響くような声でマグナウェルさんが告げると、ドラゴンたちは一度大きく頭を下げてからそれぞれ準備に散っていった。

 それを見届けてから、マグナウェルさんは俺とリリアさんに視線を向ける。


『さて、よく来たなミヤマカイト、それにリリア・アルベルトよ』

「今日は招待していただいてありがとうございます。あと、すみません、実はマグナウェルさんに改めてリリアさんを紹介しようと思いまして」

『ふむ、そう言えば戦場を共にしたことも有り、お主の誕生会などでも顔は合わせておるが、直接話したことは無かったな』

「えっと、それじゃあ、リリアさ……大丈夫ですか?」

「は、はは、はい、なな、なんとか……」


 マグナウェルさんと軽く会話をしつつ、リリアさんの方を向くと……傍目に見ても分かりやすすぎるほどガッチガチに緊張していた。

 背筋はピンと伸びており、表情も緊張MAXといった感じである。まったくもって大丈夫そうには見えない。

 少しでも安心させようと、リリアさんの手を握ると、リリアさんは一瞬驚いたような表情を浮かべたあとで小さく微笑んだ。


「……竜王様、改めまして、リリア・アルベルトと申します」

『マグナウェル・バスクス・ラルド・カーツバルドじゃ。ミヤマカイトの恋人であり、人族の中でも飛びぬけた才を持つお主のことは、気にはなっていた。それに、お主の飛竜便にはワシの配下も世話になっておる……よって、ミヤマカイトと同じように、ワシを名で呼ぶことを許す』

「光栄の極みです。心より感謝を……よろしくお願いします、マグナウェル様」

『うむ、今日はミヤマカイトと共に、我が眷属たちの戦いを楽しむとよい』


 ……やっぱりこういう姿を見ると、マグナウェルさんが一番王っぽい感じがする。カッチリした場でなければ、話好きのおじいちゃんといった感じなのだが、こういう緊張感のある会話だと物凄く威厳がある。

 ともあれこれで、リリアさんとマグナウェルさんの挨拶も終わり、いよいよドラゴンカーニバルが開始される。


 というか、実質マグナウェルさんが到着したら開始という感じらしく、準備はすぐに終わった。

 マグナウェルさんの近くに四大魔竜も集まる。俺とリリアさんはフレアさんが用意してくれたレジャーシートの上に座る形になる。

 いや、椅子とどっちにするか聞かれたのだが……正直周囲の雰囲気に椅子はまったく似合わないので、レジャーシートにした。


 マグナウェルさんは「ワシの頭の上で見るか?」とか言っていたのだが、まずリリアさんが恐縮しまくってしまうのと……あまりにも位置が高すぎて、見下ろす形では見学しにくいので、少し盛り上がった場所にレジャーシートを敷いて見学することになった。


 ざっと見る限り、一戦ずつ順に行うのではなく、場所を離して何戦かを同時進行で行っていくみたいに見える。

 一対一での戦いが四つ……計八匹のドラゴンがマグナウェルさんの眼前にある開けた荒野に降り立ち、向かい合う。


「……う~ん、俺はあまりドラゴンに詳しくは無いんですが、リリアさんが見た限りではどうですか?」

「凄いですよ! 滅多に見ることのできない竜種がいっぱいで、目移りしてしまいます!」

「あ、いや、勝敗予想的なのがあれば聞きたいなぁと……」

「な、なるほど……そうですね。右手前の組み合わせは、黒いドラゴン……シャドードラゴンが有利じゃないかと思います。やはりかなりスピードが速いので……ただ、対戦相手のドレッドテールは攻撃力が飛びぬけていますので、一撃でもまともに当たれば一気に形成が傾いてしまうかもしれません」

「なるほど……」

「左手前の戦いは、かなり拮抗していると思いますが鳥のような羽根のフェザードラゴンは幻惑の羽という相手の感覚を惑わす攻撃があるので、それが通じるかどうかだと思いますね」


 話を振ってみると、リリアさんはキラキラと楽しそうな表情で解説してくれる。なんというか、好きなものを話すのが楽しいというのが伝わってくる。

 普段リリアさんは淑女らしくないと、ドラゴン好きことを割と隠してる感じなので、こうやって夢中で話すのは俺に対し心を許してくれている証明でもあるので、なんだか嬉しかった。


 それに、リリアさんがすごく楽しそうだし、いい感じにリラックスもできてるんじゃないかと思う。楽しそうに話すリリアさんを見て微笑ましい気持ちになりつつ、誘ってよかったとそんなことを考えた。





~おまけ・マニアッククイズ~

難易度:さび入り(最高難易度)


Q1 適当命名四十八号ちゃんの世間での名称は?


Q2 超絶合体アリスちゃんロボ、第12話のタイトルは?


Q3 快人のルービックキューブの自己ベストタイムは?


Q4 快人がアリスの店で買ったベルトは何の皮が使われている?


Q5 快人の誕生日会でツヴァイが魚を調達したのはどこ?


シリアス先輩「……なにこれ、くっそ難しい」

???「過去の話を調べずに正解できたとしたら、作者より作品に詳しいレベルですね」

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― 新着の感想 ―
[一言] この辺り、ってのは出てくるけど、答えがわからん。
[良い点] 適当命名48号ちゃんだけは六王祭で出たのをかろうじて覚えてる。。。確か宝剣アロダントだった気がする。 ルービックキューブは20秒前後だっけ?メキド戦で出た記憶がある。
[一言]  伝説の鍛冶師の分体じゃなかったでしたっけ?名前は覚えてないですね、それか意外とハプティ(適当)  1話から数えようと思ったけど無理でしたね…イルネスさんのあとぐらいだった気がしますがそれも…
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