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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 作者:灯台
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没ネタ①「エイプリルフール番外編」

次話の完成が間に合わなかったので、今日は以前没にしたネタを掲載します。尻切れトンボです。

【没理由】1話限りの嘘番外編にしようとしたら……終わりが見えなくなったので……。


 ――それは、一枚のカードから始まった。

 ある日の昼下がり、相変わらず客の居ない雑貨屋でのんびりと過ごしていると、ふとカウンターに置かれているカードに気付いた。

「……アリス? このカードは?」
「おや? ありゃ、『デッキ』を組んだ時に置き忘れてましたか……」
「デッキ?」
「ええ、そのカードは『トリニィアバトルカード』、通称TBCと呼ばれる……まぁ、早い話がカードゲームですよ」
「へぇ、この世界にもカードゲームなんてあったんだ」

 カードゲーム……俺がかつて住んでいた地球でも、多くの人々を熱狂させた遊びだ。かくいう俺も、少しだけ嗜んでいた。
 まぁ、お金がかかり過ぎるのと……ぼっちなので対戦相手がいなくて、結局止めてしまったが……。

「このTBCにはモンスター、マジック、トラップの三種類のカードがあります。それを使って戦っていき、相手のHPを削り切った方が勝ちですね。モンスターにはそれぞれレベルがあって、上級モンスターには生贄が必要です。1~13までで、レベル5以上のモンスターには1体、レベル8以上のモンスターには2体、レベル10以上のモンスターには3体の生贄が必要です。特殊召喚とかもありますけどね」
「……待ってそれ、なんか知ってる」
「デッキは50枚、初期の手札は5枚で1ターンに一枚ドローできます。カイトさんは知らないでしょうが……この世界では相当の人気をほこるカードゲームで、大抵の方には『おい、バトルしろよ』で対戦を申し込めます」
「……知らないけど、知ってる」

 それって、アレだよね。俺の世界にあったギネスにも載った世界規模で有名なカードゲームだよね。まさかそれも、過去の勇者役から伝わったんだろうか?
 不思議な感覚だ……初めて聞くカードゲームなのに、ルールを詳しく聞かなくてもプレイできそうな気がする。

「最大の特徴はコレ! カードパックを買うと必ず付いてくる『白紙のカード』です!」
「……それは知らないな……なにか意味のあるカードなの?」
「実はこれ、魔水晶の欠片が入っていまして……縁を二回なぞると『その人の自身のカードが自動生成』されるんです。効果やステータスも自動的に決まります! 魔力の質が高いほど強いカードが生まれがちですがね」
「……なにそれ、凄い」

 アリスが白いカードを取り出し、その縁を二度撫でると……白紙だったカードにアリスの姿が写り、カードに変わった。
 流石魔法というべきか、常識を超越している。

 【雑貨屋店主・アリス】レベル13 ATK2500 DEF2500
 効果:このカードは相手のマジック、トラップ、モンスター効果の対象にならず効果も受けない。このカードがフィールド上に存在する場合、このカードのプレイヤーは1ターンに一度デッキからカードを2枚ドロー出来る。

「その人だけのカードですね。ちなみに私は魔力の質を変えれますので、カードもそれに合わせて変わりますね」
「ふむふむ……というか、なにこのカード効果……ルールを知らない俺でもチートって分かるんだけど……」
「まぁ、そこはほら私六王ですし……ちなみに、ノーフェイスの時の魔力で作るとこうなります」
「……インチキカード過ぎる……」

 【幻王・ノーフェイス】レベル13 ATK4000 DEF4000
 効果:このカードは通常召喚出来ない。フィールド上に存在する闇属性モンスターを3体生贄にした場合に限り特殊召喚できる。相手はこのカードの召喚に対してマジック、トラップ、モンスター効果を発動することはできない。このカードは相手のマジック、トラップ、モンスター効果の対象にならず効果も受けない。このカードがフィールドに存在する時、コントローラは1ターンに一度手札、デッキ、墓地からレベル4以下のモンスターを任意の数召喚できる。このカードがフィールド上に存在する限り、相手プレイヤーは手札を公開しなければならない。

「まぁ、私のもそうですが六王や最高神のカードは、どれも超強力です。なので、欲しかる人は多いくてあるルールが用意されています」
「それは?」
「本人とのバトルカードにて勝利できれば、カードをもらうことができます。コレは一般のプレイヤーにも言えますね。白紙のカードはカードパックに必ず入っているので、本人であれば何枚でも作れますからね」
「なるほど……けど、それだと挑戦者が凄い数になるんじゃ……」
「ええ、なので六王および最高神に挑戦できるのは1年に1度……しかも挑戦するためには配下との5連戦に勝利しなければなりません……アイシスさんは除く。まぁ、そもそも、六王や最高神に会うのが大変なので、挑戦できるのは基本的に勇者祭ぐらいですよ」

