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勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした  作者: 灯台


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商会と専用ブラシ②



 トロワさんは非常に話し上手であり、聞き上手でもあるというか……こちらに気持ちよく話させてくれるような、話題を広げる話術が凄い。

 俺の方に十分に話題の引き出しがある時は、主に聞く側に回り、要所要所で驚いたり感心したりといった感じで、的確に上手くこちらを話させてくれる印象だ。

 逆に俺の方がある程度話して、会話が途切れそうになるとさりげなく新しい話題を振ってくれる。


「ああ、そういえば、カイトは以前デュアルスター商会の新商品をあちこちに紹介してくれたんだって? おかげでかなり売り上げは好調みたいだよ」

「いえ、知り合いに勧めた程度ですが、助けになれたならよかったです……ってあれ? トロワさんって、デュアルスター商会の方にも関わってるんですか?」

「いや、ボクが直接営業に関わってたりというわけでは無くて、ボクがあれこれ営業を教えた……凄く簡単に言えば弟子みたいな子が何人か所属しててね。そこから聞いた話だよ」

「へぇ、確かにどちらもクロの商会ですし、そういう繋がりがあっても不思議じゃないですね」

「クロム様の家族は大抵どこかしらの商会に所属してるからね。もちろん全員が全員ってわけじゃないけど……話は変わるけど、カイトはコーヒーに関してはどうだい?」

「結構好きですよ。ただまぁ、もの凄く好きで豆から厳選してとかってほどじゃないです」


 トロワさんは営業関連では本当に伝説的な人らしいので、弟子とかがたくさんいたとしても不思議ではない。


「ああ、分かるなぁ。ああいうのって本当に拘ってる人は、そこまで拘るかってぐらいの熱量だよね」

「ですね。本当に好きな人の拘りは凄まじいというか、俺にはとても分からないような味の違いとかも分かってる感じでしたね。俺はまぁ、ある程度美味しければいいので……友人に有翼族のアメルさんって人が居るんですが、その人が自動で豆からコーヒーを入れてくれる魔法具を持ってたので、俺もああいうのでいいかなって」

「確かにそのタイプの魔法具もあるし、手軽に淹れれるから結構人気はあるね。カイトが見た魔法具はどんなのだったんだい?」

「えっと、たしか……」


 そのまま話題を広げて、アメルさんの家で見たコーヒーメーカー的な魔法具について話をすると、トロワさんは優し気な微笑みで相槌を打ちつつ話を聞き、俺の話がひと段落したタイミングで口を開いた。


「カイトが見たのは、シンプルなタイプの魔法具だね」

「うん? もっと多機能なタイプもあるってことですか?」

「あるよ。割と最近に最新型が販売されたばかりだし、えっと営業用のやつが……ああ、あった。これだよ」

「おぉ、サイズはそこまで変わらないですが……魔水晶が複数?」


 トロワさんが取り出したのは、アメルさんの家で見た魔法具と大きさはあまり変わらなかったが、複数の魔水晶が付いているものだった。

 多機能って言ってたし、この複数の魔水晶によっていろいろな機能が付与されてる感じかな?


「カイトが見たのは豆からコーヒーを淹れる機能のみのタイプだったと思うけど、これは砂糖やミルクもここの目盛を動かすことで淹れることが出来る。裏のコーヒー豆と水を入れるところの横にミルク用と砂糖用の投入口があるんだよ」

「へぇ、じゃあ本当に完全に全部自動でできる感じなんですね。でも、ミルクとか正確な量を入れておかないと、余ると痛んじゃいません?」

「そう思うだろ? そこが高性能なところでね。この魔法具は、使用してない間は状態保存の魔法が自動でかかるようになっているんだよ。だから、コーヒー豆やミルクもまとめて入れておけば、劣化とかを心配することなく好きなタイミングで飲めるんだよ」

「おぉ、それはいいですね。いちいちマジックボックスにしまったりする必要も無いですし……」


 その機能は本当に素晴らしいと思う。使ってない時は自動で状態保存状態になるなら安心だし、部屋に置いたままで飲みたいときにコーヒーが飲めるわけだ……欲しいな。


「ただまぁ、欠点もあってね。コーヒー豆から挽いて淹れる機能、砂糖やミルクを量や混ぜ方も含めて調整できる機能、エスプレッソとかも入れれる機能、マグカップとかを抽出口の下に置けば適量を入れてくれる機能、それに状態保存と、色々な機能を成立させるにはやっぱり複数の魔水晶が必要でね。魔水晶の数や機能が増えた分、どうしても高価になっちゃうんだよ」

