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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした  作者: 灯台


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商会と専用ブラシ⑳

【警告】暴走はしていませんが、ヤベェ奴があとがきでヤベェこと言ってます。なお、繰り返しになりますが、別に暴走はしていません。



 アルクレシア帝国の皇城では、最近城に訪れる回数が劇的に増えたエリスとハミルトン侯爵が居て、同じ部屋に居るクリスと共に会議を行っていた。

 資料を手に持つ三人は難しい表情であり、厄介な状況であるのは伝わってきていた。


「……展開が、あまりにも早い上に想定よりもかなり規模が……シャロン伯爵とコーネリア令嬢には、明後日に登城してもらう予定なので、詳細はそこで聞くことになるでしょうが、すでに判明している情報だけでもかなりの事態ですね」

「竜王配下の動きに関しても想定以上ですが、まさか有翼族まで動きを見せるとは……そして、シャロン商会とセーディッチ魔法具商会の連携強化もほぼ確定事項」


 クリスが呟いた言葉に、同じように資料を見ていたハミルトン侯爵も難しい表情で告げる。最近リッチ男爵家の動きが慌ただしく、ハミルトン侯爵家もかなり動く必要があったためにバタバタとしていたが、それがひと段落したと思えば次は一気にシャロン伯爵家の動きが大きくなった。


「シャロン伯爵家は大忙しでしょうが、なにより留意すべきなのは、やはりコーネリア様に関してですね」


 ふたりの言葉に同意しつつエリスも真剣な表情で資料を見る。元々はシャロン伯爵家は貴族家の中でもかなり力がある家であり、ハミルトン侯爵家やクリスが動く必要は無いと見ていた。

 だが、想定以上に規模が大きいのと、複数の事態が同時に進行しているのが問題だった。


「そうですね。セーディッチ魔法具商会との提携となると、シャロン伯爵家は忙しくなるでしょうし、ヴィクター商会側のフォローが遅れたり間に合わない可能性も高いでしょう。特に商会関連の動きが危険ですね」

「ええ、コーネリア様がいかに優秀とはいえ、さすがにまだ経験が不足していますし、海千山千の方々を相手に交渉はかなり難しいでしょう。本来ならシャロン商会の人員を出向させたりといった形でサポートする予定だったのでしょうが、とてもそんな余裕があるとは……」


 クリスの言葉にエリスが心配そうに告げる。彼女たちが心配しているのは、今後ヴィクター商会の代表として交渉のテーブルに向かうであろうコーネリアだった。

 元々コーネリアは商会運営について学んでいたわけではなく、前回の快人との件を経て急ピッチで学習を進めていた段階でまだまだ経験が圧倒的に不足している上に、元々のヴィクター商会の商会長などは経営難でシャロン伯爵家に助けてもらったりという点からも分かるように、そこまで優秀とはいえない。


 本来ならそこにシャロン商会から優秀な人材を出向させてフォローする予定だったのだろうが、セーディッチ魔法具商会との提携が決まり、シャロン商会自体がかなり忙しくなってしまい人材を動かす余裕がない状態になっている。


「まさか、リッチ男爵家関連ではなくシャロン伯爵家関連に真剣に介入を想定する事態になるとは……」

「リッチ男爵家の際には、早期に五大商会であるロード商会が動きましたからね。ロード商会に睨まれたくないためか、大きな商会はあまり動きを見せなかった。ですが、今回は違います。シャロン商会は確かに大きく力のある商会ですが、同格ないし上回る商会はいくつもあります。明らかに美味しいと言える状況を見過ごすとは思えませんね」


 ハミルトン侯爵の言葉に同意しつつ、クリスは手元の資料に書かれたいくつかの大商会。活発な動きを見せているそれらを疲れた表情で見る。

 ハッキリ言ってしまえば、いまのヴィクター商会は魅力的だ。なにせ、少し噛むだけで莫大な利益が見込める上に、代表に立つコーネリアが経験が浅くシャロン伯爵家以外の後ろ盾もない状態。セーディッチ魔法具商会という世界最大の商会が動いているとはいえ、そちらはあくまでシャロン商会関連なのでヴィクター商会とのやり取りで出てくることはないとくれば、まさに狙いどころと言える状態だ。


「交渉の場にシャロン伯爵が出るわけにもいかないでしょうね。そうなれば、親同伴でなければ交渉もできないと揶揄されるでしょうし、やはりコーネリア令嬢に強い後ろ盾がないのが不味いですね。あまり皇家が介入すべきでは無いですが、場合によっては私が……」


 コーネリアにシャロン伯爵家以外で侮られないだけのバックがあれば話は変わるが、そんなものを急に用意できるわけでもなく、クリスが場合によっては皇帝として介入しようと考えたタイミングで部屋に慌てた様子で側近が駆け込んできてクリスに耳打ちをする。


