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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 作者:灯台
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どんな魔物を買うのだろう?



 パンドラさんにエデンさんと強烈な人物が続いたあと、俺は最初にリリアさんたちを見た場所まで戻ってきていた。
 なぜか移動するたびより悲惨な方と遭遇しており、リリアさんたちのグループが一番マシだと思ったからだ。

「離してください!」
「駄目です!」

 ……10分ぐらい経過しているが、まだやってるみたいだ。
 リリアさんたちの姿を確認して近付くと、一番初めにルナさんが俺に気付き、ホッとした表情を浮かべて口を開く。

「ほ、ほら、お嬢様! ミヤマ様ですよ!」
「……離し――え?」

 ルナさんの言葉を聞いたリリアさんは顔だけ俺の方に向け、目を見開いて硬直する。そして、少し沈黙したあとで、やや慌てた感じで髪を手で整え始める。

「……こほん。そうですね。いくら個人資産があるとは言え、私も公爵家の当主……無駄遣いはしていられませんね」
「そ、その通りです!」
「ま、まぁ、そもそも、模型など買っても置く場所が無いですしね。屋敷に飾るわけにも行きませんし……」
「ええ、流石お嬢様!」

 もしかして、リリアさん……俺にはまだ秘密の部屋のことがバレてないとでも思ってるのだろうか? リリアさん、その隣で相槌うってる人、俺や葵ちゃんたちに秘密の部屋のことベラベラ話た裏切り者ですよ……。
 ま、まぁ、確かにリリアさんたちの前にある模型は10メートル近くありそうなほどでかいので、部屋とかは関係なく置けなさそうではあるが……。

「おはようございます、皆さん。大きな模型ですね。有名な作品なんですか?」
「おはようございます、カイトさん。ええ、こちらはロンド様の作品なので……」
「美術品としても評価の高い作品をいくつも生み出した伝説の模型師ですよ」

 気を取り直して挨拶と共に模型について聞いてみると、リリアさんが穏やかな微笑みを浮かべながら口を開き、ルナさんが補足の説明をしてくれる。
 しかし伝説の模型師ねぇ……う~ん。それ、例によって例の如くアリスなんじゃないだろうか? 今度聞いてみよう。

「ジークさん、おはようございます」
「おはようございます。ベルちゃんとリンちゃんも、おはようございます」
「ガウッ!」
「キュイ!」

 よく俺と一緒にブラッシングや餌やりをしていることもあり、ベルとリンもジークさんにはよく懐いている。リンはやや臆病で少し時間はかかったが、いまは屋敷の人達とも仲良くなっているが、ベルの方はプライドが高くあまり人には懐かない。
 ベルが俺の命令以外で友好的に接するのは、ジークさんと名付けの親であるアリスくらいだ。

「おや? ベルとリンを連れてきたのですね」
「グルルル」
「こら、ベル!」
「……なんでベルはいつも私には唸るんですかねぇ……」

 ちなみに屋敷に居る人の中でぶっちぎりで嫌われてるのがルナさんで、遭遇するたびにベルには唸られている。
 どうも、ルナさんが俺に悪戯をするところを目撃して「コイツは悪いやつだ」と認識したらしい。まぁ、間違ってはいないと思う。

「……なんでしょう? いま、心の中で貶されたような……」
「気のせいです」

 首を傾げるルナさんに簡潔に告げたあと、リリアさんとジークさんに話しかける。

「しかし、皆さん早いですね」
「ええ……ジークがものすごく急かすので……」
「私はずっと、この四日目を楽しみにしてたんです」
「ああ、なるほど……」

 ジークさんは筋金入りの動物好きだ。そんなジークさんにとって、今日の祭りは天国のようなものなんだろう。

「幻王様の本によると、今日は魔物の販売も行われるみたいで……それに備えて『貯金を全部』持ってきました」
「……そ、そうなんですか?」
「はい。私もベルちゃんやリンちゃんみたいな、可愛い子を飼いたいんです。リリにも許可をもらったので、いつかペットを飼うために貯めていたお金を持ってきました……金貨3枚ほどですが……」

 日本円にして300万円、ジークさんの年齢から考えるとかなりの額だ。ジークさんはしっかりした性格だし、コツコツと貯めていたのだろう。
 すると、ルナさんが少し考えるような表情を浮かべたあと、ジークさんに声をかける。

「……しかし金貨3枚では、いい魔物は買えないのでは?」
「うぐっ……た、確かに魔物は高いですよね」

 どうやら魔物は普通の動物に比べてかなり高価らしい。ベルも数十億だったし、珍しい魔物になればなるほど高価になるのだろう。
 う~ん。俺が買ってあげてもいいし、ブラックランクの招待状を使えばタダで手に入るかもしれない。けど、ジークさんの性格上絶対に固辞するよなぁ……。

「ちなみに、ジークさんはどんな魔物を買おうとしてるんですか?」
「う~ん、悩み所ですね。ベルちゃんみたいな魔獣タイプも可愛いですし、リンちゃんみたいな竜種も素敵ですし、愛玩用の小型種も捨てがたいです」
「な、なるほど……」
「育てやすさを考えると、卵から育てられる竜種ですが……ものすごく高いんですよ。竜種の卵は……」

 卵で買う竜種が育てやすい? ああ、刷り込みがあるからか……。
 魔物について、珍しく熱くなって語るジークさんを、どこか微笑ましく感じながら見ていると……リリアさんが咳払いをしつつ口を開いた。

「……こほん。まぁ、私もジークの親友として……場合によっては、お金を貸すのもやぶさかではありませんよ」
「……お嬢様はドラゴンを買ってほしいだけでしょ?」
「ち、違います。あくまで、親友の手助けをですね……」

 ドラゴン好きのリリアさんとしては、ジークさんに竜種を飼って欲しいみたいだ。確かに、いまも時々隠れてリンを可愛がってるみたいだし、本当にドラゴンが好きなんだと思う。

 拝啓、母さん、父さん――動物大好きなジークさんとしては、この機会にペットをゲットしたいみたいだ。ドラゴン好きのリリアさんが遠回しに竜種を勧めているが――どんな魔物を買うのだろう?



活動報告にてジークのキャラデザを公開しました。

~三行で分かる今回の話~

ジークさん「ペット飼いたい! この四日目が狙いどころ……可愛いペットが欲しい!」
胃痛「竜種マジお勧め、必要なら投資もする!」
ル☆ナ「そんなことよりおうどん食べたい」

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