 なるほど、一般のプレイヤーにも勝利すればその本人のカードがもらえるってことは、それでカードを集めてデッキを強化し、六王や最高神に挑む感じかな? 面白そうだ。

「まぁ、カイトさんならバトルしなくても、欲しいと言えばくれそうですが……どうせなら正規手段で集めたいと思いません?」
「……それは、まぁ……」
「5枚プラス白紙カード入りカードパック、ひとつ3Rです。箱買いなら安くしますよ?」
「そうきたか……う~ん。正直ちょっと興味がある。アリス、買うからルールとか詳しく教えてくれ」
「おっけ~ですよ。じゃあ、私に勝てたら雑貨屋店主アリスちゃんのカードを上げましょう。六王としての私に挑む場合は、配下と5連戦してもらいますが……雑貨屋店主の私とは何回バトルしてもOKですからね~」

 こうして俺も、この世界で大人気のカードゲームTBCに手を出した。

「じゃあ、まずはカイトさんのカードを作ってみましょう。ささ、どうぞ~」
「……ああ……これで、よし……うん?」
「……ねぇ、カイトさん。私のカードを散々チートとかインチキとか言いましたけど……貴方のカードも酷いですからね」
「……う、うん、たしかに……」

 【ミヤマカイト】レベル1 ATK10 DEF10
 効果:このカードの召喚は無効化されない。このカードが相手のカードによって破壊されたターンのエンドフェイズ、このカードを手札に戻す。フィールド上に存在するこのカードを手札に戻し、手札にあるモンスターカード1枚を『召喚条件および制限を無視して』特殊召喚することができる。ミヤマカイトの効果は1ターンに1度しか発動できない。








 あの時はまだ、理解していなかった。六王、そして最高神……そして、その全てに勝つことで挑戦できる創造神……その凄まじい強さを……。

「ボクのターン! フィールド上の魔力トークンを生贄に奉げ、ボク自身のカードを召喚!」
「……ぐっ」
「……カイトくん、凄いね。アインたちを倒してボクのところまで辿り着いた……でも、まだボクには勝てないよ!」

 【冥王・クロムエイナ】レベル13 ATK5000 DEF5000
 効果:このカードは通常召喚出来ない。フィールド上に存在するモンスター3体を生贄にした場合に限り特殊召喚できる。相手はこのカードの召喚に対してマジック、トラップ、モンスター効果を発動することはできない。このカードは『このカード以外の』マジック、トラップ、モンスター効果の対象にならず効果も受けない。1ターンに1度、デッキ、墓地から任意の魔法カードを手札に加えることができる。このカードのATK・DEFは墓地に存在する魔法カード1枚につき1000ポイント上昇する。このカードがフィールドを離れる時、相手フィールド上のカードを全て破壊する。

 フィールドに登場したクロのカード。その能力は圧巻の一言だった。強力な耐性、圧倒的なステータス、魔法カードを無限利用できる強力効果……さらに排除しても強烈な反撃がくる。
 俺の手札に、このクロのカードの攻撃を防げるカードはない……勝てないのか? というか、ノリでクロに挑戦したけど……絶対一番最初に挑む六王じゃなかった!?

「……くっそ……クロのカードはすごく欲しかったけど、これは流石に……」
「……そ、そんなにボクのカードが欲しいの?」
「え? あ、あぁ……そりゃ『大好きな』クロのカードだし、出来れば欲しかったけど……また1年後に再挑戦するさ……さぁ、ひと思いにやってくれ!」

 クロのカードの攻撃力は現在15000……HPが全快でも1撃でやられる。そして俺のフィールドのモンスターは攻撃表示……負けだ。

「……分かったよ……ボクは! 冥王クロムエイナのカードで……『ボクにダイレクトアタック』!!」
「……は?」

 そう、たしかにあの1枚のカードが始まりだった。無敗だったのクロに勝利したとして注目を集め、流されるように他の六王に挑戦することになった。
 さらには、ことある毎に自分の場所まで辿り着けと催促してくる創造神、わざわざルールを覚えて俺の元にやってきた地球の神といった存在に悩まされながら……俺の長い戦いは幕を開けた。



どう考えても某国民的カードゲーム
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