閑話・極北星~暴獣の牙~
コミカライズ版第三巻の発売日は6月25日です! 公式HPへのリンクなどは、活動報告に掲載しています
イリスとポラリスの突発的な模擬戦。結界魔法が得意なポラリスが無人島に結界を張ったのを合図に、その戦いはスタートした。
初めに動いたのはイリスだった。彼女は腕を組んだままで足元に魔法陣を出現させ告げる。
「我が前には闇、立ち向かうは愚かなる逆賊……」
「……詠唱?」
「黒点が的を穿つ、放て、ダークネスバレット」
「……」
詠唱と共にイリスの周囲に膨大な数の魔法陣が広がり、そこから漆黒の弾丸が放たれた。その数は千を優に超え、まるで収束するかのようにポラリスに迫る。
それに対してポラリスは一瞬怪訝そうに眉を動かしたあと、防御も回避もせずに棒立ち。漆黒の弾丸はポラリスの体を捉え……その体に僅かな傷をつけることすら出来ずに弾かれる。
「……ほう、防御魔法? いや、肉体そのものが堅いのか」
「あ~イリス・イルミナス……もしかしてアレかな? 君は、私のことを舐めてるのかな?」
「うん?」
「詠唱に利点がまったく無いとは言わないさ。しかし、私たちのレベルにおいて魔法の詠唱なんて無駄な工程でしかない。まさかそれだけの魔力がありながら、無詠唱魔法が使えないわけでもないだろう?」
「さぁ、どうだろうな?」
「……まぁ、いいさ。けど、負けた時の言い訳にはしないでくれよ」
若干苛立ったような表情でポラリスが片手を天にかざすと、空を埋め尽くすほどの大量の魔法陣が出現する。
「魔法戦がお望みなら応じてあげよう!」
「……壮観だな」
呟きながらイリスはポラリスが出現させた魔法陣に目を向ける。術式は単純で簡潔、下級魔法レベルではあるが、数が桁違いだった。
(……数十万、いや百万に届くか……物量で押しつぶすタイプか、見た目より脳筋だな)
そしてポラリスが手を振り下ろすと、魔法陣から豪雨のように魔法が放たれ、凄まじい爆発がイリスを包み込んだ。
無論その程度で決着が付くとはポラリスも思っていない。油断なく構えたままで立ち上がる爆煙を見据える。すると少しして煙が晴れ、服の肩がほんの僅かに黒ずんだイリスが姿を現した。
「……一発一発の威力は低いが、いくつかの点に集中させほぼ同時に着弾させることで威力を高めている。なかなか、どうして見事な技術だな」
「お褒めに預かり光栄だね。それで、どうだい? そろそろやる気は出してくれたかな?」
「あぁ、そうだな」
ポラリスの言葉に頷きながら、イリスは組んでいた腕を解き、ポラリスを見据えながら告げる。
「王命を下す。我が軍勢、我が剣兵、集い、居並び、我が眼前に立つ愚か者を滅ぼせ」
「……腹が立ってきたよ。舐めるのもいい加減に――ッ!?」
再び魔法の詠唱を始めたイリスを見てポラリスは額に青筋を浮かべ、一気に踏み込んでイリスに攻撃を仕掛けようとした。しかしその行動は、イリスが向けた左手から放たれた無詠唱魔法によって邪魔された。
「別に貴様を見下しているわけでも、無詠唱魔法が使えないわけでもない。ただ、詠唱を行ったほうが『途中で術式を組み替えやすい』のでな」
「……これはっ!?」
イリスの周囲に浮かぶ数百の巨大な魔法陣……それが一斉に、『イリスの掲げた右腕に吸い込まれていく』。
「術式変換――『魔導兵装・千剣の黒腕』」
そしてイリスの右腕が変貌する。黒く禍々しく鋭角的な、棘だらけの手甲に覆われたような腕に……。
一見すると魔力を物質化して腕に纏っているようにも見える。しかし、先ほどイリスが口にした魔導兵装という聞き覚えのない言葉……ポラリスは警戒を強めながらイリスの動きを待った。
イリスが黒い右腕を振り下ろす。嫌な予感がして咄嗟に回避行動をとったポラリスの真横を一瞬黒い閃光が過り、地面に剣で切り裂いたかのような線が走る。
「……斬撃の付与? それとも単に右腕から魔力を放っただけ? どちらにせよ、この場面で切ってくる以上ただの魔力の物質化とは思えないね」
「さてな。魔法学校の講師ではないのだ、いちいち解説なんぞせん故、自分で探ってみよ」
そう言いながらイリスが黒い右腕を振ると、次の瞬間ポラリスの周囲に漆黒の剣が複数出現し、一斉にポラリスに襲い掛かる。
(これはっ……魔法陣は無かった。魔力の流れによる前兆も……魔力の剣、千剣の黒腕……そういうことか!)