「……退いた? 間違いないのですか? この場で構いません。詳しく話してください」

「はっ! 陛下が注視せよと仰られていた複数の商会が、ほぼ一斉に動きを変えました。確定ではありませんが、準備していた資金なども戻しており……ヴィクター商会関連から手を引こうとしているように見えます」

「まだ交渉前の探りすら仕掛けていない状態で? 幻王様辺りが警告……いえ、単に商会同士の利益争いに介入してくるとは……原因は分かりますか?」


 クリスは事前にいくつかの動きを見せている商会に目星をつけており、側近に動きを監視させていた。そしていまもたらされたのは、クリスが警戒していた商会が全面撤退の動きを見せているという驚愕の内容だった。

 クリスが警戒しているだけあって、かなり規模の大きな複数の商会だったため、実際に交渉の席につくこともなく撤退を決めるという動きは不自然だった。


 エリスとハミルトン侯爵も緊張した面持ちで話しを聞く中で、側近はやや自信なさげな表情を浮かべる。


「……確定とは言えませんが、ひとつだけ信じられない情報が入ってきています。金脈の覇者が動きを見せていると……」

「テトラ様が!? そ、それは、セーディッチ魔法具商会とは関係なく個人でということですか?」

「ええ、そのようです」


 クリスが唖然という言葉がよく似合う表情を浮かべるのも無理はなく、金脈の覇者テトラは途方もない財力と影響力を持つ存在だ。それこそその気になれば、経済的に国を崩壊させることもできるであろうと思えるほどであり、まさかそんな大物が動いているとは予想外にもほどがあった。


 エリスとハミルトン侯爵も心底驚愕したような表情を浮かべており、あまりにも想定外の事態というのは伝わってきたが……それでも、クリス、エリス、ハミルトン侯爵に共通した思いはあった。


