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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 作者:灯台
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バレンタイン番外編~ハッピーバレンタインVerアイシス~

本日十六話目


 木の月14日目。この世界においても、広く浸透しているバレンタイン。
 そのバレンタインの日に、俺は死の大地にあるアイシスさんの居城を訪れていた。
 流石にこの日に呼び出されるというなら、どういう用件かは俺にも想像出来るし、ぶっちゃけると、ちょっと期待している。

「……カイト……いらっしゃい……呼び出して……ごめんね」
「いえ、お邪魔します」

 優しい笑顔で迎えてくれたアイシスさんに軽く挨拶をして、城の中に入る。
 バレンタインということを意識しているからだろうか、妙に緊張している気がする。

 そして案内してくれたのは、アイシスさんの部屋……いや、まぁ、この城はアイシスさんの居城なんだから、部屋は全てアイシスさんのなんだけど、そうじゃなくて、アイシスさんが普段よく使用している部屋だ。
 中にはお気に入りの本だけを並べた本棚と、いくつかの装飾品……そして机の上には、俺が贈ったオルゴールが大切そうに飾ってある。

 部屋に入ると、アイシスさんは空間魔法で可愛らしく包装された包みを取り出し、恐る恐るといった感じで差し出してくる。

「……バレンタイン……大好きなカイトのために……心を込めて……作った」
「ありがとうございます。アイシスさん、すごく、嬉しいです」
「……あっ……うん」

 俺が受け取ってくれるかどうか不安に感じながら渡してくれたアイシスさんのチョコレートは、受け取ると胸の中がじんわりと温かくなる気がした。
 もちろん俺がアイシスさんが作ってくれたチョコレートを受け取らないなんて、そんなことは天地が引っくり返ってもあり得ないわけだが……やはりバレンタインという雰囲気がそうさせるのか、緊張した様子で渡してくれるアイシスさんは、それはもう反則的に可愛らしかった。

 なんか、付き合ってから結構経つのに、アイシスさんの可愛さはいまだどんどん上昇しているので、なんというか凄まじい。
 特に俺がチョコレートを受け取った時の、ホッとした嬉しそうな顔は、思わず見とれてしまった。

 そしてこのチョコレートもまた、個人的に非常にポイントが高い。
 ラッピングは完璧とは言えないが、だからこそ手作りって感じがすごく出ていて……アイシスさんが俺のために頑張って作ってくれたんだって思うと、どうしようもなく嬉しい。

「……アイシスさん、さっそく開けてみてもいいですか?」
「……うん」
「では、失礼して……」

 アイシスさんに一言断りを入れてから、包み紙を破らないように慎重に開封し、小さめの箱を開けてみると……中にはハートの形をした、色違いのチョコレートが6つ入っていた。
 通常のチョコレート、ホワイトチョコレート、ストロベリーチョコレート、マーブル模様のチョコレート……オレンジ色のは、オレンジかマンゴーだろうか? そして最後の一つは……。

「……青い、チョコレート?」
「……う、うん……プラネットフルーツっていう……果物の……チョコレート」
「へぇ、そんなのがあるんですね」
「……うん……私の好きな色だから……変……かな?」

 最後の一つは強く明るい青色……コバルトブルーのチョコレートで、俺の居た世界ではあまり見なかった色だが、ストロベリーチョコみたいに、果物を混ぜたチョコらしい。
 青色は食欲を減退させる色だって聞いたことがあるけど……アイシスさんが、自分の一番好きな色を、俺に贈るチョコレートに混ぜてくれたことが嬉しく、むしろ早く食べたいと感じる。

「……俺も、青い色は好きですね」
「……そう……なの?」
「はい。だって、ほら……なんとなく、アイシスさんの色って感じがしますから」
「……カイト……はぅ……嬉しい」

 アイシスさんは髪の色は白で、目の色は赤……それだけなら青というイメージは無いが、薄く青い光を纏って浮遊していたり、青系統の服を好んで着ているので、アイシスさんといえば青色みたいなイメージがある。
 だからこそ、俺もなんだろう? 愛しい恋人のイメージカラーだからかな? 青色はすごく好きだ。

 嬉しそうに微笑むアイシスさんに癒されつつ、俺は先ずその青いチョコレートから口に運ぶ。
 少し酸味があるが、決して主張が強いわけではなく、パッションフルーツ的な味わいだ。中に入っているチョコレートクリームの舌触りとよく合い、爽やかな後味を感じる。

「……すごく、美味しいです。アイシスさんは、お菓子を作るのも上手なんですね」
「……カイトに……美味しいチョコレート……食べてもらいたくて……いっぱい……練習……した」
「……」

 この方は本当にもう、なんていうか、いじらしいというか……とにかく可愛すぎる。
 尽くしてくれるタイプって言うのか、凄く純粋で温かな好意を惜しげもなく向けてくれるから、幸せでしょうがない。

 そんなアイシスさんの手をそっと握り、美しい赤い瞳を見つめる。

「アイシスさん……」
「……カイト」

 互いに一度名前を呼び合うと、アイシスさんはそっと目を閉じる。
 まるで俺の全てを受け入れてくれるかのような、そんな仕草まで愛おしく……窓から微かに見える雪に染まった白を見つつ、目の前にある愛しい青を抱き寄せ……口付けを交わした。



流石のヒロイン力、シリアス先輩は死んだ。

出来てるのは、ここまで……ジーク、リリア、アリスの現時点恋人組は、仕事から帰ってから書きます。
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