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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 作者:灯台
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一周年記念番外編「死の魔力への挑戦中編②・果てなき壁」

申し訳ない。中編が三話構成になりそうです。

 強烈な脱力感を感じつつ、俺の体はベッドへと倒れ伏す。

「……ご、500回……終了~」
「お疲れ様、カイトくん」

 膨大な時間をかけながら、クロの指定した500回の気絶と回復を終了させていた。
 頭は痛いし、吐き気も酷い、精神的な面から来る疲労も半端ではない。こ、これは本当にしんどい。

「……何時間ぐらいかかったのかな? もう外は夜だよね?」
「うん? いや『4時間ぐらい』かな?」
「は? いやいや、10時間以上はやってたような……」

 クロが告げた4時間という言葉に、思わず疲れを忘れて体を起こす。そもそも魔力が一度空になるまで100秒かかって、それを500回なんだから、最速でやったとしても相当時間がかかるはずだ。
 そんな俺の疑問に対し、クロは明るい笑顔を浮かべて告げる。

「この部屋は『外と時間をずらしてる』から、外の時間は4時間ぐらいしか経ってないよ。シロほどじゃないけど、ボクだって時間操作はできるからね~」
「そ、そうなんだ……」
「うん! そういうわけで、明日からは『今日の倍』やるから」
「……へ?」
「1000回分だね!」
「……ソウデスカ」

 想像以上にクロがスパルタなんだけど!? 明日からは、この倍って……体感時間では20時間以上? いや、丸一日を越えるんじゃないか? つ、強くなれそうだなぁ……。

「……そ、そういえば! 結局今日一日で、俺の魔力ってどれぐらいになったの?」
「う~ん……『0.025』ぐらいだね! 魔力量が増えれば増えるほど上がりにくくなるからねぇ~」

 おっと、なんと今日一日で魔力量は25倍という急成長……ちくしょう! 100が遠い!?

「あの、クロ……つかぬことを聞くけど……」
「うん?」
「ぶっちぇけ、俺の魔力量って人間としてはどのぐらいのレベルなの?」
「え、ええっと……ま、まぁ、『平均的な10歳児』くらい……かな?」

 俺、どんだけ才能ないんだよ……俺の魔力量が低すぎる。

「クロ、正直に言ってくれ……俺の魔法の才能って……」
「……う、うん。『びっくりするぐらいへっぽこ』……」
「がはっ!?」
「か、カイトくん!? だ、大丈夫だよ! ボクがビシバシ鍛えてあげるから! ちゃんと高位魔族級まで引き上げるから!!」
「……あ、ありがたいような……恐ろしいような……」

 こうして、軽い絶望と共に訓練初日は終了した。







 クロとの特訓を開始してから一週間ほどが経ち、俺自身でも実感できるほどに魔力量が増えてきた。
 クロチェックによると現在の俺の魔力は『0.85』くらい……もうまもなく、一の位という大台に突入する。ま、まぁ、それでもちょっと優秀な一般人レベルらしいけど……と、ともあれ、着実に成果は出てきている。

 そして今日は、アイシスさんの居城に遊びに来て、一緒にのんびりと本を読んでいた。
 自分で望んだこととはいえ、この一週間のスパルタ特訓は本当にきつかった。だからこそ、こうしてアイシスさんと一緒に居ると本当に癒される。

「……なっ!?」
「……カイト?」

 幸せを実感しつつ、何気なくアイシスさんの手を握り……驚愕した。
 それは、訓練の影響で以前より魔力に敏感になっていたからか、それとも無意識に試してみようとアイシスさんの魔力に干渉したからなのか……俺はいま、アイシスさんの桁違いに強大な魔力を認識していた。いや、正確にいえば『漠然ととてつもなく大きいとしか理解できなかった』と言うべきだろう。

 まるで、頂上が見えないほどに巨大な山……その山に手をかけ、必死に押そうとしているような感覚。
 そう、理解してしまった……多少魔力量が増えたとはいえ、俺はまだアイシスさんの魔力がどの程度の大きさかすら理解できない程度なのだと……。
 頭では理解しているつもりだった。しかし、実際に感じた壁は……絶望的なほどに巨大だった。

「……カイト……大丈夫?」
「え? あ、はい。す、すみません」
「……今日……なんだか……疲れてる? ……なにか……あったの?」
「そ、それは……えっと……」

 話すべきかどうか、一瞬迷った。サプライズ感というのは貴重ではあるが、この件に関しては短時間で解決することはない。
 となると、ここで誤魔化せばアイシスさんに長い間心配をかけてしまうことになる。

 そう認識した俺は、アイシスさんにすべてを話すことにした。
 アイシスさんの死の魔力をどうにかしたいとクロに相談したこと、提示された方法の内俺が成長する選択を選んだこと、そして現在クロに特訓をしてもらっていること……。
 それを話し終えると、アイシスさんは明らかに動揺した様子で口を開いた。