降り注ぐ剣を弾きながら、ポラリスはイリスの使用した魔導兵装という力について推測していく。
(おそらく、あの右腕は……『術式と融合』している。言ってみれば、あの右腕はいま剣の魔法の性質を宿した腕に変化している。だから振れば斬撃が放てるし、魔法陣を介さなくても剣の魔法を行使できる……厄介だね。魔力の流れから前兆を読み取れない。どうしても対応がほんの僅かに遅れる)
一度発動してしまえば、魔法陣を用いずに瞬時に魔法を行使できるイリスの魔導兵装は、相手や周囲の魔力の流れを読み取りながら戦う者にとっては、発動のタイミングが分かり辛い。
その上、一発一発の威力はかなりのもの……。
「愚者の丘、漆黒の大地、影に潜む刃が血肉を求める……」
「――ちぃっ!?」
再び詠唱を始めたイリスを見て、阻止に動こうとしたポラリスだったが、イリスの右腕から放たれた膨大な漆黒の剣がその行動を阻む。
「我が指は贄を指し示す。貪り喰らえ――術式変換、魔導兵装・影刃の黒脚」
今度はイリスの両足が黒い棘のようなものへ変化する。そしてイリスがその足を踏み鳴らすと、ポラリスの周囲の影が一斉に槍の如く伸びてポラリスに攻撃を加える。
もちろんそれだけではなく、引き続き漆黒の剣も襲い掛かってきていた。
「そら、どんどん行くぞ……開け冥轟の檻、悪夢の狂乱、万象を呑め――術式変換、魔導兵装・獄門の黒衣」
「またっ……」
それはまさに魔法の嵐と呼ぶにふさわしい光景だった。一手対応が遅れれば、イリスはさらに魔導兵装を追加し攻撃の密度を上げる。攻め込もうにも、無詠唱以上に早い魔法の発動を掻い潜るのは至難であり、さらにはイリスの魔力自体が膨大なため放たれる魔法はどれも極大魔法クラスの威力がある。
足を止めれば物量で押しつぶされかねない弾幕を回避し、時に腕を振るって魔法を破壊しながらポラリスは微かに笑みを浮かべた。
「やってくれるじゃないか……想像以上だよ。イリス・イルミナス……だけど、戦いの主導権を握られっぱなしってのも腹が立つね!」
そう叫ぶと同時にポラリスは膨大な魔力を込めた両手を、体の前で祈るように重ね合わせる。
「…‥『星降る丘』」
「むっ……ほぅ」
その魔法の発動を見て、イリスは一度攻撃の手を止めた。そして感心した表情で先ほどまでとは変貌した周囲の景色に視線を動かす。
昼の無人島だったはずの周囲は、いつの間にか星の煌めく丘の上に変わっていた。
「……初めて見たな。これが術者の魔力で作り上げた空間に相手を引きずり込む、最高位の結界魔法……『大規模空間結界』か……」
大規模空間結界……それは結界魔法の奥義ともいえる魔法であり、強制的に相手を自分に有利なフィールドへ引きずり込む魔法でもある。
この魔法の厄介なところは、術者の魔力次第でいくらでも広大になるため内部からの脱出が難しい。その上で、この『空間そのものが術者の武器』に等しい。
故にイリスはいったん攻撃の手を止めた。大規模空間結界に取り込まれた以上、周囲すべてが敵の攻撃範囲内といえるから……。
「大規模空間結界は、術者によって趣がまったく異なると聞く……さて、この空間はどのようなものであろうな」
「相変わらずの余裕っぷり……腹立ちを通り越して、いっそ清々しくすら感じてきたよ。けど、まぁ、いつまで続くかな!」
「これは、また……壮観だな」
ポラリスの言葉に反応するように、ついに空間がイリスに牙をむいた。空に煌めいていた星たちが一斉に地面……イリスに向けて降り注いでくる。