 ……絶対に原因は快人だと……そういう、確信に近い思いが……。





マキナ「やぁ、我が子たち、元気かな? そろそろ母の話が恋しいと思ったから今日は、我が子たちに少し授業というか母が最近注目している子に関してと、愛しい我が子に対する感謝っていう基礎中の基礎について話をしようかなって思ってるよ。まぁ、本当にいまさらそんな基礎についての話? って思うかもしれないけど、やっぱりなんだかんだで基礎ってのは大事だし、そこを疎かにしちゃうとせっかくの愛しい我が子への感謝の念も周りに伝わりにくいってこともあるからね。せっかくだからこの機会に基礎を再確認して欲しいね。さて、愛しい我が子への感謝についてだけど、もう本当にこれは基礎中の基礎、愛しい我が子に対する感謝を常に心の中心に据えておくなんてのは世界を生きる生命としては最低限の礼儀であり、常識っていうのすらおこがましいぐらい当たり前の事なんだけど、嘆かわしいことに最近はこんな基礎中の基礎もできてない肉塊も多いんだよね。ただまぁ、私もトリニィアの肉塊すべてが駄目だとか言うわけじゃないんだよ。評価すべき点がある子はちゃんと評価するし、見込みがある子もちゃんと存在してる。特に最近注目しているのがオリビアだね。あの子は凄くちゃんとしてるね。毎日毎日愛しい我が子に深い感謝の気持ちを持って祈りを捧げている。基本中の基本だけど、その基本がしっかりできてるってのはやっぱり安心するし、ああこういう子でいいんだよこういう子でって感じで、私も高く評価してるしすぐ名前も覚えたね。今回はそんな私の評価も高いオリビアの動きを振り返りつつ、愛しい我が子への感謝について再確認していこう。まずオリビアのちゃんとしてるところは、細かな部分じゃなくて愛しい我が子の存在そのものに感謝していることがあるね。なにかをしてもらったからとかなにかがあるからじゃなくて、愛しい我が子は存在しているだけで尊いんだってちゃんとわかってるからこそ、愛しい我が子が存在している事実そのものに感謝できる。このマインドを持てるのはオリビアがちゃんと常時愛しい我が子への感謝の念を心に据えるっていう基礎ができているからで、本当に素晴らしいと思うよ。そして、オリビア関連で私が感心したのは愛しい我が子と我が子と三人でデートした時の事かな。この時にオリビアはまず、愛しい我が子がデートを受けてくれたことに対する感謝の祈りをして、本番の後でデートをしてもらえたことに対する感謝の祈りを行った。これだよ! この、デート前と後! 二回の感謝!! これができるのが、本当にちゃんとしてるよね。どちらか片方じゃなくて、己のために時間を割いてデートを受け入れてくれたことに対する感謝と、実際にデートをした上での感謝……ちゃんと分ってるよね。本当にこういう子なら私も愛しい我が子との恋愛に大賛成だし、場合によっては手助けしてあげよかなって思うよね。次に感心したのは愛しい我が子の誕生日を祝うパーティーの時に作った彫刻。ちょっと映像を出してみるけど、注目すべきはココだね。この愛しい我が子の彫刻の顔の部分にほんの少し5度の角度を付けているところだね。これが本当に素晴らしい! この5度!! この角度を付けることで、愛しい我が子の優しさとか包容力の表現力がグッと高まってただの彫刻に魂が宿ってるみたいな感じになって作品としての次元をひとつ高めてるんだよ。仮に私が審査員をしていたとしてもこれには満点を出したね。私だけじゃなくてカナーリスやイレクトローネもこれには唸ってたよ。この5度の角度は、愛しい我が子への並外れた理解があって初めて表現できる角度であって、初心者ができる領域の話じゃないんだよね。この角度を付けられる時点で、オリビアは愛しい我が子検定中級レベルの実力はあると思う。そして面白いのがやっぱり、こういう角度の付け方でその相手が愛しい我が子に対してどんな思いを抱いているかを読み取れるんだよね。もちろんそれを完璧に行うには愛しい我が子検定上級レベルの観察力は必要だけど、母は愛しい我が子マスターだから余裕で読み取れるね。例えば私が作った映画とかもそうだけど、私の場合は愛しい我が子の可愛さを特に引き立てるような角度を撮ることが多いね。私以外だとカナーリスとかは、愛しい我が子のカッコよさを重視した角度を好む傾向があって、どっちの方が優れているってわけじゃなくてどちらも愛しい我が子の側面として素晴らしく各々の微弱な好みの差でしかない感じだね。そして、オリビアに関してだけど彫刻から読み取る限り、オリビアは愛しい我が子の優しさや包容力……己を導いてくれる光、太陽のような存在であるって認識しているのが伝わってくるね。この見方も、なかなか斬新で面白いよね。ほら、私は母だからやっぱりどっちかっていうと導いてあげる側の視点になっちゃうわけだし、愛しい我が子に導かれる側であるオリビアの視点は中々に斬新で着眼点として凄く面白いし、私が表現するのとはまた違った愛しい我が子の魅力が見れて最高だね。もちろん安直に愛しい我が子という奇跡の存在に縋ってたりしたなら問題だけど、オリビアの場合はそうじゃなくて愛しい我が子のひとつひとつの挙動からしっかりと自分自身で学びを得ようとしているし、実際に多くの学びを得た上で愛しい我が子を己を導いてくれる温かい太陽のようだと思ってるわけだね。ここでも基礎が出て来るけど、ちゃんと基礎である愛しい我が子への感謝を常に心の中心に置いているからこそ、変に増長したりすることはなく己という存在を弁えた上で、愛しい我が子に対する絶対の信仰を抱けているわけだよ。本当に私が自分の世界以外の存在をここまで高く評価するのも珍しいけど、でもそこはちゃんとしてる子が居れば私は正しく評価するよ。オリビアは本当にしっかりしているし、高評価だからそのうちご褒美として私が作った愛しい我が子の映画も見せてあげよう。ああそういえば、オリビアも誕生日パーティのあとで愛しい我が子ミュージアムにちゃんと足を運んでたし、時間を操作して見終わった後で一度外に出て愛しい我が子ミュージアムの前で祈りの姿勢になって祈りを捧げてたね。いや、本当に分かってる子だよね! 我が子じゃないけど、本当に私の中では高評価だよ。愛しい我が子と恋仲になる資格は十分すぎるほどにあるから、今後もいっぱいデートとかして愛しい我が子との仲を深めて欲しいね。私も母として応援してるし、機会があれば協力してあげようって思ってるよ。さて、そんな感じだね。愛しい我が子への感謝の気持ちを心の中心に置くってのが重要だよって、今回の話で我が子たちにも伝わったら母は嬉しいよ。それじゃあ、また次の機会に会おうね!」



シリアス先輩「……暴走してないのにこれだよ。やっぱコイツヤベェわ……」

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― 新着の感想 ―
ママンのあとがきを読む前に「うっ」てならずにスっと読み始めれるようになったのが恐ろしいよ
この感じだと愛しい我が子が選んだからっていうフィルターを外すと、マキナさん的にはカイトくんさんの恋人たちに対して明確な評価の優劣があったりするのかな?
ぶっちゃけこれは作者の意思で書いているのか?それともよく聞くキャラが作者の意思を超えて動き出す、ということなのか?前者ならよし。後者なら、 どんだけなんだよマキナ、という話ですね。
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