「だ、駄目!? ……そんな……そんなに魔力を増やすのは……すごく大変……カイトが……辛い思い……しちゃう」
「心配をかけてすみません。でも、俺は……どうしても、アイシスさんを幸せにしたいんです」
「……私は……いまでも十分……幸せだよ? ……カイトが傍に居てくれるから……だから……そんな無茶は……」
「いま以上に……幸せにしたいんです」
「……カイト……」

 心から俺を心配し、特訓をやめさせようとしてくるアイシスさんの気持ちは本当に嬉しかった。けど、俺にはどうしてもこの目的を譲れない理由がある。
 アイシスさんと街中でデートしたいという気持ちもそうだが、それ以上にある目的のために、俺はこの課題を解決したかった。

「……俺は……だから、その……沢山の人に祝福されながら、アイシスさんと……とびきり幸せな『結婚式を挙げたい』んです!」
「ッ!?」

 そう、俺の真の目的はソレだった。アイシスさんがかつて描いた夢を叶え、大勢の人達に祝福されながら……幸せそうに笑う彼女の、ウェディングドレス姿をみたい。
 死の魔力の制御に関しては、直接触れていなくても俺の魔力が届く範囲なら可能なはず。もちろん、体から離れた位置で死の魔力を制御するには、クロが提示した最低ライン以上の魔力量と精密なコントロールが必要になるだろうが……不可能ではないはずだ。
 だったら、俺は、それに挑戦したい。

「……け……っこん……私と……カイトが……」
「はい。死の魔力を制御できるようになったら……改めてプロポーズします」
「……ぁっ……ぁぁ……カイト……カイトォ……」

 俺の言葉を聞いたアイシスさんは、目から大粒の涙を流しながら、それでも心から嬉しそうな表情を浮かべてくれた。

「……カイト……ワガママ言っても……いい?」
「はい」
「……頑張って……私が諦めた夢を……叶えて……そして……私を……世界一幸せな……お嫁さんにして」
「任せてください!!」

 震える声で告げられた願い……俺は確かな決意を持って、強く頷いた。







 アイシスさんに決意を伝えた翌日、俺は自室の机の前で真剣に考えていた。
 現実問題として、アイシスさんの死の魔力を押さえるには相当の魔力が必要で、俺の魔力量ではまだまだ遠く及ばない。
 どんなに高い壁だろうと、少しずつ上って行けるならいずれ越えられるが……どうしたって時間はかかる。

 ……いまのままじゃ、足りない。いまのままじゃ、遅すぎる。
 だけど、クロだって暇なわけじゃない。俺につきっきりで訓練してくれる時間は限られている。可能ならクロが居ない時にも、訓練をしたい。
 だけど、懐中時計型の魔法具はクロが持っているし、そもそもクロが居ない状態で気絶しても目覚める手段が……待てよ。

 ……シロさん、お願いします。あの呪いの魔法具ください。

(どうぞ、今度デートしてください)

 ありがとうございます。デートは了解しました。

 よしっ! これで訓練用の魔法具は手に入った。世界樹の果実も、リリウッドさんに貰ったものが沢山ある。
 クロは、満タンの状態からゼロまで魔力を消費してから回復させると、魔力量はよく伸びると言っていたが……『ゼロにしないと伸びない』とは言っていない。

 つまり、この魔法具で100秒じゃなく90秒……9割の魔力を消費したタイミングで世界樹の果実を食べれば、ひとりでも訓練が継続できるはずだ!
 効率の差がどの程度か分からないけど……そこは回数で補うことにしよう。

 頭痛や吐き気なんて気合いでどうとでもなる。俺はただ、ひたすら……頑張るだけだ!



快人くん、いつも通りブレーキぶっ壊れてる。

天然神「……才能が、欲しいですか?」
カイちゃん「……え?」
天然神「いまなら、私とデートを一回するごとに『シロポイント』が一貯まり、そのポイントを集めることで豪華景品と交換できます」
カイちゃん「……は?」
天然神「こちらがリストです」

~シロポイント交換レート(ただし快人に限る)~

グロリアスティー 1Pt
シャローグランデ 3Pt
神界お土産セット 5Pt
【オススメ】神域温泉旅行一泊二日(創造神付) 10Pt
【sale】時空神一日レンタル 50Pt
成長補正各種 各100Pt
才能各種(並) 各500Pt
才能各種(天才) 各1000Pt
経験値10倍 5000Pt
魔族の体(高位魔族級) 10000Pt
【HOT】神族の体(下級神級) 10000Pt
魔族の体(爵位級) 50000Pt
神族の体(上級神級) 50000Pt
主人公補正 100000Pt
転生チート欲張りセット 1000000Pt


天然神「豪華景品です」
カイちゃん「いや、なに訳の分からないポイント制で、俺を魔改造しようとしてるんですか……却下です。却下! あと、なにしれっと、クロノアさん景品にしてるんですか……まぁ、この中で少し興味そそられるのは……一泊二日の温泉ですかね。まえはシロさんとふたりきりでは無かったですしね……なんて」
天然神「たったいまから【ポイント10倍、温泉旅行自動交換キャンペーン】が始まりました。
カイちゃん「ちょっ……」
+注意+
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