香織と映画鑑賞⑱
長らくお待たせいたしました。書籍版第15巻の発売日が2月20日に決定しました! 予約ページや表紙もすでに出ているので、あとがきに貼っておきます。
とりあえずアリスの武器屋には来たものの、別に香織さんは武器とかが必要なわけではない。凄い包丁とかも別にいらないだろうし、武器屋で買うようなものは……うわぁ、カウンターの横に明らかに変なコーナーがある。
普段アリスが着てる気ぐるむシリーズのプチぬいぐるみじゃないか……そう言えば、雑貨屋にあんな感じのオリジナルグッズあったなぁ・
「あっ、可愛い! 幻王様、このぬいぐるみって買っていいんですか?」
「ええ、どれでもひとつ5Rですよ」
「えっと、じゃあ一種類ずつ……」
そして、アリスの目論見通り着ぐるみを絶賛していた香織さんはぬいぐるみに食い付き、並んでいるぬいぐるみを一通り購入していた。
「……あ~でも、ぬいぐるみの状態で見ると少し可愛い気もしますね」
「ね? このぶてっとした感じが最高だよね」
「……やっぱり原因は中身か」
「ちょっと、カイトさん?」
特に小さい状態のぬいぐるみだと確かに可愛さはあり、ルナさんとかも好きそうである。そんなことを考えつつ香織さんの買い物を見ていると、支払いが終わったタイミングでアリスがふと思い出したように告げた。
「……しかし、そうですか、カオリさんが宿泊を……カオリさんも、例の毒牙にかかってしまうってことですね」
「れ、例の毒牙?」
「おい、アリス、いったいなにを……」
なんかよくない方向である。雰囲気がなんか、悪ふざけする時のやつなので、変なこと言いだしそうな気がした。
果たして俺の予想は現実のものとなり、次の瞬間アリスはとんでもないことを言い始めた。
「なにを隠そう、こちらのカイトさん。女性と混浴することに凄まじい情熱を燃やす、混浴マイスターでして!」
「えぇぇぇぇ!?」
「おまっ、いきなりなにを言いだすかと思ったら……香織さん、真に受けないでください。悪ふざけで言ってるだけ……」
「でも、少なくとも恋人に関しては全員混浴してますよね?」
「……」
「快人くん?」
……してる。残念ながら事実として、している。い、いや、俺がそうしようとして動いたというパターンはほとんど無いが、そう言われてしまうとぐうの音も出ない。
「それどころか、恋人以外も合わせれば混浴した女性の数は15人に届きますよね?」
「……」
「……快人くん? ……とんでもない肉食系だね君!? い、いや、もう肉食どころか酒池肉林ってレベルだよ!!」
「い、いや、その……た、確かに事実ではあるんですが……誤解もあるというか……」
本当になんというか、事実なので反論がしにくいというか……確かに数で言えば15人はいく……。
「さらに、なんと! 最大で同時に4人の女性と混浴を決めてます!」
「えぇぇぇ!? 怪しげなパワーストーンの広告みたいなことまでしてる!?」
確かにその手の広告に複数人の美女と混浴してる感じのはあるが……く、くそう、明らかにアリスは面白がって言っているのだが、困ったことに嘘はまったく言っていない。
あと、香織さんも驚いてこそいるものの別に引いてたりする様子はなく、恐らくではあるが大体俺が流されてそういう形になったのを推測しつつ、大げさなリアクションを取っている感じはした。
まぁ、だからと言って、誤解を解かないわけにはいかないのだが……。
「か、香織さん……弁明させてください。確かに、アリスが言ったことは事実なんですが、俺は混浴マイスターとかじゃなくて、そもそも俺が能動的に混浴を目的に動いたことはほぼ無くて、大抵は受動的なやつでして……」
「うん、まぁ、快人くんの性格的に自分から混浴してやるぜ~って状態じゃないのは、そうだろうとは思ってた。でもそれはそれとして、自分から能動的に動いてないのに15人と混浴してるのは、とんでもなくない?」
「……たぶんね、呪われてるんですよ……風呂に」
確かに香織さんの言う通り、自分からそうしようとしてないのに多くの人と混浴しているのは不思議なものではある。
六王祭の前日混浴システムで数が割り増しされているのを差し引いても、それ以外の場面でも結構混浴みたいな展開は多かった。
「本当に、私も何度風呂でカイトさんに辱められたことやら……」
「いや、お前のやつはほぼ自爆だろ……」
なんなら、ドが付く恥ずかしがり屋なくせに、混浴した回数で言えばたぶんアリスがトップじゃないかという疑いすらある。次点はシロさんだが……アリスの方が一回多い気がする。
「……で、カイトさん。カオリさんと混浴するんすか?」
「なんでそんな話になってるんだよ!?」
「カオリさんも、覚悟を決めてください。これは、カイトさんと親しくなった女性にはいつかは訪れる不可避な事態なのです」
「そ、そうなんですね……水着着用とかなら……なんとか……」
「香織さんも乗っからないでください! アリス、お前いい加減にしないとマジでピコハン出すからな!」
いや、アリスも香織さんも悪ノリしてるだけなのは間違いないのだが、こちらとしては変に気恥ずかしいというか、そんな話題になるとそれはそれで変に意識しちゃう部分もあるというか、とにかく困るのである。
でもなんだろう、気のせいだろうか? 香織さんはなんか、少し楽しそうというか……嬉しそうにしている気がした。