絶え間なく降り注ぐ隕石により、空間に轟音と爆発が響き渡る。それを強力な防御魔法で防ぐイリスの元に、拳を構えたポラリスが飛来し、腕を振るった。
それは小細工もなにもないただの右ストレート……だが、限界すら超えて鍛え上げられたポラリスの肉体から放たれるその一撃は、イリスの防御魔法を貫きその体に突き刺さる。
一度防御魔法が破れてしまえば、あとは降り注ぐ隕石が波状攻撃のように攻め立て、爆発と煙がイリスの体を呑み込んでいく。
そしてその光景を確認したポラリスが、両手を拍手するように打ち合わせると……創り上げられていた大規模空間結界はイリスを中心点に収束し、凄まじい爆発と共に消滅した。
大規模空間結界による攻撃、桁外れの膂力を誇る肉体での一撃、そして駄目押しの空間消滅攻撃……さすがに伯爵級最上位同士の戦いがこの程度で決着となることはないが、それでもそれなりのダメージは期待できる。
そう、終わりではない。むしろここからだと、綺麗に連続攻撃が決まったことで緩みかけている心に言い聞かせながら、ポラリスは無人島を覆うほどの煙の中で構えていた。
「……なるほど、限定的な未来視を使うというので、特殊な戦闘を行うタイプかと思っていたが……基礎能力が桁違いに高い万能型といったところか、面白いな」
「おいおい、冗談キツイね。これで決着とは思っていなかったが……無傷ってのは流石にショックを受けるよ。君は講師ではないと言っていたが、タネぐらい教えてほしいものだね」
煙の中から現れた無傷のイリスを見て、さすがのポラリスも額に一筋の汗を流しながら問いかけた。
「うん? あぁ、別に特別なタネなんぞない。先に我が纏った獄門の黒衣には自動発動する防御効果をもっているという、それだけの話だ」
「あぁ、なるほど……そういえば服が元に戻っているね。自動発動でいまの攻撃を受けきるとは、恐ろしい性能だね」
「まぁ、便利ではあるな。さて、『いい戦いだった』」
「……なんだって?」
「此度の模擬戦は我にとっても実りの多いものだった。特に大規模結界魔法を体験できたのはよい勉強になった。またいずれ、こうして戦える機会を作りたいものだな」
イリスの言葉にポラリスは怪訝そうな表情を浮かべる。それもそのはずだ。まだイリスが設定した時間まで20分近く残っている上、互いに大きなダメージは負っていない。むしろ戦いはここからが本番のはずだ。
しかし、イリスの口調はまるで……。
「……では、『終わらせよう』」
「ッ!?」
気づいた時にはポラリスはイリスから距離を取るように跳躍していた。意識した行動ではなく、体が勝手に脅威から逃れるように動いた。
「目覚めよ、我が心に眠る暴虐の獣! 黒き爪は地を裂き、黒き牙は天を喰らう。汝は捕食者、天地滅ぼす終焉の獣! 我が心の牙はここに! 顕現せよ! 魔杖――アポカリプス!」
黒い魔力が吹き荒れ、イリスの手に巨大な杖が顕現する。
「さて、ポラリス……貴様は強い。だが、生憎と我は、簡単に負けてやるわけにはいかんのでな」
不敵な笑みを浮かべ問いかけるイリスの脳裏には、かつて親友と交わした言葉が思い浮かんでいた。
――さて、これで大体のことは教え終えました。思った以上に覚えは早かったですね。ここから先は、イリス自身で己の戦闘スタイルを伸ばしていってくださいね。
――あぁ、何度も貴様に教えを乞うなぞ、ごめんだからな。まぁ、此度の指導に関しては感謝している。
――相変わらずのツンデレ……まぁ、私の方もまたイリスに指導とか鳥肌立つので、マジ勘弁してほしいです。っと、それはそうと、ひとつ報告です。
――うん?
