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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした  作者: 灯台


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双極神ティアナ⑩



 密かにリリアの胃痛なる未来が確定していた頃、快人と楽しくお茶を飲んでいたティアナは、ふと思い出したような表情で快人に対して質問をした。


「そういえば、快人くん。私がここに来た時に、不思議そうな顔をしてたけど……あれは、私がなにかを確認するような動きをしてたからってわけじゃないよね? それより前から、怪訝そうな表情だったし……なにか感じることがあったかな?」

「え? ああ、えっと、なんて表現したらいいか……重さの無い水の中に居るような、空気が少し変わった感じがあって不思議に思ってましたね」

「なるほど、私が空間を保護したからそれで違和感を覚えてたんだね。それは、急でビックリしたよね」

「確かに驚きましたが、悪い感じとかはまったくしなかったので特に問題は無かったです」


 快人の返答を聞いて、ティアナは納得した様子で頷いてお茶を一口飲んで優し気に微笑む。そして少し間を開けてから、改めて快人に声をかけた。


「そういえば、いまの私のティアナって名前はこの世界用に考えたもので、いちおう本当の名前も教えておくね。私の名前は∇∮◆£って言うんだけど、聞き取れるかな?」

「……あ~すみません。カナーリスさんが口にした時もそうでしたけど、甲高い音のようにしか聞こえなくて……」

「ああ、それはしょうがないよ。私の名前はこの世界の言語形態には当てはまらないし、この世界や快人くんの世界の生物の音域で発声できるものでもないからね」

「ああ、やっぱり世界が違うと言語も違うんですね。トリニィアに召喚された時に言語が自動翻訳される魔法みたいなのが施されてるらしいんですが、やっぱり異世界は対象外ってことですかね?」

「ううん。たぶん普通に異世界の住人と会話するぐらいなら問題ない筈だよ。ただ、快人くんが認識できる言語に存在しない言葉とか音域は、翻訳魔法があってもどうしようもないのと、そもそも名前って翻訳できるようなものでもないしね。快人くんの世界に該当する言葉が無ければ、変な音としてしか認識できないだろうしね」

「なるほど……」


 快人が頷くのを穏やかな微笑みで見ながら、ティアナは静かに思考を巡らせた。


(……やっぱり……『聞こえはする』んだね。超高位次元階層に存在する私の名前は、専用の特殊な能力を持ってない限りは下位の次元階層の存在にはそもそも聞こえないはずだけど、快人くんは言葉として認識できないだけで聞こえてはいる。私がこの世界に来た時のことも……私が空間を保護した力を感じ取ってた。でも快人くんに、そういう次元階層の差を調整するような能力は無い筈……)


 これがカナーリスなどの全能の力を持つ存在であれば、次元階層の差を越えてティアナの名前や力を認識できる。そして仮に快人が、なんらかの次元階層を越えて高位次元の存在を認識できる能力を有しているのなら……力の差が大きすぎて能力が通用しないという前提を無視さえすれば、ティアナの名前や力を認識できる可能性はある。


(……なにか……あるね。快人くんの中に……全知を使っても分からないし、そもそもカナーリスやイレクトローネはおろか、ネピュラさんも気付けてすらいない。私が気付けたのだって、この世界に来た時に偶然快人くんが不思議そうな表情をしていたからだし、いまこうして目の前にしてなにかあると思って全知を使っても……分からない。全知を含めたあらゆる力で認識できず、存在も感じられず、気付くことすらできない力なんてひとつしかない……物語の終わり(エピローグ)……たぶん、力の欠片かな? それが快人くんの中にあって、次元階層の差とか影響を無効化してるって考えれば、納得できるね)


 快人の中になにか得体のしれない力があると予想しつつも、世界創造主の中でも極めて高位といえるティアナでもなにも見つけることが出来ない。そうなると消去法的にそれは物語の終わり(エピローグ)に関わる力しかありえなかった。


(シャローヴァナルが快人くんを守るために宿らせた? それとも、物語の終わり(エピローグ)そのものが快人くんを守ろうとしてる? 分からないけど……快人くんの安全面を考えれば、これ以上ないほど安心ではあるね。まぁ、そもそもシャローヴァナルの世界にちょっかいをかけようって世界創造主はいないだろうし、快人くんに害を及ぼそうとすれば、そもそも物語の終わり(エピローグ)以前に、私を含めた膨大な数の世界創造主が即座に動いて始末するだろうし、ここにはネピュラさんまで居るんだからまったく問題は無いんだけどね)


 快人の中に物語の終わり(エピローグ)の力の欠片があり、推測ではあるがそれはカウンターで発動すると考えれば、いまこの瞬間にティアナが快人を殺そうとしたとしても、待っているのは終わりだけであり快人は安全だ。


(……それなら別になにも問題は無いか)


 気付いたのは偶然かつ、あくまで推測の域ではあったが……特に快人や周囲に影響があるものではない。あくまで快人が次元階層の差を無効化できるのと、元々万全過ぎるほど安全だったのがさらに無敵になっただけである。


(……え? 待てよ? ということは、その気になれば快人くんは高位次元階層にある私の世界にも来ることが出来るってことだし、今回は除外した類の品をプレゼントしたりしても問題は無いってことかな? そうなると、恋人用の品でシャローヴァナルにオススメできる品も増えるし……自由来訪許可……貰えるかも?)


 カナーリスのアドバイスもあって、ティアナはシャローヴァナルと交渉する際にこの世界には無い恋人向けの品などを教えはしたが、次元階層の違いによってシャローヴァナルは大丈夫でも快人が体験不可能と思った品は除外していた。

 だが、快人が物語の終わり(エピローグ)の欠片の影響で次元階層の差を無視できるのなら、その辺りも紹介でき……それを交換材料にすれば、イレクトローネのような来訪許可を勝ち取れる可能性があった。


(まぁ、それは後で考えるとして、とりあえずいまは快人くんとのお茶を楽しもう)




シリアス先輩「なにげに、シロ本人すら気付いていない小さな物語の終わり(リトルエピローグ)に初めて気付いたのか……」

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― 新着の感想 ―
リトルエピローグ?…エビルエピローグじゃなくて?(笑)
多くの神?たちに愛されていますからね、カイト氏は。重なりあって予想外のバグを引き起こしても、もう驚かないぞ。
前のゲームの時はイレクトローネが対処してましたね〜 無数の創造神と相手より強くなるネピュラ、論外のシャローヴァナル ボディーガード充実しすぎだなぁw
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