双極神ティアナ⑪
ティアナさんと楽しく雑談をしながらお茶を飲んでいると、ふと話が俺の恋人を含んだこの世界の住人たちのことに移行していった。
「……快人くん、イレクトローネみたいに全員とってのは難しいと思うんだけど、快人くんの恋人とかにも挨拶をしてみたいんだけど、大丈夫かな?」
「え? ええ、大丈夫だと思いますけど……誰がいいですか? アリスやリリアさん、アニマやイルネスさんならすぐに呼べると思いますが、希望があるなら確認してみますよ」
「できれば、クロムエイナちゃんに会ってみたいなぁとは思ってるんだよ。快人くんの一番最初の恋人で、いろいろ大きな影響を与えた存在だからね。ちょっとミーハー的な感情があるのは否定しないけど、できれば会って挨拶をしてみたいなぁって」
「なるほど……じゃあ、ちょっと確認してみますね」
クロに会ってみたいというティアナさんの言葉を聞き、俺はクロに確認のハミングバードを飛ばした。ある意味ではクロは安牌かもしれない。ティアナさんは話しやすくて優しい方だが、異世界の神様なわけだし、リリアさんとかだとかなり緊張するだろうし、シロさんとかマキナさんの対応である程度慣れているクロは最初に紹介する相手として適していると言えるかもしれない。
そしてほどなくしてクロから返事があり、予定は空いているようですぐ来られるということだったので来てもらうことにした。
本当にすぐというか、ハミングバードの返事をして1分経たないぐらいの時間で転移魔法でやってきたクロは、ティアナさんを見て驚いたような……むしろ唖然としているような表情を浮かべた。
「……クロ?」
「え? ああ、ごめん。こんなに桁違いに強そうな存在を見たのは初めてで、ビックリしちゃった」
「ティアナさんって、クロの目から見ても滅茶苦茶強いの?」
「ぶっちぎりで強いと思うよ。シロの反則技は抜きにして、地球神とかカナーリスさんとかイレクトローネさんとか、その辺りも物凄い力を持った存在なんだけど……まだある程度、どのぐらい凄いかってのが分かるんだけど……この方は、もの凄く強いのは分かるけど、どれだけ凄いのか分からないというか……山頂がまったく見えない山を麓から見上げてるような気分だよ」
カナーリスさんが言っていた通り、ティアナさんは複数の世界創造主と会ったことがあるクロですら驚愕するほどに強いらしい。
そんなクロの言葉にティアナさんは穏やかに微笑んだ後で、気を取り直すように口を開く。
「……改めて、初めまして、クロムエイナちゃん。私はティアナ、こうして会えてすごく嬉しいよ。私に対して敬語とかは必要ないから、気楽に接してもらえると嬉しいな」
「は、初めまして、知ってるとは思うけどボクはクロムエイナ……ちゃん付で呼ばれたのは初めてで、なんか新鮮な気分。まぁ、ティアナさんから見れば、ボクはまだまだ子供みたいなものかな?」
「聞いちゃ駄目だったらすみません。ちなみに、ティアナさんって何歳ぐらいなんですか?」
クロも相当長い年月を生きているが、ティアナさんはおそらくそれでも比較にならないほどの年齢だろう。なので、いくつぐらいなのか気になって尋ねると、ティアナさんは少し考えるような表情を浮かべた。
「……えっと、それはつまりこの世界の基準……約8640時間で1歳とした場合に何歳になるかってことだよね。えっと、快人くんたちの知る数字の単位だと……『7648那由他1023阿僧祇733恒河沙3356極2213載6532正5070潤9761溝4693穣飛んで3000垓2253京8520兆23億3728万9510歳』……かな? ザックリと7648那由他歳だね」
「……な、なるほど……」
とんでもない年齢ということだけはよく分かった。そりゃクロの年齢は子供みたいなものか……。
「まぁ、世界創造主の年齢なんて参考になるものじゃないよ。世界によって時間法則とかも違うし、私より後に誕生した世界創造主だけど、私より年上って子もいるからね。あくまで、この世界の時間に当てはめるならって程度の話だから、気にする必要は無いよ」
「なんか、力もスケールもとんでもない世界創造主だね」
「でも、クロムエイナちゃんも私の力をある程度感じられるなら、全能級でもかなり上澄みのレベルだから十分すぎるほど凄いよ。まぁ、それに別に力が大きければ偉いってわけでもないからね。気にせず気軽に接してくれたら嬉しいよ」
「……カイトくん、ボクは前まで世界創造主ってなにかしらぶっ飛んだ困った存在だと思ってたんだけど……最近、実はシロとか地球神が問題児なだけで、大抵の世界創造主はマトモなんじゃないかって思い始めてきたよ」
「う、う~ん、単純にネピュラの関係者がマトモなのかも?」
クロの言わんとすることは何となくわかるし、俺も同じような感想を抱いてはいる。とはいえ、それはあくまでカナーリスさん、イレクトローネさん、ティアナさんと性格的にまともな方が続いてるからであり、もっと数多の世界創造主って考えると、ヤバめの方も多そうな気はする。
まぁ、ネピュラの関係者は割とみんなマトモというか、安心感はある。
マキナ「解せない。これは本当に解せないよ……なんで私がヤバいやつの代表みたいな感じで例えに出されてるのか……」
天然神「……地球神と同列扱いは不満です」
シリアス先輩「……まぁ、ヤバさで言うなら、マキナの方が遥かに上だから、さすがに一緒に例に出されてるシロにはちょっと同情する。シロはあくまで天然よりって感じなだけだし……」
マキナ「……私は?」
シリアス先輩「お前はヤベェ奴」