――イリスの体ですけど、ちょっと調整を加えました。使いこなせてなかった基礎能力を若干落として、その代わり今後鍛錬次第で『成長できる』ように調整しました。
――ふむ、そうか……つまりこう言いたいわけだな。ここより先、どこまで強くなれるかは我次第だと……。
――そういうことですね。ちなみに今のイリスの力は伯爵級上位に届くかどうかってところです……私も優しく立ち止まって待ってあげるつもりはありませんよ。ちんたら遊んでないで、さっさと追いついてくださいね……相棒。
挑発するような親友の笑みを思い出して苦笑しつつ、イリスはアポカリプスを構えながら小さな声で呟いた。
「……数億年というのは大きなものだ。我は再スタート時点でズルをしているようなものだが、それでもいまだ遠すぎて背中も見えぬほど差は開けられているとはな」
「うん? なんの話だい?」
「いや、なんでもない……せっかくだ。我のアポカリプスの力を教えておいてやろう。なに、能力は極めて単純だ。アポカリプスは我の注いだ魔力を爆発的に増幅する。このようにな!」
「ぐっ!?」
瞬間イリスが手に持つアポカリプスを中心として漆黒の魔力が荒れ狂う。それはもはや魔力の嵐と言っていいレベルで、思わずポラリスも一歩後退した。
「黄昏の鐘が鳴り響く、滅びの歌を聞き、終焉の獣は咆哮する!」
イリス自身が持つ強大な魔力は、アポカリプスによって増強され、六王相手にも通用するであろう領域までその力を引き上げる。
だがそれだけでは終わらない。いまの彼女にはかつては持ちえなかった魔導兵装という力がある。
「咢をあけよ! 狩りの時間だ!! 魔導兵装――『暴獣の牙』」
吹き荒れる魔力が収束し、イリスが手に持っていた巨大な杖が……禍々しき漆黒の槍へと姿を変える。それを見たポラリスは、青ざめた表情で一筋の汗を流した。
(……冗談としか思えない魔力密度。駄目だね。アレは私の持つすべての防御魔法を使ったとしても、受けられない)
ソレはまさに暴力的なまでの力の塊であり、見ているだけで久しく感じていなかった『死』を強烈に感じさせる。
全身が総毛立つような感覚を味わいつつ、ポラリスはフッと笑みをこぼした。
(なかなかどうして、死の王の配下に相応しい禍々しさ……本当に見事だよ)
イリスは戦いにおいてある拘りを持っている。戦いにおいて、戦略は重要だ。技術も磨けるだけ磨くに越したことはない。特殊な能力や、様々な状況に対応できる柔軟性も必要不可欠だろう。
だが、それよりもなによりも……戦いにおいて最も重要なのは『火力』だ。無論他をすべて兼ね備えたうえでの話ではあるが、最後に勝敗を分けるのは火力だと、そう信じている。
戦略も技術も能力も応用性も……すべてを粉砕し飲み込む圧倒的かつ暴虐的な火力こそ、彼女が一番強く追い求める力である。
故にシンプルに火力を超強化するアポカリプスは、まさに彼女の心の在り方を現しているともいえる。
「……では、幕を引こう。喰らえ、暴獣! ヘル・アポカリプス!!」
キーとなる言葉と共に、イリスは巨大な槍を振り下ろし、その凄まじき力を解放した。すでに火力という領域においては、伯爵級の中でも最強と言っていいレベルに到達した彼女の一撃は……ポラリスが咄嗟に張った防御結界も、周辺の結界も、ポラリス自身さえ……根こそぎ暴虐の魔力によって飲み込み、消し飛ばした。
