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『備える者たち』

『勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした』第三巻の発売日が決定しました!


3月22日です! 表紙絵や詳細は、活動報告を参照してください。




 相変わらずの調子で告げたあと、シャルティアは九人があえて空席にしておいた席に座り、同様にパンドラもその隣に座る。

 それを確認してから、他の十魔たちも席に戻っていく。


「さてさて、今日は急な招集をしてすみませんね。まぁ、皆さんも忙しいでしょうしさっそく本題に……と行きたいところですけど、今回はちょっとハードな内容なのでね。意思確認でもしときましょうかね」


 軽い口調で告げるシャルティアに対し、十魔たちはただ静かに主の言葉の続きを待つ。


「……半年後、かなりの高確率で『神界と戦う』ことになりそうです。しかも、私の予想が正しければ……相手は貴女たちの知る神族じゃないです。『シャローヴァナル様の力によって爆発的に強化された神族全員』でしょうね」

「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」

「今回に限っては、参加しなくてもペナルティなんてのは無いです。なにせ、推定ですが……『伯爵級の力になった下級神800』、『六王級の力になった上級神200』、そして……『六王を遥かに超えた力を得た3体の最高神』。これが敵になるわけですからね。ぶっちゃけ、命の保証はないです」


 そう、今回は以前の魔界と神界の戦いとは次元が違う。なにせ、今回は『シャローヴァナルが本気で勝とうとしてくる』のだ。自らの兵である神族の強化ぐらいは行うだろうと、シャルティアは推測していた。

 特に三体の最高神に関しては、いったいどれほどの力を得て立ち塞がってくるのか、想像すらできなかった。


「もちろんこっちも、六王は全員参戦するでしょうし、私も裏で仕掛けはしますが……まぁ、厳しい戦いっすね。ハードモードなんてレベルじゃねぇぐらいです。というわけで、ひとりずつに確認をとっておきましょうか……繰り返しますが、参加しなかったとしてもペナルティなんてありません。じゃ、まずはパンドラ……」

「無論参加します。私の力はすべて、シャルティア様のために……」

「そうですか……じゃ、グラトニー」

「パンドラ様と同じく、参加します」

「……パンデモニウム」

「ひとつ~確認したいんですけどぉ……」


 パンドラ、グラトニーとシャルティアを狂信的に慕っているふたりはあっさりと了承し、次に尋ねられたパンデモニウムは裁縫の手を止めて告げる。


「その件には~カイト様がぁ、関係していると思って~いいんですかぁ?」

「ええ」

「でしたら~参加しますぅ。私の運用は~シャルティア様にぃ、お任せしますぅ。私の命は~好きに使ってくださいぃ」

「わかりました」


 当然のことながら、シャルティアはパンデモニウムが快人に好意を抱いていることも知っている。だからこそ、自分の命を好きに使ってくれというパンデモニウムの言葉に対し、なにもツッコムことはなく頷いた。

 するとパンデモニウムは、話は終わったと言いたげに視線を落として裁縫を再開する。そう、そもそもこれは聞く必要すらない質問。

 パンデモニウムは心から快人を愛している。そして、常に快人の絶対の味方であると誓っている……もうすでに、己の全てを快人に捧げているのだ。今更、命を懸けることなどに迷う余地などない。


「じゃ、次、ファントムは?」

「……」


 シャルティアの言葉に対し、ファントムは無言で頷く。


「カタストロは?」

「……ふむ、ちなみに特別ボーナスなどは?」

「たっぷりはずみますよ」

「では、参加することにしましょう」

「アスタロトは?」

『無論、参加します』

「モロクはどうです?」

「参加します。我が命は、シャルティア様のために……」


 とにかく身の回りのものに金のかかるカタストロは、特別ボーナスという言葉で参加を決意し、シャルティア狂信者であるアスタロトとモロクは一切の躊躇なく参加を表明する。


「フェニクスは?」

『強化された神族の力にも興味はありますし、私も参加いたします』

「ティアマトはどうします?」

「戦いとは悲しきものですが……仲間が傷つくのも悲しきこと、我が身を仲間の盾とするため、参加いたしましょう」

「じゃあ、最後にリリムは?」

「……これで私だけ断るってのも、空気が読めませんしね。参加しますわ」


 冷静に答えるフェニクス。涙を流しながら頷くティアマト……そして、髪をいじりつつ、苦笑して答えるリリム。

 これで、十魔全員が神界との戦いに参加することを了承した。


「……では、今後の各自の動きと、神族でも特に要注意の戦力をもつ者への対策を話していきますよ」








 魔界にてシャルティアがきたる戦いに向けて十魔と会議を行っているのと同時刻……神界の神域では……。


「……どうしたの、シロ? シロの方からボクを呼び出すなんて、珍しいね」

「ええ、少し話しておきたいことがありまして……来ていただいて感謝します。クロ」


 ひとりの青年……快人の物語。


 その『始まり』と『終わり』が対峙していた。





シリアス先輩「……フェニクスって十魔の中ではまともなの?」

???「いえ、あの子は……不死身なせいか『痛みこそ最も甘美な快楽』とかのたまってるドMです。攻撃まったく避けないですからね。むしろ当たりに行きます……今回参加表明したのも、そのあたりかと……」

シリアス先輩「幻王配下ってドMばっかりなの?」

???「いやいや、パンドラとフェニクスぐらいですよ! トップのアリスちゃんはノーマルなわけですしね……」

シリアス先輩「……え?」

???「……え?」

※アリスは快人のゲンコツにわざと当たってます


???「と、ともかく! クロさんとシャローヴァナル様が対峙! シャローヴァナル様の心の内が、少しだけ明らかに……次回『始まりの黒、終わりの白』……お楽しみに!!」

シリアス先輩「……ご、強引すぎるごまかし……」

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