「なるほど、ちなみにいくらぐらいなんですか?」

「このタイプだと金貨二枚だね」

「……あ、そのぐらいなんですね」

「ははは、カイトにとっては大した金額じゃないだろうけど、一般市民でコーヒーを飲むために金貨二枚を支払おうって思うぐらいのコーヒー好きなら、自分で豆を挽いたりするだろうし……どっちかと言うと、朝の起き抜けとかにわざわざ使用人を呼んでコーヒーを淹れてもらうのも面倒とかって貴族とか、ある程度裕福な相手が対象の魔法具だね」

「あ~言われてみれば、金貨二枚を嗜好品のために払えるのはかなり裕福じゃないと難しいですよね」


 マジックボックスや転移魔法具に比べればはるかに安価とはいえ、確かにコーヒーメーカーと考えれば日本円にして200万円は滅茶苦茶高いと言えるだろう。

 でも、俺は正直欲しいな……朝起きた時にこの魔法具でコーヒーを淹れて、窓から朝日に照らされる庭を見つつマグカップでコーヒーを飲む……いいな。


「……あの、トロワさん、その魔法具ってセーディッチ魔法具商会に行けば売ってるんですか?」

「本来は受注生産の魔法具だけど、カイトが欲しいなら用意するよ? ボクの権限で抑えているのがいくつかあるから、すぐにでも売ってあげられるよ」

「あ、じゃあ、是非買わせてください」

「もちろんいいよ。他ならぬカイト相手だし、なにかサービスしてあげたいけど、割引とかはカイトにとってあんま魅力的じゃないかな……じゃあ、値段はそのままで便利な追加機能が付いた品を用意するよ」

「便利な追加機能ですか?」

「ああ、フィルターの自動交換と洗浄機能だよ。使い終わったフィルターと、抽出が終わったコーヒー豆の粉を横に取り付けた箱に捨てて新しいフィルターをセット、同時に内部の洗浄も行ってゴミとかはその箱に纏めて入るから、箱の中身を捨てるだけでいいってそういう機能だね」

「それは凄く便利ですね! ありがとうございます!」

「喜んでもらえたなら、ボクも嬉しいよ。用意するように伝えておくから、帰る時にセーディッチ魔法具商会の本部受付に行って貰えれば大丈夫だよ」

「分かりました」


 いや~いずれコーヒーメーカーは欲しいと思っていたので、いいものが買えてよかった。今日さっそく買って帰れるみたいなので、いまから使うのが楽しみである。

 帰りにコーヒー豆とか、買って帰るのもいいかもしれないな……なんにせよいい買い物ができた。トロワさんには感謝である。


 …………あれ? パン屋について聞きに来たはずなのに、なんでコーヒーメーカー買ってるんだ俺? ま、まぁ、いいか、欲しかったし……。




シリアス先輩「そういえば、香織との話でトロワと話してると、なんかいつの間にか商品を買ってる的なことを言ってたが……完全にその流れか……」

???「まぁ、別に騙して無理に買わせてるとかでもなく、カイトさんの欲しがってるのもを察してさりげなく勧めてるのが見事なところですよね。買いたいって言ったのもカイトさん側ですし、本人もいい買い物できたって喜んでるので問題なしですね」

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― 新着の感想 ―
まあカイトくんさんに詐欺を働こうなんてしたら、文字通り天罰が落ちたり、傍に仕えてる超絶美少女さんに物理的にクビを切られちゃったりするだろうしなぁ(苦笑)
コンビニにある機械みたいな感じかな?笑 店舗によって味の違い(好み)があるから面白い。 かと言って某コーヒーチェーンみたいに名前の長いヤツだと個人的に毛嫌いしてる(若い子だったら慣れているだろうけど)…
パン屋の話を聞きに来たら、コーヒーメーカーを買っていた。 何がどうしてそうなるのか・・・と思うが、これはトロワさんの販売上手ということだな。 まあ、相手が懐豊かなカイトくんだし問題ないだろう。 し…
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