横たわっていたポラリスが意識を取り戻すと、隣に座っているイリスの姿が目に映った。
「気が付いたか」
「……私は……そうか、負けたのか」
「さぁ、どうであろうな……それは『貴様が決めればいい』」
ポラリスの呟きを聞いたイリスは、どこか優し気に感じる声で空を指差した。その指の先にあるのは、戦いの始まりにイリスが空に出現させた時計。
見てみると、イリスが定めた終了の時間まで……『1分』残っていた。
「……」
イリスが定めたポラリスの勝利条件は、三十分という時間が過ぎた時、ポラリスが『立っていること』。つまり、イリスはこう言っている。
いま立ち上がって自分の勝ちとするか、そのまま寝転がっていて負けとするかは、ポラリスが選べばいいと……。
そんなイリスの意思を理解したポラリスは、フッと笑みをこぼしながら寝転がったままで顔だけをイリスに向ける。
「……性格、悪くないかい?」
「さてな」
ポラリスは気付いていた。イリスがわざと29分で時計の針を止めていたことに……ポラリスが望むなら、死王配下筆頭の座を譲っても構わないと、そう言っていることに……。
「それで、立たぬのか?」
「立たないさ……」
「そうか」
寝転がったままのポラリスの言葉にイリスが頷くと同時に、空に浮かぶ時計の針が動き、役目を終えた時計は消え失せる。
それを確認してからゆっくりと起き上がったポラリスは、近くに置かれていたとんがり帽子を被りながら、イリスに声をかける。
「というか、そもそも……『最初から負けるのは分かってた』わけだしね」
「うん? あぁ、そういえば、未来視ができるとか言っておったな」
「限定的だし、魔力消費も大きいから常時使ってるわけでは無いけどね。それでも、君と戦うという行動の末に待つのが、私の敗北だっていうのは分かっていた。だから最初から言っていただろう? 君が死王配下筆頭であることに文句は無いって……アレは本心だよ」
「そうか……ではなぜ、負けると分かっていて戦いを挑んだ?」
「私は結果しか見ることはできないからね。君の力が知りたかったという言葉も本心だよ……あとはまぁ、アレだね。やっぱり頭では納得していても、感情の面では複雑だったんだよ。だけど、思いっきり負けたおかげでずいぶんスッキリしたよ」
そう告げながら立ち上がったポラリスは、イリスの方を見て不敵な笑みを浮かべながら告げた。
「まぁ、そんなわけで、これからもよろしく頼むよ……『筆頭殿』」
「ふっ……存分にこき使ってやろう。さっそく城に戻ったあとは、今後に控えるであろう神界の祭りについての打ち合わせから行うぞ」
「おいおい、なんて人使いの荒い上司だよ。自己復活したとはいえ、一度肉体消し飛んで死んでるんだけどね私……ここは一旦ティータイムなんかを挟んで英気を養ってからにしてほしいところだよ」
やれやれと肩をすくめながらイリスの後に続くポラリス、その表情はどこか楽し気で、先ほどの言葉通り彼女の中でいろいろな感情に決着が付いたことを示していた。
「まぁ、茶ぐらいなら用意してやる故、せいぜいしっかり働け」
「おや? それは楽しみだね。では、筆頭殿の腕に期待させてもらうとしよう」




